10月22日(金)23日(土)の両日、京都府の仁和寺で行われた竜王戦第2局は、70手で後手番の藤井聡太三冠が快勝。これで開幕から2連勝となりました。
豊島竜王としては、序盤の31手目☗7五歩が悪手で、これであまり良いところがない将棋になってしまったと、局後に感想を漏らしていました。研究手順だったと思ってみていたのですが、ご本人曰く「準備不足だった」と。万全の準備で臨んだ研究手に対して、藤井三冠がそれを上回る対処法を繰り出して制圧してしまった可能性もあり、もしそうだとすると豊島竜王のショックは計り知れないと思います。
第3局は、今週末の10月30日(土)31日(日)に、福島県いわき市「雨情の宿 新つた」で開催されます。豊島竜王には、少し頭を冷やして、ぜひ自分の好きな形の将棋を思い切って指してほしいと願います。次は、藤井三冠の先手番ですから、自然ならば藤井三冠が戦型を決めることになりますので、そうはさせない序盤の引手争いから楽しみにしたいと思います。
さて、本日のテーマは将棋の中身というよりは、第2局の会場となった仁和寺の様子をご紹介します。というのも、23日は、嫁の実家の墓参りに京都へ参ったのですが、午前中に法事は終わり、午後には嵐山電鉄に乗って、御室仁和寺へ。仁和寺では、御殿に入ろうとしたら「本日は対局中のため、奥間には入れません」とのこと。
そうか‥と思って、本堂や五重塔を見学に行ったところ、竜王戦第2局の合間に、仁和寺の様子を伝えるABEMAのスタッフたちが、TV中継を行っている場面にも出くわし、暫くは中継の状況を野次馬になって見ておりました。
それにしても、凄かったのは、当日の午前に、嫁の実家のお墓がある嵐山の常寂光寺の境内で、名物の「ちりめんじゃこ」を売っていたおばちゃんが、「21日は仁和寺で売り子をしていたけど、藤井聡太三冠と豊島竜王が着物姿で会場の検分をするところに出くわしました」と、仁和寺以外の場所でも、将棋竜王戦の話題で持ち切りだったこと。
将棋なんて、普段は全く関心が無さそうなおばちゃんにまで、将棋のタイトル戦の話をさせるのは、まさに藤井聡太という天才が現れた発信効果であります。
単なる経済効果で測ろうなどとセコイ話をしているのではありません。人の日常生活や、挨拶代わりの会話にまで、将棋の話が出ているところに、この天才が生まれ出たことのモノ凄さが現れております。