天声人語で、東洋大学が主催する「現代学生百人一首」の入選作品が取り上げられていました。
さっそくインターネットで検索し、入選作品(100首、小学生の部10首)に 目を通してみました。
いいですね。読み進めるたびに、心が洗われるような気がしました。
若くみずみずしい感性に満ちた作品にふれることで、自らの内にも若い感性がよみがえるような感じがしました。
以下、印象に残った作品を 感想を混じえて 紹介したいと思います。
○通学路寝ぐせが揺れるそよ風にノンフィクションの「今日」が始まる 高2
どんなノンフィクションの今日が始まるのでしょうか。そんなさわやかな心意気で一日をスタートしたいものです。
○教科書をあと何ページめくったら本当の平和はおとずれるのか 高2
本当の平和を求める強い願いがある限り、今度はあなたがその手で教科書の続きを書くことになるのだろうと思います。
○なにげない言葉一つにトゲはえていじめと気付かぬ言葉の怖さ 中2
言葉の怖さを知っているあなただからこそ トゲのない温かい言葉を 相手の心に届けていけるのだと思います。
○来年は与えられてる選挙権進路選択も出来ぬ私に 高2
選挙権を行使することの責任の重さを 真摯に受け止めているからこそ感じる不安なのでしょうね。
○本読めば時間がどんどんすぎていく不思議な力が私を連れさる 中3
本の世界を自由に旅する切符を手にするあなただから、本の方が 限りない世界にあなたを招いてくれるのでしょうね。
○尾木ママがテレビで言ってた反抗期あなたのことねと母がつぶやく 高1
そんな母のつぶやきが聞こえるのは、そろそろ反抗期が終わりかけた頃だからなのかもしれませんね。
○砂時計上から下へ落ちていき目で見て思う時間の重さ 高2
刻々と過ぎていく時の流れの速さと重さを体感するからこそ、一瞬の今を大切に大切に過ごしていきたいものですね。
○公民で勉強している選挙権三年後には人ごとしゃない 中3
その後の三年間の学びが 国の主権者としての意識や心構えを培ってくれるものと思います。胸を張って投票を!
○声持たぬ友との会話手と顔で大きく表現心つながる 中3
一生懸命思いを伝えようとするあなたの手と顔が、声を持たぬ友の心を開き、温かい言葉となって友の心に届くのでしょうね。
○助け合いなぐさめ合って支え合う人ってそういう生き物から 中2
お互いに相手を思いやる心が、友情や信頼をつくり、一人がみんなとつながる 理想の社会をつくっていくのだと思います。
○昼下がり私のやる気を吸い取って入道雲はぐんぐん伸びる 中3
息切れしないように、時にはやる気をわきにおいて 空をゆったりと眺めてみるのもいいですね。長い人生なのですから。
○漠然と立ちはだかった高い壁巨人みたいに見おろしたいぜ 高3
乗り越えるのには高過ぎる壁。その前で立ち止まることもあるでしょう。
でも巨人になって見下ろす想像力があれば、きっといつか壁の向こうに行ける道を あなた自身の手で見つけることができると思います。
○じじの死受け入れられずめくる本しおり代わりに私の写真 高3
あなたにとって大切なおじいさんであると同時に、おじいさんにとってもあなたは大切な愛するお孫さんだったのですね。
大切な人と過ごした時間は、大切な思い出となり、その中でおじいさんはあなたのことを見守り続けてくれるのだと思います。
○七十年そんなに長い月日かな忘れていくのは罪ではないか 高3
過去の戦争があって今があるのですね。過去の歴史から学んだことを生かしながら今を生きるということを 大切にしていきたいものです。
○日々熱き技能試験の夏過ぎて辛かった日の充足を知る 工業高3
熱い中 熱い思いで一生懸命取り組んだ技能試験だからこそ、終えた後の充足感はさわやかで心を満たすものだったのでしょうね。
○黒板にうっすら残る日直欄あなたが書いた私の名前 高2
恋心を抱いたころの疼くような淡い気持ちを思い出します。うっすら残る名前の向こうに、心をよせる人への慕情が静かに込み上げたのでしょうね。
○辛いから逃げたくなるけど逃げないと決めた私は今日も靴をはく 高1
靴ひもを強く結びながら 辛いものに立ち向かう意志を確かめ、踏み出していくのでしょうか。その決断と勇気ある一歩を心から応援したいと思います。
○本当は待てぬ返事を「待ってます」口にするのは僕の弱さか 高3
弱さとは言い切れない 相手の意思を尊重する優しさをあなたは持っているのだと思います。相手によっては、待つことが報われるときもあるのではないでしょうか。
○いがいがのいがの中からこんにちはひきこもりからぬけだす季節 中2
いがいがという言葉から、あなたが今の状況の中で感じている心の痛みが伝わってきます。
そこから「こんにちは」とぬけだすには、想像できないほどの 大きな決断と勇気が必要だったことと思います。新たな一歩を心から応援したいと思います。
○大空に一人で浮かぶ雲に問う「あなたも進路に迷っているの?」 高1
進学か就職か、自分のこれから進むべき道を決めるのですから それだけ迷いに迷うのですよね。
自分の夢や願いと向き合い 家族や友人、先生に相談しながら、これだと信じる 目指す道を歩んで行ってほしいと思います。
○折れにくい心に変えてみたくって7mmにするシャーペンノック 高1
折れやすい心を強くしたい。その願いが 少しずつ見えないところで これからのあなたの心を折れにくいものに変えていってくれるのだと思います。
○僕が見る半月君が見る半月二つ合わせて満月にしよう 高2
二人の半月が合わさって満月になる。いいですね。あなたの半月の光が相手を照らし、相手の半月もあなたを照らす。
重なり合う光が満月の明るい光となって、二人の前途を照らしてくれることでしょう。
○冬が好き雪の匂いもオリオン座も「寒い」と言って繋がれる手も 高1
いいですね。すべてのものが愛おしく好きになる 素直な恋心を感じます。
冷たい冬だからこそ、繋がれる手は心のうちまで暖かくしてくれるのでしょう。
○冬服に袖をとおせばひしひしと近づく入試肌で感じる 高3
昨日からセンター試験が始まり、入試の階段の一歩を踏みしめていることになるのですね。努力したことが報われる結果になるといいですね。
○「またきてね」言ってもらったあのコトバ神戸と東北絶えない絆 高2(神戸市)
二つの被災地と人々の心をつなぐ「またきてね」の言葉なのですね。これで終わりではなくこれからもしっかりと続く 温かい心の絆なのだと思います。
○伝えたい原爆の持つ恐ろしさ祖父に代わって次の世代へ 高1(広島市)
被爆体験を語り継ぐ祖父の思いを汲み取り、原爆の恐ろしさを伝える役目を 若い世代が受け継いでいくという 頼もしい心意気を強く感じます。
○拭く洗う一つ一つにありがとうそのひと言で頑張れるんだ 高2(看護専門学校)
看護実習を通して実感する思いなのだと思います。患者さん方からの「ありがとう」のひと言が心に響き、何よりの励ましや心の支えになっているのですね。
○一本のシャトルが床に落ちるまでみんなは息を忘れていたよ 中2
息をとめてシャトルの行方を見守る 緊張したゲーム会場の雰囲気が伝わってきます。勝利を決める一瞬の出来事だったのでしょうか。
○人事部の声にうなずきメモをとる同級生がまるで別人 高専5
就職を前にし 社会人としての一歩を踏み出そうとしている 友の真剣な横顔を見たのでしょうか。新たな世界に飛び立つ決意が伝わってきます。
○ぎこちない英語訛のコンニチハふわっとこころあったかくなる 高2(ニューヨーク学院)
アメリカ人の方からかけられた「コンニチハ」だったのでしょうか。異国の地で耳にした日本語と温かい眼差しが、心の中までふわっと温めてくれたのでしょう。
○こわがるな明日はきっととってやる白いボールを体の前で 小5
野球の練習でノックを受けた時の思いなのでしょうか。怖がらずに強いゴロを体の正面でとれるようになりたい。その思いで、今日もボールに立ち向かっているのでしょう。
○落ちた葉をていねいに拾うはかまいり祖母と話すよ守ってください 小5
墓の周りに落ちた葉を一つ一つていねいに拾いながら、大好きだったおばあさんと話していたのでしょうか。
