しんしんと雪が降っている
午後に降る雪は今年初めてだ
しんしんと降る雪を眺めていたら
三好達治の「雪」を思い出した
太郎を眠らせ 太郎の屋根に雪降り積む
次郎を眠らせ 次郎の屋根に雪降り積む
はじめに「しんしんと」がついていると思っていたが
思い違いのよう
きっと太郎と次郎の屋根に降り積む雪は
「しんしんと」したにおいを幼い私に残したのだろう
清めの雪
雪景色を見ると心持が真っ白になる
雪の中を歩いていると
いつもの景色が一変して
何処を歩いているのかわからなくなる
一瞬遠い世界にただ一人来てしまったような・・・
ふと立ち止まって
辺りを見回してしまう瞬間があるのも「いとをかし」だ
雪と言えば、清少納言の枕草子の雪の場面も思い出す
しみじみと降る雪を器に盛って
梅の一枝を挿し
月明かりにそれを見ながら歌詠みをする
なんともの風情であること・・・
地球も
自分の身の内も
浄化の雪ですっかりと洗い落としたいもの
新しい明日に向かって
雪がしんしんと降っている・・・