金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【金融】あなたが日銀ならば何ができるか? その2

2019-03-28 07:30:56 | 金融マーケット
 金融政策とは、「成長の風が吹く時に、その風を遮ったり開放したりしながら、風速の調整を行う作業」に他ならないと、前回申し上げました。もし、その成長の風がほぼ吹いていない状況ならば、金融政策の実効性もまたほぼ期待できないもの、と自分は考えています。しかし、現在の日本では、この成長の風を吹かすことも含めて金融政策に期待する思いが蔓延しています。どうして、このような混乱した議論が起きてしまったのでしょうか?

 第二次安倍政権が発足した直後、日本経済はデフレ経済の只中であり、緩やかなインフレを安定的に発生させることが経済成長の基盤になると期待されていました。そして、「インフレは金融政策だけで実現が可能である」と主張する、リフレ派と呼ばれる学者や官僚出身者たちが安倍首相のブレーンとして官邸を取り巻きました。Y大学のH名誉教授、Kアジア開発銀行総裁、I学習院大学教授、といった方々です。

 当時、アメリカでも「ヘリコプター・バーナンキ」と呼ばれたバーナンキ元FRB議長が、「インフレを発生させるのは簡単。ヘリコプターからお金をばらまけば良い」と言ったように、リフレ派と呼ばれる有識者は多く存在しており、事実、リーマンショック後のアメリカ経済は「ヘリコプター政策」も含めて有効に働き、復活を遂げることになります。

 ところが日本では同じような効果は得られませんでした。ここの検証をきちんと行うシンクタンクがないのが一番の問題なのですが、自分が推測している日米の違いは、「成長の風がいつでも吹いているアメリカ」と「殆ど吹かない日本」。この差は、以前にもこのブログで申し上げた「移民流入の差」だと考えています。

 いずれにしても、成長の風が吹き続ける環境と、そうでない環境では、同じ金融政策でも効果が全く異なってしまうという当たり前の事態を、6年前の日本で議論されることは殆どありませんでした。


 


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