金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【3歳戦回顧】 1月25日~26日

2025-01-26 17:58:14 | 競馬

 土曜日は中山1Rダート1200m牝馬限定を勝ったルヴァンスレーヴ産駒テルユアワールド。6番手追走で脚を溜めます。逃げたミスターメロディ産駒ミニョンマルーンの前半3ハロンのラップは33秒9と流れる展開に。直線に入ると、ミニョンマルーンが後続との差を広げ押し切りを図りますが、残り100mのところからテルユアワールドが猛然と迫り交わして、2馬身差をつけて快勝。小雨のダート良の勝ちタイムは1分12秒1。2着ミニョンマルーンから3馬身差の3着には、5番手から差してきたフォーウィールドライブ産駒リクエイ

 

 小倉2R芝1200mを勝ったミスターメロディ産駒オンザブルースカイ。中団10番手待機で脚を溜めます。逃げたサニーネイチャーの前半3ハロンのラップは33秒2とかなり速い流れに。直線に入ると、先行勢の脚が止まる中、外からオンザブルースカイが豪快に抜け出して2馬身差をつけて完勝。良の勝ちタイムは1分8秒7。2着には、後方12番手から追い込んできたミッキーアイル産駒アンダースコア、クビ差3着には、同じ位置から追い込んできたニューイヤーズデイ産駒レディエンス

 

 中京5R芝1400mを勝ったラブリーデイ産駒チムグクル。5番手追走で脚を溜めます。逃げたモズアスコット産駒ワインクーラーの前半3ハロンのラップは34秒7と平均ペースに。直線に入ると、チムグクルがスピードを加速して逃げ粘ります。残り100mのところで大外からチムグクルが猛然と迫り交わして、後続に1馬身1/4差をつけて快勝。良の勝ちタイムは1分22秒1。2着には、2番手から差してきたエピファネイア産駒オールザレイジ、クビ差3着が逃げたワインクーラー

 

 中山5R芝2000m新馬を勝ったサートゥルナーリア産駒ブルーマエストロ。好スタートから2番手追走へ。逃げたピンキースウェアの前半1000mのラップは1分3秒6とスローの流れに。4コーナー手前からブルーマエストロが早め先頭に立ちまずが、直線に入るとブルーマエストロとフィエールマン産駒インパクトシーの2頭が激しい競り合いに。ゴール手前でブルーマエストロが1馬身前に出て勝利。良の勝ちタイムは2分3秒6。2着インパクトシーから5馬身差の3着には、7番手から差してきたエピファネイア産駒コインアフレーズ

 

 小倉6R芝2000m新馬を勝ったオルフェーヴル産駒の牝馬ドーギッド。後方13番手待機で脚を溜めます。逃げたスリーラーケンの前半1000mのラップは59秒0と流れるペースに。直線に入るとまず、2番手からキズナ産駒ファーングロットが先頭に立ち後続との差を広げます。ここに残り100mのところで、ドーギッドが猛然と迫り鮮やかに差し切って1馬身1/4差で快勝。良の勝ちタイムは2分0秒9。2着ファーングロットから1馬身1/2差の3着には、中団8番手から差してきたラブリーデイ産駒キャニオンデシェイ

 

 中京6R芝1600m牝馬限定を勝ったキズナ産駒グローリーリンク。中団9番手追走で脚を溜めます。逃げたマイクインダムの前半3ハロンのラップは36秒1とかなりユッタリしたペースに。直線に入るとまず、2番手からミッキーアイル産駒ヴァイスクレーが先頭に立ちますが、その内側からグローリーリンクが一気に抜け出して、そのまま後続に5馬身差をつけて圧勝。良の勝ちタイムは1分35秒5。2着ヴァイスクレーからアタマ差の3着には、後方12番手から追い込んできたキタサンブラック産駒ジョワイユノエル

 

 中山6Rダート1800m(3歳1勝クラス)を勝ったナダル産駒クレーキング。好スタートから2番手追走へ。逃げたヒットミ―の前半1000mのラップは1分3秒3とゆったりペースに。4コーナー手前からクレーキングが早め先頭に立ち、直線に入ると後続を突き放します。そのまま8馬身差をつけて圧勝。ダート良の勝ちタイムは1分52秒9。2着には、5番手から追い込んできたルーラーシップ産駒シャイニーシップ、1/2馬身差の3着には、4番手から差してきたルヴァンスレーヴ産駒タマモトリノ

