あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

マララさんのメッセージ

2015-09-26 10:01:05 | 日記
9/25付けの朝日新聞の1・10面に、ノーベル平和賞を昨年受賞した マララ・ユスフザイさんのインタビュー記
事が掲載されていました。

「兵器は、常に破壊をもたらします。世界は兵器にお金を費やしすぎています。もし世界の指導者が、軍に費やす総額
のわずか8日分だけでも支出をやめさえすれば、世界中のあらゆる子どもたちを対象にした12年間にわたる教育(初中
等教育)への支出が1年間可能になります。
 私たちは彼らに対して、教育や保健衛生こそが人々にとって重要なのだと思い出させる必要があります。」

「私がオバマ大統領に無人機の問題を提起したのは、無人機がテロリストを殺害できるのは確かですが、テロの思想自
体を殺すことはできないからです。こうした人たちの多くは教育を受けておらず、職がなく、希望もないのです。そし
て彼らは銃を取るのです。子どもたちに銃を取らせたくないのであれば、本を与えなければなりません。」


 兵器は、何を生むものなのでしょうか。
人間を殺戮し、建物や自然を破壊し、愚かな核戦争まで始めれば、人類と地球そのものまで存亡の危機に陥ります。
尊い人命が失われ、悲しみと憎しみの連鎖が、すべての幸せを奪ってしまいます。
先日、経団連の誰かが、日本の武器輸出を奨励し防衛産業に力を入れるべきだと発言したそうです。
人命を奪う道具を売ることで、どんな幸せを手にするのでしょうか。経済優先の論理の中で、人間としての倫理観が失
われていくことにこそ危機感を覚えてしまいます。
モノづくりの究極の目的は、人類の幸福に資するものを創意工夫しつくりあげることにあるのではないでしょうか。
兵器を開発しつくることに、どんな目的があると言えるのでしょうか。
敵から身を守るために、相手の武器を上回る武器を持つことで抑止力を高めるために必要なのだと説くならば、どこか
安保法案をゴリ押しした考え方にも通じていくような気がしてしまいます。

必要悪である軍事費が、子どもたちの教育・人材や産業育成に振り向けられることで、テロの温床や思想を生む環境を
少しずつ変えることが可能なのだと思います。
早急な成果は見られないにしても、時が経過する中で安定した社会生活が営まれるようになり、難民となって祖国を後
にする人々も少なくなっていくことでしょう。
子どもたちは、銃ではなく本を手にすることで、誰もが戦うためにこの世に生まれてきたのではなく、幸せになるため
に生まれてきたのだと気付くことができるようになっていくでしょうから。

そういった状況をつくるためにも、今戦火の絶えない地域で指導者たちが停戦の合意に踏み切り、戦争に終止符を打つ
ことが必要です。
武器を捨てて、平和のテーブルに付く。敵・味方の区分を超えて、国民一人一人の幸せをつくるためにできることを相
談し、実践していく。
こういった動きが加速されるような働きかけや支援を先進国のリーダーたちが決断していけば、世界中から戦火は消え
ていくのではないでしょうか。

「私はもう一度狙われる可能性があるし、十分だからもうやめようと言うべきか、人生で想像できる最悪の時は過ぎた、
と言うべきか、選択を迫られました。私は続ける、と言いました。殺されることについて抱いていた小さな恐怖は、今
や消えてしまったからです。誰も私を止めることはできないと強く信じて、この活動を続けます。」

 イスラム世界にあって女子教育がおろそかにされる現実。子どもたちまでが銃を手に戦う現実。自らも銃弾を浴びた
テロの悲惨さ。貧困と仕事のない中で苦しい生活を強いられる大人社会のあり様。
さまざまな重い現実と過酷な経験を通しながらも、子どもたちが幸せに生きることのできる社会の到来を願う 18才の
切実な思いに、心が打たれます。
 その理想の灯が消えることなく、少しでも現実になるようにと心から願います。 
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