日曜日のGⅠ秋華賞を展望いたします。
今回は、京都芝2000mではなく阪神芝2000mで開催されます。同じ右回りの小回りコースですから、それほど違いを気にする必要はなさそうですが、敢えて違いを申し上げれば、京都は、軽い野芝で、最後の直線に坂がない。一方の阪神は、洋芝が混ざり、直線の坂にインパクトがあります。この馬場の違いによる影響は?
この影響を考察するには、まず過去の京都の秋華賞が、2つのタイプに分かれることを認識する必要があります。
第1のタイプは、前半がスローペースで流れて、残り600~800mの瞬発力勝負になるケース。この場合は、前々にいたスピード馬が有利になります。あのジェンティルドンナが、逃げたヴィルシーナをやっとのことで差し切った2012年、同じく逃げ切り必至のミッキーチャームを、アーモンドアイが最後の最後で差し切った2018年のレースが典型。大本命が後方にいる時になりやすく、上位馬の上りタイムは33秒台。
第2のタイプは、前半から淀みなくペースが流れて、ラスト600mはスピードの持続力の勝負になるケース。やや消耗戦気味になって、この場合は、中団・後方から差してくる馬同士で決まることが多い。2014年のショウナンパンドラ、2015年のミッキークイーン、2017年のディアドラの時が典型。勝ち馬は、中団あるいは後方から長く良い脚を使って勝っており、上り3ハロンも34秒台から35秒台。
今回の秋華賞は、人気になりそうなソダシ、ファインルージュ、アンドゥヴァラナウトの3頭ともに先行馬。レースのタイプとしては、第2のタイプになる可能性が大。そうだとすると、いつもの京都2000mよりも、最後に坂がある分、余計に阪神2000mの方が、差しが決まりやすいと言える気がいたします。
次に、出走馬の底力ランクを、過去のレースから勝手に格付してみることにします。
今年の3歳牝馬のレースで、ダントツにレベルが高かったのは、文句なしに桜花賞。勝ちタイムの1分31秒1はレースレコードだけではなく、阪神マイルのレコードタイム。この時の1着~4着が、5着以下とは明らかに実力が異なっており、この4頭の絶対的スピード能力は別格と言えます。
1着ソダシ、2着サトノレイナス、3着ファインルージュ、4着アカイトリノムスメ。この4頭のスピード能力が別格ということになります。秋華賞ではまず、このスピードの絶対能力が求められるので、中心視すべき馬はこの中にいると考えます。
そして消耗戦になったオークスでは、ソダシとファインルージュは着外に敗れました。しかし、ダービーに出走したサトノレイナスは厳しいダービーペースで5着に入り、アカイトリノムスメはオークスで2着に入りました。この2頭は、消耗戦の色彩が濃くなれば、ソダシ、ファインルージュとの順位を逆転できる力があるということ。
残念ながらサトノレイナスは故障休養中ですので、アカイトリノムスメが中心とすべき馬に見えます。しかし、この馬を中心に据えるか否かは、レースのタイプが本当に第2のタイプになるか?ということと、ぶっつけで本番に出走してくるので、馬の状態は大丈夫か?という2つのポイント次第となります。
最終の予想は、ここを考察した上で、また日曜日にお話させて頂きます。