まずは中山のニュージーランドT。勝ったのは、シルバーステート産駒エエヤン。好スタートから4番手追走へ。逃げた1馬人気のドルチェモアの前半3ハロンのラップは35秒0で、この日の中山芝の稍重としてはかなり速いペースに。直線に入ると、逃げ粘るドルチェモアの外から、エエヤンが豪快に抜け出して、そのまま後続に1馬身1/4差をつけて快勝。稍重の勝ちタイムは1分33秒7。2着には、中団待機から伸びてきたロードカナロア産駒ウンブライル、クビ差の3着には6番手から差してきたドゥラメンテ産駒シャンパンカラー、アタマ差の4着にはエピファネイア産駒モリアーナ。
勝ったエエヤンは、これで未勝利から3連勝で初重賞制覇。そして一気にNHKマイルCの有力候補に躍り出ました。中山巧者から、府中マイルをどう走るかが課題になりますが、マイルの距離であれば、脚を溜めることに専念することで対応可能だと思います。2着ウンブライルは、ここでようやく復活。この馬も本番に向けて良い準備が出来ました。3着シャンパンカラーも、マイルならば地力が違うところを示すことが出来ました。
1番人気で果敢に逃げて敗れたドルチェモアですが、これは出来が八分だったからで、レース自体は悪くありませんでした。本番では、出来れば好位から行きたいところですが、最悪、逃げたとしても、押し切る力は十分にあると思います。今日は試走という位置づけで良いと思います。
そして阪神牝馬S。勝ったのは、ドゥラメンテ産駒の4歳牝馬サウンドビバーチェ。好スタートから2番手追走へ。逃げたスクリーンヒーロー産駒ウインシャーロットの前半3ハロンのラップは36秒1で、良に近い稍重としてもスローな展開に。直線に入ると、逃げ粘るウインシャーロットの横からサウンドビバーチェが残り200mのところで先頭に立って、そのまま後続に1馬身1/4差をつけて快勝。稍重の勝ちタイムは1分33秒9。2着には、3番手から内を突いたロードカナロア産駒サプライムアンセム、クビ差の3着には6番手から差してきたイスラボニータ産駒コスタボニータ、クビ差の4着には逃げたウインシャーロット。
勝ったサウンドビバーチェは嬉しい重賞初勝利。スローペースを読んで、好位から押し切った浜中騎手の好判断が勝因。2着サプライムアンセム、3着コスタボニータも、内内の馬場が有利な状況を上手く活かした結果だと思います。
1番人気で敗れたルージュスティリアは、せっかく前々の位置が取れたのに、無理に抑えたことで引っかかる癖が出てしまい、さらに岩田康成騎手のイズジョーノキセキに終始マークされて外から被されてしまい、レースになりませんでした。これでヴィクトリアMへの出走が叶わないことになり、非常に残念な結果になりました。
ラストは、牝馬三冠の第一関門、桜花賞。勝ったのは、圧倒的1番人気のドゥラメンテ産駒リバティアイランド。スタートは悪くありませんでしたが、馬が前に進まず、そのまま最後方待機へ。逃げたモズメイメイの前半3ハロンのラップは34秒0なので、良の桜花賞としてはややスローペースの展開に。直線に入ると、2番手にいたキタサンブラック産駒コナコーストと、4番手からモーリス産駒ペリファーニアの2頭が激しく競り合いますが、この2頭を大外からリバティアイランドが鮮やかに差し切って、3/4馬身差で快勝。良の勝ちタイムは1分32秒1。2着にはコナコースト、クビ差の3着にペリファーニア、1馬身3/4差の4着には、6番手から差してきたハーツクライ産駒ハーパー、1/2馬身差の5着には、9番手から追い込んだルーラーシップ産駒ドゥアイズ。
勝ったリバティアイランドは、前々に居た馬有利の展開なのに、最後方から差し切る競馬でしたから、3/4馬身差と言えども、内容面では「圧勝」と言えるものでした。後方待機でも、馬を信じて慌てなかった川田将雅騎手の騎乗も見事でありました。これで、次走のオークスも圧倒的大本命として臨むことになります。桜花賞出走組の中には、オークスでリバティアイランドに勝てる馬はもういないと思います。
2着のコナコースト、3着のペりフォーリアともに、ベストのレースをして敗れたのですから、悔やむ必要はありません。今日は相手が悪すぎました。2頭ともに、マイル適性を示すことができたので、リバティアイランドが出てくるオークスに向かうよりも、NHKマイルCへ向かう方が勝つ可能性が高い気がします。コナコーストは賞金面でも出走権は得られるでしょうから、一考の価値有りだと思います。
4着ハーパー、5着ドゥアイズ、6着シンリョクカも地力を見せた形。ただし、5着まではオークスの優先出走権がありますが、6着にはありません。シンリョクカには痛いクビ差でありました。
ちなみに、阪神9R忘れな草賞を勝ったグランベルナデットもオークスに向かうと思います。切れ味はありませんが、卓越したロングスパート力はオークス向きです。桜花賞を勝ったリバティアイランドにとって、オークスで1番怖いのは、グランベルナデットかもしれません。