金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【また起きてしまった・・首相襲撃事件】 これは、令和の「stand alone complex」か⁉

2023-04-19 04:02:57 | 雑感

 昨年の安倍元首相銃撃事件に続いて、今度は現職の岸田首相を狙った襲撃未遂事件が起きてしまいました。

 

 安倍元首相が亡くなった銃撃事件の犯人については、某宗教法人の行き過ぎた「献金募集活動」に焦点が当たり、それが事件発生の根源的な原因のような扱いを受けて、現在では、この事件をより深く調査し論じるマスコミもいなくなりました。

 世間が、昨年の事件を忘れかけていた矢先に、今回の事件が発生しました。ここまでの報道から推察するに、今回の犯人も、もともと普通の家庭の普通の男の子。おとなしい性格ではありましたが、周囲の人々には丁寧に挨拶をする、どこにでもいる若い好青年だったように思えます

 安倍元首相の事件の犯人も、もともとは普通の家庭で育った、どちらかと言えば勉強も出来る優秀な男の子でした。それが、父親が若くして亡くなり、兄弟の病気のこともあって、母親が某宗教に入信。過度とも言える献金を繰り返して、犯人の家庭環境が崩壊する中で、犯人がどんどんと家庭からも世間からも孤立孤立した環境において、偏ったネットワーク情報のみに接することで、短絡的な思考回路に支配されていく果てに起きた事件と、自分は考察しておりました。

 もし、孤立した環境から、彼を救い出す人がいたら? あるいは偏ったネットワーク情報から抜け出すため、彼に手を差し伸べる人がいたら?  あるいは、彼自身が熱中できるような、新たなテーマに出会うことが出来てさえいれば? あんな短絡的な思考回路に陥ることはなかっただろうと思います。犯人は、もともと、かなり優秀な学生だった訳ですから。そして、何よりも、素晴らしい個性を持っている人間の一人であったはずですから。

 今回の岸田首相襲撃未遂事件の犯人も、もともとは普通の家庭の普通の学生だったが、トラック運送業の父親が、やや短気な性格で家庭内ですぐに大声を上げる癖があり、母親との関係が悪くなった挙句に、家から出て行ったことで、家庭環境が壊れていったようです。さらに、学校で受けたイジメをきっかけに不登校となり、家庭からも世間からも孤立引きこもった孤立した環境で、接することが出来るのは、当然ながら偏ったネットワークの情報。ここで短絡的な思考回路に嵌っていって、自分自身が持つ本来の個性を失っていったものと考えられます。

 

 「stand alone complex」という言葉があります。もともとはアニメ「攻殻機動隊」の主人公である草薙素子が名付けた造語でありますが、個々に独立した存在であるはずの個人が、情報ネットワークの中で形成される集団的合意に、徐々に支配されて行動するようになってしまう現象を指します。問題なのは「情報ネットワークの中で形成される集団的合意」という厄介なもの。インターネット内の合意形成は、過激な意見を繰り返し主張する極一部の人間に支配されやすいため、テーマによっては「極めて偏った集団的合意」になることも多く、これに支配された個人が、とんでもない行動に出る事態が発生しかねないということ。

 トランプ元米国大統領の過激なツイートに触発された米国議会襲撃事件は、その典型事例だと思います。また、前述の安倍元総理銃撃事件や、今回の岸田首相襲撃未遂も、広い意味での「stand alone complex」の現象に思えてなりません。

 こうした現象を無くすには、世間から孤立した個人を救い出すことが急務な訳ですが、言うが易しで、簡単なことではありません。

 

 本件については、また別機会を設けて、あらためて論じてみたいと思います。

 


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