11月のマイルCSのトライアルレース、東京新聞杯(GⅡ)です。
ところで、日本には、良質な1ターンの芝マイルコースが4つ存在します。
まずは東京1600m、そして阪神1600m、京都外回り1600m、最後が新潟1600mです。このうち、新潟と京都には最後の直線に坂がないため、東京・阪神に比べると単調なレースになりがち。一方で、阪神1600mは、直線が長く、しかも最後に坂が控えているので、スピードの絶対値と持続力の両方を兼ね備えた馬でないと勝てないコース。この点は、東京も同じです。GⅠ安田記念の勝ち馬には、種牡馬としての評価で一段と高いものが与えられるのは、これが理由です。
ご存知のとおり、今年のマイルCSは阪神で行われます。毎日王冠組のシュネルマイスターとダノンキングリー、そして秋華賞組からソダシといった面々が人気を集めると思いますが、トライアルレースの中で、最も本番に繋がるレースは、この東京新聞杯になると思います。
さて、今年の東京新聞杯は、NHKマイルC2着の3歳牝馬①ソングライン、関屋記念の勝ち馬⑤ロータスランド、エプソムCの勝ち馬②ザダル、昨年のNHKマイルCの勝ち馬⑧ラウダシオンなど、マイル路線の好メンバーが揃いました。しかし、そんな中で、私が最も気になるのは、2018年の日本ダービー馬⑭ワグネリアン。
ワグネリアンは3歳秋の神戸新聞杯を勝ったあと、ジャパンカップ3着や札幌記念2着があるだけで、勝ち運に恵まれていません。惜しかったのは2019年のジャパンカップで、重馬場の中、勝ったスワーヴリチャードと内と外の位置が逆だったら、この馬が勝っていました。
ワグネリアンは、実は重い馬場が得意です。それは、馬場に応じて、小刻みに脚を動かす「ピッチ走法」を得意としているためで、マイルのような素早い反応が必要なレースでは、このピッチ走法で対応することができると思います。また、主戦騎手の福永騎手に手が戻るのが何と言っても心強い。
今回は、テンの速い逃げ馬も、二の足が速いGⅠ馬もいるので、前半の速いペースについていけるかがテーマではありますが、本番前の練習のつもりで、後方から差し脚を、しかも反応の良い差し脚を見せてくれることを期待します。
馬券は、⑭ワグネリアンの単勝と、⑭ワグネリアンと①ソングラインの2頭軸の三連複8点 ⑭①⇒②④⑤⑧⑩⑬⑮⑰ で。
先々週のマカヒキに続いて、友道厩舎が演出する、ダービー馬復活の華やかな歌劇を期待したいと思います。
ここは2着3着でもいい! ワグネリアンよ、高らかに歌い奏でよ!!