天皇賞秋で1分55秒2というスーパーレコードで完勝したあと、先週のジャパンカップでも、三冠牝馬リバティアイランド以下を4馬身差で完封したイクイノックス。
今年度の世界ランキング1位というだけでなく、JRA史上最強馬の呼び声も高く、早くも、あのディープインパクトすら超えたか⁉という意見が出ている状況。確かに、最後方からの追込み一辺倒だったディープインパクトと違い、イクイノックスは追込みだけでなく、好位差し、あるいは逃げ、という戦法も執り得る柔軟性があり、それはまるで、ディープインパクトの切れ味とスピード、そしてキタサンブラックの柔軟なレースセンスを併せ持つスーパーホースと言える存在に昇り詰めています。
その点だけでも「JRA史上最強馬」の称号に相応しいと言えるかもしれません。
ただし、敢えてケチをつけるとすると、「史上最強馬」と呼ぶためには、明らかに足りない点があります。それは、
「競馬先進国である、欧州あるいは米国のトップGⅠへチャレンジすること」
トップシーズンから外れているドバイのGⅠではダメで、あくまで欧州であれば、凱旋門賞か英チャンピオンSなど、米国であればのブリーダーズカップ。敵地へ乗り込んで、世界最高峰のライバルたちと競い合って結果を見せることが必須条件。史上最強馬と呼ぶには、これが必要であると自分は考えています。
あのアーモンドアイが「史上最強牝馬」と呼ばれることがあっても、「史上最強馬」とは呼ばれない理由も、そこにあると考えます。キタサンブラックやドゥラメンテ、コントレイルも然り。
過去のスーパーホースたちの中で、「史上最強では?」と議論される馬たち、すなわちディープインパクト、オルフェーヴル、シンボリルドルフといった名馬たちには、そうした世界へチャレンジした勲章があります。
イクイノックスが真のJRA最強馬と呼ばれるためには、やはり、そのチャレンジの姿を見せる必要があると思います。もう1年、そこにチャレンジする姿を見てみたい。そして、真のJRA最強馬に昇り詰めてほしい。
欧州には、今年の英愛ダービー、愛チャンピオンS、米国BCターフを勝ったオーギュストロダンという3歳牡馬のスーパーホースがいて、このまま引退するはずだったのが、もう1年走ることになりました。しかも、ディープインパクト産駒。ちょうどよいターゲットだと思います。
オーギュストロダンとの決戦を、ドバイだけでなく、欧州の凱旋門賞あるいは米国のBCターフなどで行って、これを打ち破れば、これは名実ともに「JRA史上最強馬」の称号を手に入れることが出来る。
ぜひ、チャレンジを‼