 とにかく勝ったクレーキングが強かった。タイムも優秀でした。しかし、このクレーキングですら、前走はナチュラルライズの2着、前々走はアメリカンビキニの3着ですから、今年の3歳ダート路線のレベルの高さは想像以上。今年こそ、世界を制する馬が出てくるのかもしれません。

 

 小倉9R芝1200m萌黄賞(3歳1勝クラス)を勝ったファインニードル産駒アブキールベイ。6番手待機で脚を溜めます。逃げたラインパシオンの前半3ハロンのラップは33秒7と平均ペースに。直線に入るとまず、2番手からタワーオブロンドン産駒レイピアが先頭に立ちますが、その内を突いてアブキールベイが鋭く抜け出します。そのまま1/2馬身差をつけて快勝。良の勝ちタイムは1分8秒9。2着レイピアから1/2馬身差の3着には、最内を4番手から伸びてきたタワーオブロンドン産駒セディバン

 

 中京9R芝2000m若駒ステークス(L)を勝ったドゥラメンテ産駒ジュタ。4番手追走で脚を溜めます。逃げたメイショウアイナの前半1000mのラップは1分3秒4とスローの流れに。直線に入るとまず、馬場の中央からリアルスティール産駒ミッキーゴールドが先頭に立ちますが、馬場の内側からジュタが抜け出します。ゴール前で外のミッキーゴールドが再度迫りますが、ジュタが1/2馬身差をつけて勝利。良の勝ちタイムは2分2秒3。2着ミッキーゴールドからクビ差の3着には、7番手から差してきたバゴ産駒ミラージュナイト

 勝ったジュタは、暮れのホープフルS4着からリステッド競走を勝利。闘ってきた相手の違いを見せた感じ。このあとはサウジダービーに登録があるそうですが、若駒Sを勝ったのだから国内クラシック路線に進んで欲しい気がいたします。

 2着ミッキーゴールドは、直線で外に寄れる幼さを見せていました。これがなければ勝ったのはこちらだったかもしれません。それでも賞金加算は出来たので、次走は選択肢が増えました。3着ミラージュナイトは、後方から差す競馬が今回は有利でしたので、次走人気になるのなら危険だと思います。

 

 中山12R芝1600mを勝ったラブリーデイ産駒の牝馬ラブリージャブリ―。6番手追走で脚を溜めます。逃げたエンゲルシュピールの前半3ハロンのラップは36秒7と超スローの流れに。直線に入るとまず、逃げるエンゲルシュピールにフィエールマン産駒フォルテムが並びかけ、2頭による激しい競り合いが続きます。ゴール手前でこの2頭に、外からラブリージャブリ―とスワーヴリチャード産駒トレヴィの2頭が襲い掛かり、その中でラブリーシャブリ―がハナ差前に出て勝利。良の勝ちタイムは1分36秒1。2着にはトレヴィ、アタマ差の3着にフォルテム

 

 日曜日は中京4Rダート1800m(3歳1勝クラス)を勝ったデクラレーションオブウォー産駒イサナ。好スタートからマイペースの逃げへ。前半1000mのラップは1分2秒6とややスローの流れに。直線に入ると、モズアスコット産駒ミライヘノカギとクラウドコンピューティング産駒ゴールデンクラウドの2頭が並びかけ競り合いになりますが、ゴール前でイサナがもう一度前に出て1/2馬身差ので勝利。ダート良の勝ちタイムは1分53秒2。2着にはミライヘノカギ、1馬身1/2差の3着にゴールデンクラウド

 

 中京5R芝1600m新馬を勝ったエピファネイア産駒の牝馬ラウルベア。中団8番手待機で脚を溜めます。逃げたミスサンシャインの前半3ハロンのラップは37秒0とかなりのスローに。直線に入るとまず、キングマン産駒クリフウォークが先頭に立ちますが、残り100mのところで外からラウルベアが一気に交わして、後続に3/4馬身差をつけて快勝。良の勝ちタイムは1分36秒8。2着には、9番手から差してきたフランケル産駒アスクヴォルテージ、クビ差の3着がクリフウォーク

 

 小倉6R芝2000mを勝ったグレーターロンドン産駒ニホンピロデヴィン。好スタートから3番手追走へ。逃げたジャストキングダムの前半1000mのラップは1分1秒0と平均ペースに。直線に入ると、逃げ粘るジャストキングダムにニホンピロデヴィンが並びかけ、残り100mのところで一気に交わして後続に1馬身差をつけて快勝。良の勝ちタイムは2分1秒8。2着には、4番手から差してきたキズナ産駒コスモグローリー、クビ差の3着には、6番手から追い込んだサトノクラウン産駒フララナキラ

 

