駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

桝添的なものを診る

2014年02月11日 | 人物、男

                      

 桝添氏が東京都知事になった。どういうわけかテレビのバラエティに出ていたので、知名度は抜群で、ある程度どんな人かも知られている。

 政治というのは別世界のことでどうせ変わらない自分の力ではどうしようもないと、表明される方が多いのだけれども、実はじわりと個人の生活に影響を与えてくる。孫や子のことを考えれば、政治に無関心にはなれない。

 日本の所謂政治評論家は人間関係のしがらみと損得利害の視点から評論してしまう。それは人間の重要な側面であるけれども、井戸端会議の延長になってしまう。そうした評論なら情報量、分析力は劣っても、素人の私ような者にも出来る。政策について語れる人は、最近池上彰さんのような人が出てきたが、極めて少ない。池上氏のような評論家が輩出してくることが、日本が明日だけでなく明後日をも生き延びて行くには必要だと思う。

 政治評論家的に桝添さんを分析すれば、桝添さんは国際感覚もあり非常に優秀な人ではあるが、政治家として目指すものが不鮮明だ。能力と決断力があって改善的であっても革新的ではないから、事務方を上手く使いこなすことは出来るだろう。芸能界に身を置いたことによって人間には様々な能力があることを学んだので、視野が広がり庶民性を身に付けたと思うが、能力や運に恵まれない人を肌で理解するようになったとは思えない。婚外活動には寛容になれても婚外子への対応が事実とすれば、私的なことと済ますのは難しい。自民党を批判し、殆ど孤立状態で除名されたのを見れば政治家の長としての資質には問題がありそうだ。政治家を諦めたように見えたのに知事選に出馬し別れた自民党にすり寄ったのは、自己実現としての権力志向があったと推定される。恐らくそのことと政治家として目指すものが不鮮明なこととは関係があると思う。

 優れた知的能力と身に付けた国際感覚を都政の長として生かして行くには機能を第一にされたらと良いと申し上げたい。物を言う都知事となれば、立ち往生する場面も出てくるだろう。尤も、私的には安倍さんに物を言って貰いたいと思う。支持は受けたが考えは違うでしょう。

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