アートインプレッション

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国立エルミタージュ美術館所蔵 皇帝の愛したガラス展 出品作品紹介7

2011-08-16 17:32:19 | 皇帝の愛したガラス
国立エルミタージュ美術館所蔵 皇帝の愛したガラス展
出品作品紹介7


今回は、日本初紹介となる ロシアガラスを取り上げたいと思います。



この作品は、
「花器」
ロシア、帝室ガラス工場、1880-1820年代

何とも美しい赤いガラスだと思いませんか?
これは、ゴールド・ルビー・グラス(金赤ガラス)といわれ、
ガラスに金を混ぜてこの色をだしたのが所以。
当時はとても珍重されていたそうです。
(ゴールド・ルビー・グラスのもっと詳しい説明はカタログを見てくださいね!)
金を混ぜるなんて・・・まず考えつかない技法にびっくりしませんか

グレゴリーポチョムキン公爵(以前ブログでもご紹介しましたよね)は、
女帝エカテリーナ2世への贈り物としても、この「深紅」のガラス製品を注文していたそう。

さて、作品に戻って・・・



ご覧頂くと、取っ手の部分は鳥を模しているのですが、
このゴールドとゴールド・ルビー・グラスの組合わせ。
実物を見ると、本当に美しいんです

皇帝ニコライ1世の私室から取得されたこの作品。
1837年に、私室のあったエルミタージュの冬宮は歴史的大火によって
全て消失していしまい、復興に2年以上もかかったと言われています。
この作品は、火事で消失する以前のニコライ1世の部屋に置かれるために作られたとのこと。

消失以前の部屋に外装を施したのは、カルル・ロッシという当時を代表する建築家。
そして、この作品のデザイン画を描いたのもカルル・ロッシ。

部屋の外装だけでなく、お部屋に置く花器まで統一してコーディネイトしていたってことですよね。
どこまでもゴージャスなエルミタージュ宮殿です。

作品は、東京都庭園美術館にて9月25日までご覧頂けますので、
どうぞ足をお運びくださいね。


/hikari_pink/}国立エルミタージュ美術館所蔵 皇帝の愛したガラス
北海道立近代美術館 2011年6月9日~7月3日 
東京都庭園美術館  2011年6月14日~9月25日 開催中
岡山県立美術館   2011年10月1日~11月6日