goo blog サービス終了のお知らせ 

駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

財政破綻の真実はどこに

2022年01月02日 | 町医者診言
        

 自国通貨を発行する権限のある政府は、中央銀行が財政赤字分の国債を買い続けることによって国民負担なく財政出動が可能なので、財政破綻などしないと言う専門家といつまでもそんなことをしていると財政が破綻して政府が資金のやりくりに窮するようになると言う専門家がいる。
 経済の素人には、破綻しないという専門家の方が強気で自信満々に、破綻するという方が常識的で心配性に聞こえる。しかし素人も考えるわけで私が裁定を下すのは滑稽のようだが、これはどちらも正しいというかどちらも正しくないのだと思う。要するにそれぞれの考えを声高あるいは不安げに主張しているに過ぎない。証明はなく、現在進行形で世界に先駆けて日本で実験中という事態になっているわけだ。問題は信用に関わることで、貨幣というのは信用に支えられているのをまさか経済学者がご存じないわけはないと思うのだが、強そうでも弱そうなでも、信用を損ねたらお終いなのだ。
 数学では無限の取り扱いに苦労したらしいが、人間社会では際限の取り扱いで苦労する。政治家は際限なく言い募ったり、際限なく先延ばしにして誤魔化す。言葉遊びならそれで良いが、実は無尽蔵と思われた地球資源は有限で指数関数的に消費すればたかだか百年で限界が訪れる。際限なく消費可能というわけではない。愚かな人とずる賢い人が主導すると地球は住めなくなる。難しくても社会に信用と信頼を取り戻すのが政治家の仕事だと新年に申し上げたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする