連休は、ゆっくり休めたでしょうか?後半は天候に恵まれなかったのが残念でした。各家庭でも雨降りや荒天のため、計画していたことが予定通りできなかったという状況があったのではないかと思います。私も、栗駒山を中心に春探しをしたいと考えていたのですが、遠出はできませんでした。それでも、花を中心にたくさんの春を見つけることができましたので、フォトアルバムに写真を載せておきました。よかったら是非ご覧ください。
楊令伝(11巻)を読んで
楊令が目指そうとした国の形が見えてきました。
民のための国。そこには国王は存在せず、これまでの国のありようを超えた理想卿でもありました。たくさんの英雄たちが血を流してきた歴史の先に、これまでと同じような国はつくりたくない。梁山泊の志を形あるものにするために、楊令は頭領として理想の国づくりを進めていきます。
岳飛、張俊、李富もそれぞれの国のありようを模索し続けます。対立や戦いを通しながら、志を形にする物語がこれからも展開しそうです。
特に印象的だったのは、楊令と西夏の西に勢力をもつ耶立大石との会話の場面です。楊令は、交易を通して国を富ませ、安い税で民が豊かに暮らせる国づくりを進めています。そのためには、梁山泊から中近東などの西域につながる交易の道(シルクロード)をつくり、安全に物資が流通できるようにすることが必要です。そのルートを確保するために、楊令は自ら商隊を護衛し、耶立大石と会うことになります。
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「楊令殿は、梁山泊の王ではないか」
「俺は、王ではありません。俺の仕事は、梁山泊が流した血が、無駄にならない国を作るということですよ。そこまでが自分の仕事だと思っています」
「帝になってくれ、と言われたら?」
「国づくりの、頭領にはなりました」
「だから、帝として選ばれたら?」
「消えます。ただ、帝がいてもいなくてもいい国を、作り上げてから」
「いいのだろうか、そんなことを言って?」
「そういう国ができると、本気で考えているのは、俺ひとりかもしれない。できればいいとか、目指すベきだ、と考えている者は多くいますが。だから、俺の言うことは、幻のようなものでもあるのです。志が生み出した、谺(こだま)と言っていいのかもしれない」
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理想としての国のありようがどんなものなのか。志が生み出した、谺が、どんな形となるのか、次号が楽しみです。