駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

様々な個性に付き合う

2015年06月19日 | 医療

                

 暑いのか涼しいのか訳のわからん天候だが、湿度だけはいつも高い。六月も半ばを過ぎてしまった。あれよあれよというのが、高齢者の時間感覚だ。

 曇天のために待合室が暗い。ケチというわけでもないが、八時前にドアを開けても八時十五分に看護師が出勤してくるまでは電気を点灯しない。殆どの患者さんは薄暗がりの中でじっと待っておられる。希に「暗いなあ」とぶつぶつ言っているのが聞こえる。聞こえてもわざわざ点灯しに腰を上げることはない。たかだか十五分、これがS医院流、暫く待って戴きたい。やがて話し声がしてくるのが常だ。新聞は読みにくくても話をするにはちょうど良い光の具合だろう。

 こんなことまでが医院の個性に入るかどうか分からないが、地域医療で回ってくる研修医は医院によってそれぞれ診療のしかたに違いがあるのに気が付くようだ。たくさん検査をする医院、流れるように診察する医院、多弁な医師寡黙な医師・・・、研修医は色々な個性に接し懐を広げてゆくだろう。

 研修医が回ってくる季節になった。研修医にも個性があるのだが、正直老兵はテンポのずれた新兵指導は草臥れるようになった。あと一二年でお役ご免として戴こう。 

コメント
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