 小倉7R芝1800mを勝ったオルフェーヴル産駒ゲンジ。好スタートからマイペースの逃げへ。前半1000mのラップは1分0秒8とやや流れる展開に。直線に入ると、ゲンジがスピードを加速。後続を突き放してそのまま3馬身1/2差をつけて完勝。良の勝ちタイムは1分48秒9。2着には、後方11番手から追い込んできたブリックスアンドモルタル産駒ウインリベラシオン、1/2馬身差の3着には、中団8番手から差してきたシルバーステート産駒ヴォルヴァ

 

 中山9R芝1800m若竹賞(3歳1勝クラス)を勝ったトーセンラー産駒リトルジャイアンツ。最後方11番手待機で脚を溜めます。逃げたダノンミッションの前半1000mのラップは1分0秒9と平均ペースに。直線に入ると、先行勢の脚が止まったところで、外からリトルジャイアンツが一気に交わして後続に3/4馬身差をつけて快勝。良の勝ちタイムは1分49秒5。2着には、後方10番手から追い込んできたフィエールマン産駒エデルクローネ、1馬身1/4差の3着には、5番手から差してきたドレフォン産駒エンペラーズソード

 

 


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【競馬】 アメリカンジョッキークラブカップ(GⅡ)とプロキオンステークス(GⅡ)!

2025-01-26 03:47:07 | 競馬

 まずは中京のプロキオンS

 昨年まで東海Sとして開催されていたダートGⅡが、プロキオンSに名称を変えて行われることになりました。GⅠフェブラリーSの前哨戦としての位置付けに変更はありません。

 同じ舞台のチャンピオンズCで昨年3着の③ドゥラエレーデ、同6着のサンライズジパング、昨秋の武蔵野S2着の⑬カズペトシーン、中京のシリウスS2着の⑩オメガギネスの4頭が有力。その中では、先行でも差しでも対応ができる5歳牡馬ドゥラエレーデを本命に指名します

 馬券は、まずは本命③ドゥラエレーデの単勝。そして③ドゥラエレーデ頭固定の3連単6点 ③⇒⑨⑬⑩

 

 

 そして中山のAJCC

 伝統の芝2200mのGⅡ。昨年のダービー馬⑧ダノンデサイルの参戦で盛り上がりを見せていますが、昨年の有馬記念3着での激走の影響が気になるところ。また人気を集めそうな5歳牡馬②レーベンスティールも、本番は先にあるので出来は八分九分のはず。

 であれば、中山巧者の4歳牡馬⑬コスモキュランダの逆転を狙いたい。中山芝2000~2200mでは、まず弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)を勝利ハイレベルとなった皐月賞(GⅠ)でジャスティンミラノの2着。また秋のセントライト記念では菊花賞馬アーバンシックの2着と、ほぼ完璧の内容。人気が落ちる今回が狙い目と見ました。

 相手には、前述の②レーベンスティール⑧ダノンデサイル。そして12月に1年半ぶりにチャレンジC4着と復活した6歳牡馬④ボルドグフーシュも。

 馬券は、まずは本命⑬コスモキュランダの単勝。そしてコスモキュランダからの馬連3点 ⑬⇒②⑧④

 

 


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【競馬】 小倉牝馬ステークス(GⅢ)と若駒ステークス(L)!

2025-01-25 02:03:36 | 競馬

 まずは中京の若駒S(L)

 ご存知、あのディープインパクトトウカイテイオーといったスーパーホースを生んだリステッド競走です。

 狙いたいのは、2連勝中のリアルスティール産駒⑩ミッキーゴールド前走の3歳1勝クラスの中京2000mでは、前が塞がる不利がありながら勝負根性で抜け出して快勝。同舞台となったここでも有力であります。

 相手には、前走の差し脚が素晴らしかったエピファネイア産駒⑦サトノプリジャール、暮れのホープフルS4着のドゥラメンテ産駒⑨ジュタ、そして良血エピファネイア産駒⑥サラコスティ

 馬券は、本命⑩ミッキーゴールド頭固定の馬単3点 ⑩⇒⑦⑨⑥ 三連単6点 ⑩⇒⑦⑨⑥

 

 

 そして小倉牝馬S(GⅢ)

 昨年までの愛知杯(GⅢ)が生まれ変わった牝馬限定のハンデ重賞です。

 ここは、素質馬であるキズナ産駒の4歳牝馬⑨クイーンズウォークを狙います。人気になるとは思いますが、厳しい流れになりにくいGⅢの舞台では負けられないところ。

 相手には、5歳牝馬からは⑩アスコルティアーモ⑰アリスヴェリテ。6歳牝馬からは⑯コスタボニータ⑦シンティレーションの実績馬2頭。あとは4歳牝馬の上り馬で51㎏の⑫オーロラエックス