やさしい孫の成長を、天国にいるおばあさんはこれからもずうっと見守ってくれることでしょう。
さっそくインターネットで検索し、入選作品(100首、小学生の部10首)に 目を通してみました。
いいですね。読み進めるたびに、心が洗われるような気がしました。
若くみずみずしい感性に満ちた作品にふれることで、自らの内にも若い感性がよみがえるような感じがしました。
以下、印象に残った作品を 感想を混じえて 紹介したいと思います。
○通学路寝ぐせが揺れるそよ風にノンフィクションの「今日」が始まる 高2
どんなノンフィクションの今日が始まるのでしょうか。そんなさわやかな心意気で一日をスタートしたいものです。
○教科書をあと何ページめくったら本当の平和はおとずれるのか 高2
本当の平和を求める強い願いがある限り、今度はあなたがその手で教科書の続きを書くことになるのだろうと思います。
○なにげない言葉一つにトゲはえていじめと気付かぬ言葉の怖さ 中2
言葉の怖さを知っているあなただからこそ トゲのない温かい言葉を 相手の心に届けていけるのだと思います。
○来年は与えられてる選挙権進路選択も出来ぬ私に 高2
選挙権を行使することの責任の重さを 真摯に受け止めているからこそ感じる不安なのでしょうね。
○本読めば時間がどんどんすぎていく不思議な力が私を連れさる 中3
本の世界を自由に旅する切符を手にするあなただから、本の方が 限りない世界にあなたを招いてくれるのでしょうね。
○尾木ママがテレビで言ってた反抗期あなたのことねと母がつぶやく 高1
そんな母のつぶやきが聞こえるのは、そろそろ反抗期が終わりかけた頃だからなのかもしれませんね。
○砂時計上から下へ落ちていき目で見て思う時間の重さ 高2
刻々と過ぎていく時の流れの速さと重さを体感するからこそ、一瞬の今を大切に大切に過ごしていきたいものですね。
○公民で勉強している選挙権三年後には人ごとしゃない 中3
その後の三年間の学びが 国の主権者としての意識や心構えを培ってくれるものと思います。胸を張って投票を!
○声持たぬ友との会話手と顔で大きく表現心つながる 中3
一生懸命思いを伝えようとするあなたの手と顔が、声を持たぬ友の心を開き、温かい言葉となって友の心に届くのでしょうね。
○助け合いなぐさめ合って支え合う人ってそういう生き物から 中2
お互いに相手を思いやる心が、友情や信頼をつくり、一人がみんなとつながる 理想の社会をつくっていくのだと思います。
○昼下がり私のやる気を吸い取って入道雲はぐんぐん伸びる 中3
息切れしないように、時にはやる気をわきにおいて 空をゆったりと眺めてみるのもいいですね。長い人生なのですから。
○漠然と立ちはだかった高い壁巨人みたいに見おろしたいぜ 高3
乗り越えるのには高過ぎる壁。その前で立ち止まることもあるでしょう。
でも巨人になって見下ろす想像力があれば、きっといつか壁の向こうに行ける道を あなた自身の手で見つけることができると思います。
○じじの死受け入れられずめくる本しおり代わりに私の写真 高3
あなたにとって大切なおじいさんであると同時に、おじいさんにとってもあなたは大切な愛するお孫さんだったのですね。
大切な人と過ごした時間は、大切な思い出となり、その中でおじいさんはあなたのことを見守り続けてくれるのだと思います。
○七十年そんなに長い月日かな忘れていくのは罪ではないか 高3
過去の戦争があって今があるのですね。過去の歴史から学んだことを生かしながら今を生きるということを 大切にしていきたいものです。
○日々熱き技能試験の夏過ぎて辛かった日の充足を知る 工業高3
熱い中 熱い思いで一生懸命取り組んだ技能試験だからこそ、終えた後の充足感はさわやかで心を満たすものだったのでしょうね。
○黒板にうっすら残る日直欄あなたが書いた私の名前 高2
恋心を抱いたころの疼くような淡い気持ちを思い出します。うっすら残る名前の向こうに、心をよせる人への慕情が静かに込み上げたのでしょうね。
○辛いから逃げたくなるけど逃げないと決めた私は今日も靴をはく 高1
