駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

医師会の凄いところ

2024年03月04日 | 町医者診言
              

 どこの医師会でもできることかどうかは知らないが、二十年ほど前医師会の理事をしていた頃、今から思えば凄いと言うか素晴らしいことがあった。
 某A先生、古くからの会員で行事出席者中最高齢のことが多く時々乾杯の音頭を取っておられた。実年齢と身体的脳力的な年齢には個体差が大きいけれどほとんどの仕事で八十代後半の現役は難しいように思われる。
 どこからどんな情報があったか、ある時医師会の理事会でA先生にもう診療は無理ではないかという議題が上がった。事故が起こる前にとゆうことで引退勧告をすることになった。実際に伝達に行く先生には中々気の重い仕事だったとは思うが、お辞めいただく事ができた。現実には患者数は何分の一かに減っていたのだが、正しい判断だったと思う。
 菅元首相は、良い判断をされた。引き際の分からない人には引退勧告をするのが政治家の務めだと申し上げたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勘違いの背景

2024年01月06日 | 町医者診言
              

 羽田の事故原因が海保の機長の勘違い?で生じたことは間違いないようだ。何故人間に付き物のその誤認を防げなかったかが次の問題だ。悪いことは重なるもので、滑走路の妨害物を察知する機械が12月27日故障していた(暮れのせいか未修理)。海保機には位置を知らせるトランスポンダーという装置か未装備だった。折角の最先端の機械と装置も故障したり未装備だったりで役に立てなかったらしい。   
 勿論、それでもちゃんと人間の複数の眼が働いていれば、事故は防げた可能性がある。これにはボイスレコーダーの分析を待たねばならないが、海保機の副操縦士が機長の勘違いに気付いていた可能性があり、上官に注意できなかったのではないかという疑問が残る。上司に注意するのには確かに抵抗があり、自分にもいくつか経験がある。
 なぜ機長が勘違いしたか、それは地震の救助作業で優先されているという気持ちが、既に待っている民間機を後回しにして海保機を一番にしますという管制の言葉を離陸してよいと勘違いさせたと推定する。原因分析には心理学者も動員する必要がある。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シンギュラリティの陥穽

2023年12月27日 | 町医者診言
               

 シンギュラリティというのは人工頭脳が進化していつか人間の知性を越える時が来るという仮説のことで、それは2045年と言われていた。今ではその時期がもう少し早い否シンギュラリティには到達できないという学者評論家も出てきているようだが、そもそも日本と欧米ではシンギュラリティに対する考え方というか感覚が大分違う。シンギュラリティに対する恐れ方が違うのだ。日本の研究者や評論家はシンギュラリティをそれほど恐れていない様子だ。それは恐らく絶対の一神感覚と八百万の神感覚の違いから来ているのではないかと思う。
 AIの知性に支配される人間世界をどう考えるかどう感じるか想像も理解も難しいのだが、既にかなりAIに毒された世界に生きている気はしている。
 私が学者や評論家を差し置いて指摘しておきたいのは、AIがシンギュラリティに近づくと、AIがそう判断しているからとAIを錦の御旗に暴走を始める人物が出てくる危険があるということだ。馬鹿な大将敵より怖い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

少なくとも医療だけは

2023年12月09日 | 町医者診言
              

 元々大して信用のなかった政治家だが、政治家特に自民党の多くの政治家の信用が地に落ちた。裏金を悪用、都合の悪いことを誤魔化しはぐらかそうとする。安倍菅岸田政権の内実に暗雲が立ち込め、政治が全く信頼できなくなってきた。
 勿論、医師や看護師にも不心得者は居るが極く少数に留まり、診療の現場では自浄作用が働いている。不誠実不勉強な医療者は淘汰されてゆく。医療だけはと言えば口幅ったいが、ライフラインに関わる仕事の信頼は失わせてはならないと強く感じている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

郵便がおかしい?

2023年11月20日 | 町医者診言

             

 

 何だか郵便がおかしい。僅か二か月の間に、送られた郵便が届かないことが一度市内なのに届くのに四日も掛かったことが一度あった。届かない方は住所が間違っていた可能性もゼロではないが郵パックにしたら届いたので、本当に発送してくれていたのなら行方不明になったと思われる。市内の方は休日を挟んだせいかもしれないが、それにしても遅い。

 今のところ電車の遅れはないが、色々切り詰めると事故や遅れが出てくるのではないかと心配している。日本ほど電車が時間通りに動く国はないと聞く、それは支えるシステムと国民性の賜物と思われるが、人手不足やシステム維持更新不備が出てくれば今まで通りにいかなくなるのではないかと心配になる。郵便は電子通信の進歩普及で利用が減り縮小してゆく事業だが、質が低下しては困る。

 河野太郎デジタル庁大臣は孤軍奮闘しているが、デジタル化は遅々として進まず、掛け声ばかりだ居直りだと非難を一手に浴びている。勿論、河野太郎氏の手法にも問題はあろうが、遅々として進まない問題の根は深い。まず、伝達決済システムがつぎ足し改善で複雑化し、しかも全国規模となると途轍もなく縺れ絡み合っているのだ。とても上からの掛け声だけでは変えられない。次に実は日本人は小手先の修正は得意でも根本的本格的な改革が苦手で嫌いなために進まない側面があると思う。

 岸田首相の人気が凋落しているが、では誰がどうすればよいのかと政治評論家は批判の尻馬に乗ることなく国民に問い返さねばならないと思う。批判は建設的でなければ足を引っ張るだけに終わる。優れた大局観と優先順位を見極める能力がないと停滞を打破できないと診断する。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする