イギリスでEU残留か離脱かの鬩ぎ合いが続いている。離脱派が優勢だったがコックス議員殺害事件で残留派が盛り返し、現在は拮抗していると報道されている。離脱すれば英国のみならず世界経済への大きな打撃があるだろうと予測されている。勿論、私は専門家ではなく報道と離脱派の心理的背景を読んでの観測だ。おそらく専門家でも正確な予測は難しいと思う。経済と政治が絡んでいるとAIもお手上げだろう。
トランプ現象と似ているのは背景に不当に恵まれていないと感じている人達の不満と怒りがあることだ。イギリスはアメリカのように孤高の道を歩めるほど、自力があるとは思えない(アメリカだって難しい)。どちらに転んでも解消されない不満と怒りは国内で燻りやがて火の手が上がる恐れが大きいと見る。
まあこうした分析は専門家にまかせるとして、心配で疑問に思うのは、これだけ旗色の違う主張が五分五分に拮抗している場合、例えば51体49などでどちらかに決まった判断が果たしてスムースに受け入れられるだろうかということだ。相手の言い分を相当取り入れなければ安定した政治は難しい気がする。しかし残留と離脱では歩み寄りが難しいと思う。暴力装置が作動しかねない。
驚くべきことだがアメリカは例外で51対49でも大きな混乱は起きない。選挙結果を受け入れない人物勢力を認めない力が働くのだ。尤も、民主党と共和党が水と油というほどは違わないということも大きいだろう。まあしかし、クレイジーな人物が野放し?で無差別大量殺人が起きる国ではあるが、民主主義のルールを守る点では筋金入りなのかもしれない。
ちょっと脱線したが、イギリスのEU残留離脱の行方を固唾を飲んで見守りながら、大接戦の結果がどのように受け入れられるかにも注目している。