駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ちょございパスワード

2009年05月25日 | 身辺記
 カードとインターネットを利用するようになり、やたらとパスワードを請求されるようになった。当初は気楽に覚えやすいのを設定していたのだが、定期的に変更しろ、同じパスワードを使うな、誕生日など推定しやすいものを使うなと指示されるようになり、しかもメイル、バンキング、各種ソフト、ショッピングなどなどパスワードを要求される案件が増え、今では十数個に増えた。実は本当はもっと必要なのだが、あまりに煩雑なのでいくつかは同じパスワードを使っている。
 インターネットバンキングにはパスワードの検定があるので時々変更し長たらしいのを使っているが、もし悪者に見破られても、かえって同情されて振り込んで貰えそうな少額のへそくりが入っているだけである。
 正直、私に覚えられるパスワードは三つくらいまでで、それ以上になると覚えられないので秘密のノートに書いてある。持ち出し禁にしているので、外出先で必要なものはやむなくいくつか手帳にメモしてある。さいわい?悪筆なので他人には判読しがたいだろう。
 パスワードは4桁から35桁まで随分難度に差がある。35桁などというのは天文学学者もびっくりで想像を超えている。それでも私という存在のユニークさには及ばないのだ。人間一人一人はまあそうした存在で、凡そ命というのもは超複雑な組み合わせが統合した創造物なのだ。それをちょございなパスワードで識別しようとは不届きなと思っても、たかだか三つ四つのパスワードで躓いてしまう。なんということか。僅か小文字と大文字ひとつの違いで、紛れもない本人が曲者のように拒絶されてしまう。
 それに比べると、しばしば旧い夫の失策を持ち出して憮然とさせてくれる奥方は酔って調子はずれの「おーい」でも一声で門を開けてくれる、なんとも世の中は皮肉にできている。
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よく考える

2009年05月25日 | 身辺記
 日本の政治家の言葉とは思えない鳩山由紀夫の友愛という言葉がどのような経緯でどうした意味を込めて発せられたかまだよく分からない。これから徐々に明らかになってゆくと思うが、文字通りの意味が今の日本に浸透してゆけば、光が見えてくるような気がする。
 深い意味を込めて語られた言葉はしばしば上滑りに聞き流される。それでも相手を思いやる気持ちで語られた言葉は聞き手の心に残り、何年も何十年もしてから、ああそういうことだったんだとわかることがよくある。
 誰よりも私の事を考えてくれたのはやはり両親だ。反抗期というのか、若気の至りというのか、二十三、四までは親の言葉をうるさく感じた。
 孫の顔もぎりぎりで見せることが出来たし、自分は親不孝ではなかったと思うが、両親共に比較的早く亡くなったので、親孝行をしたかったというか、三十過ぎてからもっとたくさん話がしたかったと思う。
 総合病院の人事のごたごたで嫌気がさし、独立しようか迷った時など、両親はなんと言うだろうかと思ったことだ。勝手に「おまえの良いようにしなさい」。と言ってくれると思って、そうしてきた。中にはああ言ってはいたがと思い出しながら、その通りにしなかったこともいくつかある。そして今、言っていたとおりにすればよかったと少し後悔している。親の言葉の凄さ見通しの良さに、今更ながら恐れ入っている。
 自分が男のせいか、四十を越すと父の言葉が社会性客観性があって、なるほどなと思いあたることが多かった。私の欠点というか弱点をきちんと知っていたんだと驚いている。批判精神は大切だが、楽しくやることを忘れてはいかんなど、その時は緩いことを言うと思ったが、組織の中社会の中で生きて行く時、幾度も思い出した。
 これは父自身の自戒の意味合いもあったような気もするが、おっちょこちょいの所があるから、やる前によく考えろと言われた。
 これは普遍性のある注意だと思う。何かをする前によく考えること、本当に大切だ。
 
コメント (2)
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