まずは京都のファンタジーS。
勝ったのは、ロードカナロア産駒ダンツエラン。6番手追走で脚を溜めます。逃げたモズアスコット産駒モズナナスターの前半3ハロンのラップは36秒0と不良馬場とは言え、かなりのスローの流れに。直線に入ると、逃げるモズナナスターと2番手にいたストロングリターン産駒ベルビースタローンの2頭の激しい競り合いになりますが、その外からダンツエランが並びかけ、3頭が並んだままゴール。勝ったのはダンツエラン、ハナ差2着にモズナナスター、ハナ差3着がベルビースタローン。雨の不良馬場の勝ちタイムは1分22秒8。さらに1/2馬身差の4着には10番手から差してきたヴ―レヴ―、クビ差の5着が11番手から追い込んできた1番人気のカワキタマナレア。
勝ったダンツエランは、りんどう賞3着から巻返しての重賞初制覇。スローの流れと不良馬場が味方した勝利でしたが、地力の高さも見せつけてくれました。本番の阪神JFでも、流れ次第ではチャンスはあると思います。
2着モズナナスターと3着ベルビースタローンは、上手くスローに落とせたことが好走理由。この2頭はマイルだと長すぎるので、やはり1200~1400mでの活躍を期待。
逆に、4着ヴ―レヴ―と5着カワキタマナレアは、スローの流れと悪い馬場を後方から僅差まで詰めてきましたから、最も強い内容だったと思います。阪神JFでの巻き返しは十分にあり得ますので注意いたしましょう。
次は府中の京王杯2歳S。
勝ったのは、タワーオブロンドン産駒バンジャタワー。7番手追走で脚を溜めます。逃げたマリノトニトゥルスの前半3ハロンのラップは34秒9と平均ペースに。直線に入ると、伸びあぐねる先行勢を尻目に、残り200mのところでまずダノンバラード産駒マイネルチケットが先頭に立ちます。外からバンジャタワーが並びかけ、ゴール前でクビ差交わして勝利。小雨の稍重の勝ちタイムは1分21秒2。2着マイネルチケットから1馬身1/2差の3着には、後方から馬群を縫って追い込んできたエピファネイア産駒ヤンキーバローズ、クビ差の4着が7番手から差してきたモーリス産駒ヒシアマン。
勝ったバンジャタワーは、デビューから2連勝で重賞初制覇。また新種牡馬タワーオブロンドンは、新種牡馬の中で1番にJRA重賞勝ち馬を出しました。なお父タワーオブロンドンも京王杯2歳Sを勝っていますので、父子制覇ということになります。適性距離はマイルよりも1200~1400mですが、今年の2歳牡馬はマイル路線がが手薄なので、朝日杯FSで無視は禁物だと思います。
2着マイネルチケットは惜しいレースでしたが、ラストは切れ負け。GⅠだと切れ味の乏しさは弱点になりそう。逆に3着のヤンキーバローズは、後方からよく差してきましたので、距離が伸びるのは面白いと思います。
そして京都のみやこS。
勝ったのは、キズナ産駒の3歳牡馬サンライズジパング。中団待機で脚を溜めます。逃げたミトノオーの前半1000mのラップは1分0秒3と流れる展開に。直線に入るとまず、2番手からレガーロ産駒アウトレンジが抜け出して押し切りを図ります。それをサンライズジパングが猛然と追いかけ、ゴール手前で交わして1/2馬身差で勝利。ダート重の勝ちタイムは1分49秒7。2着アウトレンジからクビ差の3着には、5番手から差してきたドゥラメンテ産駒ロードアヴニール、さらに1馬身1/4差の4着には、後方から追い込んできたハピ。
勝ったサンライズジパングは、これがJRA重賞初勝利。ちなみに、サンライズジパングはダート重賞では3着までを外したことがありません。と言うよりも、ダート重賞でサンライズジパングに先着したのは、あのフォーエバーヤングとミッキーファイトしかいません。したがって、3歳ながら12月のGⅠチャンピオンズカップの争覇圏に入ったと言って良いでしょう。キズナ産駒はダートでもGⅠ制覇となるか。
2着アウトレンジは、自分の競馬に徹して好結果を出しました。先手さえ取れれば、重賞でも勝ち負けになることを示しました。3着ロードアヴエールも、4歳になって本格化していることを改めて証明しました。
ラストは府中のアルゼンチン共和国杯。
勝ったのは、キングカメハメハ産駒の8歳牡馬ハヤヤッコ。最後方待機で脚を溜めます。逃げたジャンカズマの前半1000mのラップは59秒6と、この日の馬場を考えれば相当に流れるペースに。直線に入ると、先行勢が総崩れになる中で、後方にいた馬たちの差し脚勝負に。大外からハヤヤッコ、ロードカナロア産駒クロミナンス、ミッキーロケット産駒タイセイフェリークの3頭による激しい競り合いになりますが、この中からハヤヤッコがクビ差前に出て勝利。良の勝ちタイムは2分29秒0。2着にはクロミナンス、アタマ差の3着にタイセイフェリーク、さらに1馬身差の4着には、後方3頭目から追い込んできたアドマイヤハレー。
勝ったハヤヤッコは、JRA重賞3勝目。3歳時にダート重賞のレパードS、6歳時には函館記念を制しているので、いかに息の長い活躍をしてきたかが判ります。キングカメハメハ産駒の白毛馬ですので、何とか種牡馬として残してあげて欲しい気が致します。
2着クロミナンスは、1番強いレース内容だったと思います。1着3着4着5着は、みな最後方待機に近い位置から。クロミナンスだけが8番手と中団から粘り切りました。3着タイセイフェリークは52㎏の軽ハンデも活かしました。
なお今回、前々の位置にいて着外に沈んだショウナンバシット、セレシオン、サヴォーナは、ここは参考外で良いと思います。