金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【ゴルフ】タイガー・ウッズ、14年ぶりのマスターズ制覇!

2019-04-15 10:51:38 | ゴルフ

 今朝は、凄いものをリアルタイムで観ることができました。

 最終日2位タイで出たタイガーは、結局最終日に伸ばしたスコアは2打。11アンダーから13アンダーなので、けして爆発したのではありません。トップにいたモリナリは昨年の全英チャンピオン、安定したドライバーと手堅いショットとパットで、まずボギーを打ちません。また下からは過去のメジャーチャンピオン達が5打、6打と伸ばして、トップに並んできます。

 したがって、前半の9ホールは、またタイガーが何かが足りずに負ける流れになっていました。しかし、12番ショートでモリナリがまさかの池ポチャ。また追いすがるプレイヤー達もトップに立つとプレッシャーのせいか伸びなくなります。そして遂に、15番ロングでバーディを取ったタイガーが初めて単独トップに。続く16番ショートでもピン横70㎝につけて連続バーディ。最終ホールは2打差あったので、念入りにボギーで収める攻め方を選択、しっかり逃げ切るという内容。

 昔の勝ち方のような派手さは一切なく、むしろ余計なエネルギーを使わず、頭だけ抜け出すという老獪な勝ち方でありました。これでメジャー15勝目。まだ43歳ですので、ここから勝ち星も伸ばせそうです。

 タイガーの第2ステージの幕開けです。


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【金融】平成を振り返る(8) AIJ事件と総合基金解散

2019-04-15 07:11:42 | 金融マーケット

 AIJ事件では、多くの総合基金がトータルで1000億円近くの損害を出しました。これを受けて、当時の民主党政権と厚生労働省は、社会保険庁出身の常務理事による総合基金経営は限界に達していると断定して、その設立形態である厚生年金基金そのものの廃止を断行しようと致しました。

 確かに、AIJ事件では社会保険庁OBによる販売がなければ、あれほど総合基金に被害は広がらなかったと思いますが、あくまで基金側は被害者であり、この事件をきっかけに厚生年金基金廃止に舵を切った民主党政権と厚生労働省の判断には、今でも疑問を持っています。

 この判断には歴史的背景もあると思います。AIJ事件を遡ること数年前、「消えた年金問題」は政権交代を引き起こすほど大きな衝撃をもたらしました。あの原因も当時の「社会保険庁」でした。厚生労働省幹部たちは、消えた年金問題により、官邸内での信頼を完全に失い、信頼の失地回復に努めている最中に、またAIJ事件が勃発したのですから、問題の根源を「社会保険庁」とそのOB達と断定して、彼らの存続基盤である「総合基金」を壊滅させることで、政治と手を打つことにしたのだと思います。

 この法案は審議途中で、第二次安倍政権に替わるのですが、安倍政権にしても、第一次政権を崩壊させたのが「消えた年金問題」でしたので、社会保険庁の古い組織を壊滅させることに異を唱えることはありませんでした。

 しかし、多くの総合基金では、きちんとした運営を行っていた優秀な社会保険庁OBがたくさんいらっしゃいました。当時、自分は受託機関側の人間として、年金数理人会の皆さんや、企年協の皆さんと共闘して、厚労省・民主党政権に対峙しましたが、この法案を一部修正させる(例外規定を盛り込む)ことしかできませんでした。今でも非常に悔しい思いが残っております。


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【競馬】皐月賞 ミルコの覚悟

2019-04-14 09:06:54 | 競馬

 さて、年末に時計を戻してみましょう。

 ミルコは、朝日杯FSの勝ち馬であるアドマイヤマーズと、ホープフルSの勝ち馬サートゥルナーリアの両方の主戦を務めていました。ミルコがどちらを選ぶのか注目されていましたが、年明けにあっさり、サートゥルナーリアの陣営からCルメールへの乗替りが発表されました。ここの経緯はあまり報道もされておらず、謎が多い事件でした。

【シナリオ1】普通は主戦であるミルコが選択権を持つことになりますので、メインシナリオはミルコがアドマイヤマーズを選択したということ。そのため、サートゥルナーリア陣営が急遽ルメールを手当てしたということになります。確かにあの時点では、あのグランアレグリアを力でねじ伏せたアドマイヤマーズがNO.1との評価だったのかもしれず、それであれば何も禍根は残りません。

【シナリオ2】しかし、牧場の時から評判馬だったサートゥルナーリア、生産界も評論家達も口をそろえてダントツ1番に挙げるこの馬について、過去3回とも騎乗しているミルコが1番凄さを判っているはず。ここからは自分の妄想ですが、ミルコがサートゥルナーリアを選らぼうとしたところ、アドマイヤのオーナー筋から横やりが入った可能性はないのかなぁ、などと考えてしまいます。過去に、アドマイヤムーンとディープインパクトを巡って武豊騎手の争奪問題がありましたからね。

