駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

素敵な挨拶

2017年03月09日 | 医療

            

 今朝の外気は冷たく手袋が欲しいほどだったが、日差しは和かに暖かく間違いない春の到来を告げていた。通勤で乗り合わせる人は大体決まっているのだが、駅の階段でいつもすれ違う人もいる。階段を降りるのにかかる時間は二十秒程度だと思うのだが、中ほどでいつもすれ違うおじさんが居る。よほど几帳面というか、定刻に家を出て決まった足どりで歩いて来るらしい。私は家を出るのに数分の前後があるので、プラットフォームではともかく昇りの階段で毎日同じ人にすれ違うということはない。

 昨日の午後ちょっと用事があり市内のS病院に寄った。二階の通路で副院長のM先生(女医さん)とすれ違った。7,8メートル先から気付いたので会釈をしたのだが「いらっしゃいませ」と挨拶された。「こんにちわ」と違い、何とも気の利いた言葉に思わず笑顔になった。副院長という立場も多少はあるだろうが、女性的な優しい表現に嬉しく感じた。

 もう十年以上病診連携と呼ばれる病院と診療所の役割分担と連携が推進されている。初めは地域で自然発生的に手探りで始まったのが、次いで効率的な医療を目指す厚生省の後押しもあって、制度的医療費的な工夫もされてきている。しかし、何といっても人間が関わる仕事、医師同士が顔見知りであることが良好な病診連携運用に欠かせない。「いらっしゃいませ」と挨拶していただけると、不要な行き違いや誤解が生まれることはなくなり、円滑な患者さんの紹介逆紹介(病院から診療所)ができるようになる。

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