このBlogでは、世界のチャンピオンディスタンスは、既に芝2400mではなく、芝2000mへ移行していると再三申し上げておりますが、ここ最近の天皇賞秋のレースを振り返れば、それもそのはず、と納得のいく内容ばかりになっております。
また、今の日本の中長距離のGⅠレースは消耗が激しいレース内容になってるため、かつてのように、天皇賞秋⇒ジャパンカップ⇒有馬記念と、3つのレースを皆勤できる馬は存在しません。香港カップを含めて、秋のGⅠは、せいぜい2つまで出走できれば御の字といったところ。
そのため、ジャパンカップに至っては、レース間隔の問題から、出走メンバーのレベルが低調になるケースが散見され、昨年のように、3歳陣が無理をして出てくれない限り、豪華メンバーによる覇権争いは見ることが難しくなりつつあります。
一方、天皇賞秋においては、秋の古馬GⅠ路線の初戦ということもあり、豪華なメンバーが揃いやすいレースになっています。ここ2年は、史上最強牝馬アーモンドアイが2連覇を果たしましたが、2019年は、アーモンドアイ、ダノンプレミアム、アエロリットによる「マイル路線の三大怪獣 地球最大の決戦!」という名勝負でした。2020年も、アーモンドアイ、フィエールマン、クロノジェネシスによる「それぞれが異次元に生息する三大怪獣が集結! 宇宙大戦争‼」と言うべき大激闘となりました。特に、2020年はあのアーモンドアイが、フィエールマンとクロノジェネシスにギリギリまで追い詰められる好勝負でありました。(表現方法が、昭和の東宝怪獣映画のパクリばかりで失礼いたしました!)
もっと遡れば、2008年のウオッカ、ダイワスカーレット、ディープスカイによる「写真判定13分間の攻防!」や、2013年のジャスタウェイ、ジェンティルドンナ、エイシンフラッシュの「世界ランキングNO.1 を決めた4馬身差!」、2013年のモーリス、リアルスティール、エイシンヒカリの「日本で行う世界一決定戦!」など、その年の実力NO.1を決めるレースばかりが思い出されます。
今年も、この天皇賞秋に、昨年の三冠馬コントレイル、スプリント・マイルの2階級王者グランアレグリア、今年の3歳最強馬エフフォーリア、現在の長距離路線王者ワールドプレミアなどの豪華メンバーが揃います。凱旋門賞に遠征したクロノジェネシスは不在ながら、現5歳世代の短中長距離の王者グランアレグリアとワールドプレミア、4歳世代の王者コントレイル、3歳世代の王者エフフォーリアが揃いましたので、今年の実力NO.1決定戦と言っても良いレースであります。
そして実力NO.1決定戦ならば、芝2000mで行うのが良いと、自然に有力馬が集まった結果でもあります。
賞金額だけで言えば、日本ダービーやジャパンカップ、暮れの有馬記念が突出した高額レースとなっていますが、実際の価値で言えば、既にこの天皇賞秋こそが、JRA最高の舞台に相応しいレースとなっています。
さて、今年のレース展開ですが、コントレイルとエフフォーリアは、昨年のアーモンドアイと同様に、比較的前々の位置取りを志向すると思います。一方のグランアレグリアは、末脚を活かすべく中団待機で、前にいるはずの2頭を目標に差し脚を伸ばしてくるはず。そして、ステイヤーであるワールドプレミアは、昨年のフィエールマン同様に、後方待機で早めに仕掛けて、時間をかけながらスピードに乗るレース運びを取ると思います。
最後の直線では、まずはコントレイルとエフフォーリアが激しい競合いのまま抜け出してきて、それにグランアレグリアがぐいぐい迫ってくる、そしてゴール寸前にはワールドプレミアも大外から迫ってくる。何が抜け出したか、一瞬判らない! というレースになると期待しております。
予想は、また日曜日に述べさせて頂きます。