【シナリオ3】そうではなくて、サートゥルナーリア陣営がミルコを降ろした可能性もあるのかなぁ、とも思っています。兄リオンディーズや、ドュラメンテやアドミラルなどのスーパーホースを壊してしまった過去があるミルコを、陣営が避けた可能性があると思うのです。ミルコは最大限に馬の能力を引き出す力がありますが、力以上に走らせてしまうと、大きな事故になりがちです。すでに種牡馬としての価値まで論じられる馬だけに、絶対に壊されたら困るということなのかもしれません。

 さて、もしシナリオ1でも、2でも、3だとしても、ミルコの心理状態はいかなるものでしょうか? 絶対にサートゥルナーリアだけには、ルメールだけには負けたくない、というのが本音であることに間違いありません。しかも、サートゥルナーリアの全てを知る男が、この馬を負かしにいく戦術は見ものだと思っています。

 


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【競馬予想】皐月賞で逆襲の狼煙 ヴェロックス川田!

2019-04-13 08:30:49 | 競馬

 過去3週、ダノンと川田騎手への呪いをしつこく書き過ぎまして、少し反省しています。正確に言うと、ダノン・中内田調教師・川田騎手に対して、ダノンプレミアムの大阪杯回避をしつこく責め過ぎました、ゴメンナサイ。

 ただ、言っていたとおり、運気が逃げてしまい、ダノンスマッシュ・キセキ・ダノンファンタジーと、ダントツ1番人気を含む有力3頭が沈んでしまいました。勝負事は難しいもので、流れに逆らうことを少しでもしてしまうと、元に戻すのに大変苦労することとなります。しかし、今回の皐月賞は流れを引き戻す大チャンスだと思います。

 というのは、この皐月賞は「サートゥルナーリア」に過度な期待がかかるGⅠレースだからです。この点も自分がしつこく「危険な人気馬」だと繰り返し述べていますが、こういう危険な大本命馬がいる時こそ、他の陣営にとっては運気を掴み直す大きなチャンスになる訳です。

 皐月賞というレースは、中山2000mという紛れの多い舞台ですから、4コーナーで5番手以内にいる馬が断然有利。今回で言えば、サートゥルナーリアのほか、アドマイヤマーズ、ヴェロックス、サトノルークスなどがここから前になだれ込むレースをすると思います。その時の位置取りによって勝ち馬が異なる可能性が大ですが、逆の言い方をすれば、どの馬にもほぼ同等のチャンスがあるとも言えるのです。こういう時は、人気を背負う側が厳しいのが勝負事の常識。

 あ、それから、3年前のディーマジェスティのように、先行馬が早めに競り合いを始めると、それらをまとめて抜き去る差し馬が出てくることもあります。今回で言えば、ダノンキングリー。大楽勝まであり得ると思います。

 中内田調教師と川田騎手が運気を取り戻すのならヴェロックス、ダノンの野田オーナーならばダノンキングリー。今回はこの2頭を応援したいと考えております!


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【金融】平成を振り返る(7) 民主党政権時代

2019-04-12 07:23:59 | 金融マーケット

 リーマン・ショックの後、第一次安倍政権が崩れ落ちていき、鳩山民主党政権が誕生いたします。
 当時、自分は資産運用関係の法人営業に携わっており、日本を代表する年金基金や事業法人の財務・人事部門がお客様となっていました。

 いまだにデフレ脱却が実現できない中にあって、金利は歴史的な低水準(とは言っても、まだプラスレンジでしたが)となっている一方で、株価はリーマンショックから立ち直っておらず、伝統的な4資産(内外株債券)では、安定運用が実現しづらい環境にありました。すでにその頃、オルタナティブと呼ばれる資産領域も拡大していましたが、当時はヘッジファンドが中心であり、コストも高く、またパフォーマンスも安定していませんでした。

 そこで、日本を代表する巨大年金基金に対し、非伝統資産領域であるPE・インフラファンド・私募Reitの分野に投資を開始する提案を行い、個別案件毎に当方がDD=デューデリジェンスを行いながらポートフォリオを構築していく、新たな運用形態を始めました。現在では、アセット型オルタナの包括運用契約として一般的になっているものですが、当時、国内で初の試みでした。この基金では10年の歳月をかけて、極めて良好なポートフォリオを構築しており、お客様からも大変感謝されています。

 一方、民主党政権になって、企業年金界に衝撃が走ります。厚生年金基金廃止問題=総合基金廃止問題の勃発です。
 ことの発端は、AIJ事件という詐欺事件であり、この商品を売り歩いていたのが社会保険庁OBの人間で、その後輩たちが常務理事を務めている総合基金のファンドが、数多くこの詐欺事件の被害者になったことでした。


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