 馬券は、本命⑨クイーンズウォーク頭固定の三連単20点 ⑨⇒⑩⑰⑯⑦⑫

 

 


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【第二次トランプ政権スタート】 先制パンチはお見事! でも「ハシャギ過ぎ」は危ない・・

2025-01-24 05:00:02 | 金融マーケット

 第二次トランプ政権がスタートしました。

 用意周到に練られた「先制パンチ=大統領令署名」を次々と繰り出して世界各国を驚かせるとともに、あっと言う間に「地球全体をトランプペースの世界へ」引きずり込んでしまいました。まずはお見事と言わざるを得ません。

 

 しかし、新政権に関する心配な材料も事欠きません。

 まずは「低い支持率」。新政権発足当時の支持率というのは、期待感も込めて相応に高くスタートするもの。オバマ大統領の時は83%バイデン大統領68%、共和党のブッシュ(子)大統領でも61%でしたが、第二次トランプ政権発足時の支持率は49%。8年前の第一次トランプ政権の時の44%よりは上ですが、政権スタート時で50%を割れているというのは低すぎます。

 大統領選挙では地滑り的な大勝利を収めたとはいえ、「国民の分断」を利用した選挙戦を繰り広げていますので、当然ながら「国の半分」が敵のままいつでも「火が吹く」状態で国政を担わなければならないということ。

 

 それから、新政権の顔ぶれ「イエスマン」「虚栄心と自己愛に溢れた面々」であることから、ハシャギ過ぎて失言することが続出

 例えば、新任のステファニク国連大使「ヨルダン川西岸地区は『二国家解決』ではなく、イスラエルによる統治とすべき」と従来の歴代アメリカ政権が支持してきた考えを覆す発言をしてしまっています。このような言動は、せっかくサウジやUAEなどのアラブ諸国が、イラン・ハマス陣営への反発から米国寄りになっていたところに水を差すことになってしまいます。

 

 さらには、トランプ大統領自身も不用意な言動で「失点」を犯してしまっています。それは、大統領就任式後のワシントン国立大聖堂での礼拝セレモニーにおける、マリアン・エドガー・バッディ主教の説教に対する対応

 マリアン・エドガー・バッディ主教は説教の中で「民主党、共和党、無党派の家庭にはゲイ、レズビアン、トランスジェンダーの子どもがおり、中には命の危険を感じて恐れている者もいる」と語りかけ、「農業や清掃業などの労働者には合法的な滞在資格がない者もいるかもしれないが、移民の大多数は犯罪者ではない」とした上で、「大統領、親が連れ去られるのではないかと恐れる子どもたちを抱える地域社会の人々に慈悲を与えてください。また、自国の戦争や迫害から逃れてきた人々がこの地で思いやりと歓迎を受けられるよう助けてください」と訴えかけました。

 

 

 この内容は、聴衆にも非常に感動的な下りであって、リベラル派だけでなく、保守派の国民の多くにも「ハッとさせられる」ような勇気ある発言でした。

 しかしトランプ大統領は、礼拝セレモニーのあと、X上で「急進的左派の見解で、良い礼拝ではなかった」とネガティブに反応、しかも「主教に謝罪を求める」とツイート。もちろん、トランプ派の国民はこれを支持していますが、国を二分するトランプ反対勢力だけでなく、本来支持してくれるはずの共和党保守派の一部からも「?」の感情が湧く言動となってしまいました。

 

 

 上記のとおり、用意周到に準備した「先制パンチ=初日の大統領令署名」は、リスクマネジメントが行き届いた見事な先制攻撃でありましたが、そのあとの不用意な言動には「相変わらず危なかしさが散見」されていて、ここ数日は、そのコントラストが際立った気がいたします。

 

 とにかく気になるのが、昨年7月の「暗殺未遂事件」みたいなことが、いつでも起こりうるということこれだけ派手なパフォーマンスでスタートしたのですから、ぜひテロ対策の方も万全にしてほしいと思います。

 周囲の警備関係者は、あまり入れ替えない方が良いと思いますよ!

