エンタテーメント作品として万城目学の小説世界は面白い
舞台が関西というのも親しみがある
デビューの頃より注目はしていたものの作品を読むまでには
ちょっと時間がかかったけど
デビュー作の「鴨川ホルモー」は京都が舞台なだけに
すごく親近感がわいた
何といっても数千という見える人には見える小型の「オニ」が
人間の指揮のもと、都大路で戦いを繰り広げるなんて
それも4つの大学対抗で・・・
奇想天外・奇妙奇天烈な世界が何とも言えない
学生感覚や恋愛模様も、古き良き時代のノスタルジーが漂う
京都市が「学生の街」だった頃の・・・
今は市外や滋賀県にキャンパスが広がり
繁華街の学生の姿がめっきり減った気がする
大学(本館)の位置から京都大学・青龍会(東)、立命館・白虎隊(西)、
龍谷大・フェニックス(朱雀)(南)、京産大・玄武組(北)
深く馴染んだ地名や伝統行事(祭り)等がふんだんに盛り込まれ、
その描写が忠実丁寧なだけに疾風怒涛のドラマに臨場感が出る・・・
今も「さだまさし」の歌等を聞くと
主人公安部が今時?の友人にはなかなか理解されない
「さだフリーク」だったことを思い出して笑ってしまう・・・
「鹿男あおによし」は奈良が舞台・・・
これもお馴染みの地
テレビドラマでもしっかり見た・・・
京都や大阪も関連するけど・・・
日本全体が揺れていた・・・なまずのせいだ・・・
なまずを鎮めるために物語が展開する
鹿に見込まれた「鹿男」・・・
臨時教員として赴任した奈良の私立女子高校で話は展開する
サンカク・・・狐と鼠と鹿・・・
三角縁神獣鏡・・・卑弥呼の鏡・・・
「奈良公園の鹿は「挨拶したら(首をこっくりする)
鹿も挨拶を返してくれる(鹿もこっくりする)」
というのを聞いて半信半疑でやってみた・・・
鹿の正面でしっかり目を見てこっくりすると
何とどの鹿もしっかり返してくれた・・・
それが結構楽しみで、奈良公園へ行く機会があると鹿に挨拶をしていた
ところが去年の今頃、ひとり奈良公園を散歩していて
人がいないのを見計らって(1人ではやっぱり恥ずかしい)
久しぶりに鹿の目をまっすぐ見て挨拶したのに
鹿は知らん顔だった・・・
何回か挑戦してみたけど無視・・・
かなりショックだった!
小説にも奈良の鹿は餌をもらうために人間に頭を下げる・・・
世界中で奈良のの鹿だけだ
というのが何回か出てくる・・・
いつから奈良の鹿は挨拶しなくなったのか!?
もう一度試してみなくては・・・
そんなこんなで鹿と間近で対峙する経験が豊富?!なので
鹿がまっすぐ近づいてきて目をみて話しかけてくる
なんていうのもすごく臨場感があった
大地がまだまだ揺れてるこの頃、「なまず鎮め」ができたなら・・・
なんてふと思う
映画「プリンセストヨトミ」
あまり気がなかったのだが
キャストがなかなか良いので観ることにした
奇想天外万城目ワールド、今度の舞台は大阪・・・
原作は読んでないんだけど
大阪には実は「冬の陣」以降400年も連綿と豊臣の直系を守るための
「大阪国」が続いていた・・・
なんてまたまた摩訶不思議な世界
お好み焼きが食べたくなった・・・
大阪人の心意気も・・・親子(父と息子)の情も絆も・・・
どんなことでもありな世界が面白い
やはり設定には無理もあるが
それぞれの演技が作品を味のある楽しいものにしていた
「万城目ワールド」ならではの
意表をつく面白く生き生きした作品世界を楽しみたい・・・
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