アートインプレッション

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陶酔のパリ・モンマルトル展見所ガイド

2011-04-28 10:58:38 | 陶酔のパリ・モンマルトル
「陶酔のパリ・モンマルトル1880-1910」見所紹介!

いよいよ明日からゴールデンウィークが始まりますが、皆さんもう予定はお決まりですか? 大阪、神戸近辺までお越しの方のために、今日は4月16日に伊丹市立美術館で開幕した「陶酔のパリ・モンマルトル」展の見所を写真と一緒にご紹介します。


第1展示室;キャバレー「シャ・ノワール」とアンコエラン派
写真提供、伊丹市立美術館藤巻和恵


本展を訪れた方々に最初にご紹介するのが、今回のテーマ【キャバレー「シャ・ノワール」とアンコエラン派】です。この部屋ではアンコエラン派 (支離滅裂派) と呼ばれた芸術家グループが発行したユーモアたっぷりの新聞、雑誌、絵画などが展示され、中でも上の写真掲載の影絵芝居アルバム再現映像と、影絵芝居で実際に使用された亜鉛板の造作が大きな見所となっています。影絵芝居は映画の発明に先駆ける当時最新の娯楽として大変にもてはやされ、スクリーンに映し出されるシルエットの濃淡、色合いの変化に芸術家たちが自身の才能を注ぎ込みました。今回は、当時実際に使用された亜鉛板に光を当てつつ、そのシルエットも間近に鑑賞できるよう、造作が施されています。

続いてこちら(クリックすると画像が拡大します)↓↓

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《アリスティド・ブリュアン》,公益財団法人ひろしま美術館所蔵
写真提供、伊丹市立美術館藤巻和恵


「シャ・ノワール」と同時代に流行したキャバレーやカフェ=コンセールの様子を描いた絵画、ポスターのコーナーです。
展示室に入ってすぐ目に飛び込むのは当時の大スター、アリスティド・ブリュアン!
ブリュアンはシャンソン歌手として大成功したのはもちろん、モンマルトルで働く労働者の兄貴分的存在としてサリス移転後の「シャ・ノワール」を買い取り、キャバレー「ミルリトン」を経営していました。かなりクセのある人物でしたが、同時に街の景観を守るために、地上げにあったキャバレーを買い取って建物の取り壊しを阻止するなど、器の大きい一面も持ち合わせていました。
ロートレック作のこの作品で表されているのもそんな一面。間近で観みると、一見荒い筆遣いながら眉尻の上がったシニカルな笑顔にブリュアンの人間性が生々しく表現され、ロートレックの筆致の確かさに驚かされます。

そして忘れてならないのがこちら↓↓

「シャ・のワール劇場」の再現コーナー
写真提供、弊社スタッフ木村はるか


第3展示室では、文献資料を元に当時の「シャ・ノワール劇場」が再現されています。
写真資料では細かくてよく見えませんでしたが、こうしてみるとスクリーンの周りを猫のイラストで囲っていたりと、「シャ・ノワール」ならではの装飾に思わず微笑してしまいます。
今回はやはり当時大人気の影絵芝居『象』の再現映像が流されていますので、皆さまくつろいでご鑑賞ください。短い映像ですが、内容は「シャ・ノワール」のコンセプト、「フュミズム (ばかばかしい、不真面目)」そのもの。あるいは一番の見所かも知れませんよ。
展覧会を通して、激動の時代に鋭いセンスとユーモアで世間を賑わせた芸術家たちのエネルギー、パリの喧噪をご堪能いただければ幸いです。



伊丹市立美術館
■ 阪急伊丹駅より徒歩約9分
■JR伊丹駅より徒歩約6分
■阪急バス伊丹中央停留所より徒歩約3分
■伊丹空港より伊丹市バス25番系統で宮ノ前停留所下車(所要時間約25分)

詳しくは伊丹市立美術館ホームページをご覧下さい。



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