 

 


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【プロ棋士編入試験 最終第5局】 西山朋佳女流三冠が敗れ、初の女性プロ棋士成らず・・

2025-01-23 02:14:20 | 将棋

 

 1月22日(水)に関西将棋会館で行われた「プロ棋士編入試験」最終第5局は、西山朋佳女流三冠が135手で試験官の柵木幹太四段に敗れ、2勝3敗となって編入試験は不合格に。将棋界で初の「女性プロ棋士」誕生は成りませんでした。

 この「女性初のプロ棋士誕生が、いかに難しいか」を説明するのは簡単ではありませんが、当blogの昨年12月26日の記事を読んでいただくのが最も手っ取り早いと思いますので、ここに再掲させて頂きます。

 西山朋佳女流三冠、本当にお疲れ様でした。

 再チャレンジのチャンスはまた巡ってくると思います。引続きワタクシは応援させて頂きます。

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以下、2024年12月26日の当blog記事を再掲

 西山朋佳女流三冠のプロ棋士編入試験がいよいよ大詰めになって参りました。先に3勝出来れば合格、先に3敗してしまえば不合格というプロ棋士編入試験ですが、12月17日に行われたプロ棋士編入試験の第4局は、西山朋佳女流三冠が試験官の宮嶋健太四段を95手で破り、2勝2敗のタイへ持ち込みました。これで、年明けの最終局で決着することになります。

 

 

 ここまでの経過を振り返りますと、9月10日に行われた第1局(試験官 高橋佑二郎四段)では、132手で西山朋佳女流三冠が激戦を制し、まず1勝目をあげました。しかし、10月2日の第2局(試験官 山川泰煕四段)、11月8日の第3局(試験官 上野裕寿四段)ともに完敗を喫してカド番に追い込まれます。負ければ終わりの第4局で、前述のように西山朋佳女流三冠が踏みとどまって、編入試験は越年することになりました。

 

 このblogでは何度もご紹介していますが、このプロ棋士編入試験、女流棋士にはなかなか高いハードルとなっています。ちなみに、過去の受験者のうち男性4名は全て合格していますが、女性で最初の受験者だった里見香奈女流五冠(当時)は1勝もできずに3連敗で不合格となっています。

 この編入試験に何か「不公平」な仕組みがある訳ではけしてありませんが、試験官をつとめる四段棋士のメンタリティには「異なる想い」が隠れている気がしてなりません。

 というのは、過去の男性受験者は、プロ棋士を目指して奨励会で三段リーグに在籍していたが、年齢制限のためにプロ棋士になるのを断念した人が3名残り1名は奨励会参加前にプロを諦めてアマチュア棋士を続けていた人。すなわち、将棋で食べていきたかったけど、それが許されずに、別の仕事に就いていた方々です。その方々が、ラストチャンスとも言える「プロ棋士編入試験」の受験資格を得て、人生を賭けて臨んでいる姿と対峙しなければならないのが試験官。彼らは、少し前まで三段リーグで同じ境遇だった棋士ばかりですから、心情的には複雑な想いで対局に臨んでいるはず。もちろん「手抜き」をすることは絶対ありませんが、「闘志」という点では「平均レベル」という感じでしょう。

 一方の女流棋士との対局では、今回の西山朋佳女流三冠にしても、前回の里見香奈女流五冠にしても、すでにトップ女流棋士として活躍している方であり、試験官である四段棋士よりも何倍も稼いでいるスターです。例え編入試験に不合格となっても、女流棋士として活躍の場が用意されている相手に対して、「絶対に負けられない」という激しい「闘志」が湧くのは、むしろ当然なのではないかと思います。

(なお里見さんも西山さんも過去に三段リーグを経験しており、試験官としても共に戦った仲間という意識はあると思いますが、それでも「女流棋士」の地位が保全されている方々と自分たちとは別、という気持ちが強いのだと思います)

 

 逆の見方をすれば、それだけ女流棋士からすれば、このプロ棋士編入試験のハードルは極めて高いということになります。前回の里見香奈女流五冠(当時)が1勝もできずに不合格となった背景には、こうした事情があったとワタクシは考えております。

 そんな厳しいハードルを前にして、今回の西山朋佳女流三冠は、とにもかくにも2勝2敗のタイまで漕ぎつけたのです。これだけでも大変な偉業だと思いますが、ここまで来たら、ぜひに女性初の「プロ棋士」誕生の瞬間を見てみたいと思います。

 

 世の中のジェンダー問題とは一線を画すと言われている将棋界(ルール上は男女の差を設けていない完全競争の世界)ですが、その実は「見えないジェンダーの壁が存在する世界」とワタクシは考えています。

 

 ここで、「女性初のプロ棋士」が誕生する意義は大変大きいと思います。

 第5局(試験官 柵木幹太四段)は年明けに行われます。将棋界だけの話題ではなく、ジェンダー問題を象徴する対局になると思います。

 

 


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