ユヴァル・ノア・ハラリ (Yuval Noah Harari )の名著「サピエンス全史:文明の構造と人類の幸福」によると、初期人類の言語会話は1)外敵や獲物に関する情報交換と2)噂話であるという。ホモ・サピエンスは社会的動物で、その協力は生存と繁殖のカギを握っている。自分が属する集団の中での情報が重要というのである。誰が信頼できるか、あるいは誰は危険で信頼できないかといった情報は、大きな集団へと拡大したり、まとまって行動するときに不可欠としている。噂は大抵、悪行を話題としている。噂好きな人は、元祖第四階級、すなわち、ずるをする人やたかり屋について知らせ、それによって社会をその類の寄生者から守るジャーナリストに役割を果たしている。彼はまた逆に、他者の噂話により、ベネフィットの高い見返りの情報を期待している。ここに仮想の仲間意識が芽生える。政治集団の派閥はこの「見返り」を期待する互助会なのだ。
(注)あの人はいい人だという噂話は、利得の独り占めという観点からするとあまりされない。「いい人」との関係は量的に限界があるので、なるべく独り占めしたいからだ。
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