靴ひもを強く結びながら 辛いものに立ち向かう意志を確かめ、踏み出していくのでしょうか。その決断と勇気ある一歩を心から応援したいと思います。
○本当は待てぬ返事を「待ってます」口にするのは僕の弱さか 高3
弱さとは言い切れない 相手の意思を尊重する優しさをあなたは持っているのだと思います。相手によっては、待つことが報われるときもあるのではないでしょうか。
○いがいがのいがの中からこんにちはひきこもりからぬけだす季節 中2
いがいがという言葉から、あなたが今の状況の中で感じている心の痛みが伝わってきます。
そこから「こんにちは」とぬけだすには、想像できないほどの 大きな決断と勇気が必要だったことと思います。新たな一歩を心から応援したいと思います。
○大空に一人で浮かぶ雲に問う「あなたも進路に迷っているの?」 高1
進学か就職か、自分のこれから進むべき道を決めるのですから それだけ迷いに迷うのですよね。
自分の夢や願いと向き合い 家族や友人、先生に相談しながら、これだと信じる 目指す道を歩んで行ってほしいと思います。
○折れにくい心に変えてみたくって7mmにするシャーペンノック 高1
折れやすい心を強くしたい。その願いが 少しずつ見えないところで これからのあなたの心を折れにくいものに変えていってくれるのだと思います。
○僕が見る半月君が見る半月二つ合わせて満月にしよう 高2
二人の半月が合わさって満月になる。いいですね。あなたの半月の光が相手を照らし、相手の半月もあなたを照らす。
重なり合う光が満月の明るい光となって、二人の前途を照らしてくれることでしょう。
○冬が好き雪の匂いもオリオン座も「寒い」と言って繋がれる手も 高1
いいですね。すべてのものが愛おしく好きになる 素直な恋心を感じます。
冷たい冬だからこそ、繋がれる手は心のうちまで暖かくしてくれるのでしょう。
○冬服に袖をとおせばひしひしと近づく入試肌で感じる 高3
昨日からセンター試験が始まり、入試の階段の一歩を踏みしめていることになるのですね。努力したことが報われる結果になるといいですね。
○「またきてね」言ってもらったあのコトバ神戸と東北絶えない絆 高2(神戸市)
二つの被災地と人々の心をつなぐ「またきてね」の言葉なのですね。これで終わりではなくこれからもしっかりと続く 温かい心の絆なのだと思います。
○伝えたい原爆の持つ恐ろしさ祖父に代わって次の世代へ 高1(広島市)
被爆体験を語り継ぐ祖父の思いを汲み取り、原爆の恐ろしさを伝える役目を 若い世代が受け継いでいくという 頼もしい心意気を強く感じます。
○拭く洗う一つ一つにありがとうそのひと言で頑張れるんだ 高2(看護専門学校)
看護実習を通して実感する思いなのだと思います。患者さん方からの「ありがとう」のひと言が心に響き、何よりの励ましや心の支えになっているのですね。
○一本のシャトルが床に落ちるまでみんなは息を忘れていたよ 中2
息をとめてシャトルの行方を見守る 緊張したゲーム会場の雰囲気が伝わってきます。勝利を決める一瞬の出来事だったのでしょうか。
○人事部の声にうなずきメモをとる同級生がまるで別人 高専5
就職を前にし 社会人としての一歩を踏み出そうとしている 友の真剣な横顔を見たのでしょうか。新たな世界に飛び立つ決意が伝わってきます。
○ぎこちない英語訛のコンニチハふわっとこころあったかくなる 高2(ニューヨーク学院)
アメリカ人の方からかけられた「コンニチハ」だったのでしょうか。異国の地で耳にした日本語と温かい眼差しが、心の中までふわっと温めてくれたのでしょう。
○こわがるな明日はきっととってやる白いボールを体の前で 小5
野球の練習でノックを受けた時の思いなのでしょうか。怖がらずに強いゴロを体の正面でとれるようになりたい。その思いで、今日もボールに立ち向かっているのでしょう。
○落ちた葉をていねいに拾うはかまいり祖母と話すよ守ってください 小5
墓の周りに落ちた葉を一つ一つていねいに拾いながら、大好きだったおばあさんと話していたのでしょうか。
やさしい孫の成長を、天国にいるおばあさんはこれからもずうっと見守ってくれることでしょう。