あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

新聞の投書欄の言葉

2018-11-04 23:04:47 | 日記
投書欄を開いて、目に入った言葉。
「これからが、これまでを決める」

それまで山歩きを趣味にするなど、健康な生活をおくってきた79歳の
加藤さんが寄せた投書のタイトルでした。
今年の四月に心筋梗塞の予兆があり、救急車で搬送され、バイパス手術
を受けたものの、以後閉そく性動脈硬化症を発症し、足指の先端が壊死
し、6本を切断したとのこと。

半年に及ぶ入院生活を送り、どう生きていったらいいのか思い悩む日が
続いたときに、出会ったのが 数学者・藤原正彦氏のエッセーであり、
その中の言葉「これからが、これまでを決める」という言葉。
著者の藤原氏は、近所のお寺の掲示板で その言葉と出会ったとのこと。

「これまでが、これからを決める」という欧米型世界観と正反対の東洋
の哲学にふれ、これからの生き方次第でこれまでの人生の意味が違って
くるという言葉は、加藤さんに大きな感動を与えたようです。

病み上がりで不安におびえる加藤さんにとって、その言葉はすっと頭に
入り、暗くて見えなかった前方に、光明を見出す思いがしたとのことで
す。

「これまでが、これからを決める」という考え方は、これまで積み重ね
てきた努力が、これからの(未来の)扉を開くという 考えに結びついて
いくのでしょうか。これまでの努力や苦労が、これからの人生において
きっと報われ実を結ぶという考え方も、とても大切な考え方だと理解で
きます。

しかし、その考え方を突き詰めていけば、これまでの生き方や努力が
未来を決定づけるということに結びつき、極端な考え方をすれば、過去
が未来を決定づけるという考え方につながっていくのかもしれません。

一方「これからが、これまでを決める」という考え方に立つと、これま
でに縛られず、これからの歩みや努力が これまでの人生の意義や価値
を意味あるものに変えていくという 考え方に結びついていくような気
がします。

ユダヤ人を迫害したナチスによる 過酷な収容所生活をおくる中で 
フランクルは、死と隣合わせの絶望の淵にありながらも、それでも人生は
あなたを待っているという考えにたどりつきます。

この考え方と「これからが、これまでを決める」という考え方とが、私
には どこかつながっているように感じます。

いつでも、人生は リセットでき、新たなスタートラインに立つことが
できる。これまで以上に これからの歩みが、人生の価値を決定づけてい
くのだろうから。

これまでの人生を否定するわけではありませんが、いたずらにこれまで
に縛られずに、今できること・今したいこと・今必要とされることに、
取り組むことで、新たに見えてくるこれからもあるのではないでしょうか。

「これからが、これまでを決める」
その言葉の重みを感じながら、今という時間を大切に過ごしていきたいもの
だと思います。

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