☆フェアリーベルの暖輪室☆・・・♪京都風日和♪

時空のキラメキのなかで、感性を研ぎ澄ませ、
吹く風のままに・・・ちょっと不思議な話も・・・ 

ハルキスト

2009-08-07 14:06:34 | 読書ライフ

久し振りに文学談議をした。
近頃読んで面白い本の中で「平家物語」を原文で読みながら
井上靖や村上龍の「北朝鮮が日本を占拠する?!」話が
とても面白く引き込まれたという話を聞いた。
 
その話の中で「龍(村上)は面白いけど、
春樹(村上)はかったるいからあまり読まない、、、」と
言うような話が出て
思わず「私はハルキストですから
逆に村上龍は読むには読むけどいちょっときつ過ぎるところもあるし…」と
言ってしまった。
(村上龍は「注目すべき作家ではあるけれど」
 私からすると「ちょっと荒くて品性に欠けるところがあるし」
 でもそれは言わなかった。)
お話のお相手は、「それは失礼しました!」と。

今は世界でも大人気で「ノーベル文学賞」候補と騒がれ本は売れに売れ
すごい「村上春樹」現象が起こってるけど
そんな中で「ハルキスト」なんて言葉はまだ生きているのかしら!?
 
デビュー作の「風の歌を聴け」で注目し
「羊をめぐる冒険」で大好きに、、、。
面白かった。
「作家を読む」タイプなので読める作品は小説からエッセイ、
翻訳本のいくつか、対談本等、
多くを長年にわたって読んできた。
今では死語となっている「純文学嗜好」だった
当時の私にとっても十分な力があり魅力的な
日本を代表する作家だと当初から思っていた。

村上春樹が最初に大ブレークしたのは「ノールウェイの森」だった。
その頃「ハルキスト」とか「春樹マニア」だとか言う
言葉がよく使われていた気がする。

「ノールウェイの森」はそれまでの作品群と比べて
「春樹ワールド」を色濃く残しながらも
「ロマン的」で一般の読者にとっても理解しやすく
共感度の強い思い入れしやすい作品だ。
 
その頃友人たちが親しくしていた
「色彩学」の末永さんがプロジュースしたと言う
(そういう話を聞いていた)
美しい緑と赤の「上巻」「下巻」の組み合わせの
ハードカバーもインパクトがあり爆発的に売れた。
にわかファンが急増し若かった私はちょっと
一線を画したい気がしていたのを思い出す。
今でも本来の春樹ワールドの方が好きだしレベル的に見ても・・・
と思っている。
 
「ノールウェイの森」は来年映画化されるという話も決ったらしく
近頃の春樹ブームと相まってまた売れ出し
1000万部を超えたときのうの新聞に出ていた。 

しかし現在の私は村上さんが
「オーム信者に取材して廻るドキュメント本」は読んだというのに
「海辺のカフカ」は何故か読む気にならなくて
未だに読んでいない。
当然「1Q 84」もまだ手に入れていない。

この間の東京の短歌会で、
友人が重そうなハードカバーをバックに入れていたので覗いたら
「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」だった。
友人は仕事の必要性から初めて「海辺のカフカ」を読み面白かったと言う。
「1Q 84」も友人に借りてもう読んでいた。
そこで「世界の終りと、、、」を図書館で借りてきたらしい。
 
私は「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」が
村上作品の最高傑作だと思っていると話した。
「そう、楽しみだわ!」「次は羊をめぐる冒険を読むといいよ」
「わかった!羊をめぐる、、、ね!」

そのあくる日に会った、審美眼についてかなり信頼できる人に
その話をしたら自分も「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」
について私と同意見だというのでちょっと嬉しかった。
 
もちろん「海辺のカフカ」はもちろんのこと
「IQ 84」もアマゾンの予約販売で手に入れて読んでいた。
思ったほどのことはなかったと言う。
「両方とも話の進め方は世界の終りと、、、と一緒だよ。」
「暇してるんだから読んでみたら、、、」と言っていた。
 
何はともあれ世界の若者に「春樹作品」が注目され
読まれているのはもっともなことだし嬉しいことだ。
「エルサレム賞」の対応の仕方だって
私はきちんとしていたと思う。
 
男性の友人たちはいろいろ言うけれど
昔から読んできた私としては
「作品として本当に読み込めてるのかしら」なんて思ってしまう。
 
もう少しブームが落ち着いたら
「海辺のカフカ」と「I・Q 84」を手に入れて
じっくり読んで見よう。
一味違った「ハルキスト」を目指して、、、。

                    
 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« エナジー流れて・・・ | トップ | 風のうた・・・子どもたちへ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書ライフ」カテゴリの最新記事