駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

人参と人間の問題

2020年12月19日 | 町医者診言
                     

 ゴーツートラベルはゴーツートラブルだった。人間を目先の欲得(人参)で動かそうとするとその時はよくても中長期的にはトラブルの元となる。人参は美味しく得なように見えて原資は税金だし、欲得に目が眩むと落とし穴(感染拡大)を見逃してしまう。
 ゴーツートラベルやゴーツイートがいかに異常な政策なのか、多くの人が理解しておられるだろうか。人の移動制限と三密を避けることが必要な時に、人を移動させるように三密になるように誘導する政策なのだ。
 旅行も会食も注意すれば大丈夫と言っても、注意には限界がある。話をせず食べ物を口に入れる時だけマスクを外し、間にパネルを置いて碌に話をしないのでは、何のための会食、何のための旅行か分からない。大体アルコールが入れば必ずマスクを外して大声を出す人が出てくる。それが人間なわけで、だから言ったでしょで済むならともかく、二週間入院する羽目になって仕事に穴をあけた後や運悪く亡くなった後では取り返しがつかない。まして会食もせず旅行もせずの同僚に感染させてそうしたことになったのでは、訴えられても文句は言えない。
 ウイズコロナとかアフターコロナとか、カタカナ言葉に酔って様子見の政治家が多すぎる。一体この六か月で安倍菅政権はどれくらい有効な新型コロナ対策をしただろう。国民に自助の注意をするが、十分な対策(公助による検査、医療体制整備、医療者保護保障)をしてこなかったではないか。これまで自助共助によって凌いできたが、公助の人はご飯論法の言い逃ればかりだった。
 首相はどうやって好印象を与えて選挙で票を獲得すればよいかと批判する輩をどうやって人事で脅かすかに長けていても、科学の科の字もご存じないように見える。
 飲食旅行業には業務内容の転換、転職も視野に入れた援助が必要と思われる。そんなことを言い出すと票が逃げるという思考法では死屍累々の恐れが出てくる。
コメント (2)
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