藤井聡太が勝ち続けている。今は誰かの大ファンということもないので、あれよあれよと眺めている。正直、藤井は強過ぎる。向かうところ敵なしだ。勝負を楽しむには接戦の方が面白いのだが、コンピュータの形成判断で藤井が55%有利だと藤井が勝ちそうだなとなり70%有利だと勝負は決まったとなる。逆に藤井が40%で不利だといい勝負と感じ、20%と敗勢でもまだ分かんないと感じてしまう。それくらい終盤で盛り返す力を持っているのだ。王座戦第3局など永瀬が95%の勝勢でさすがの藤井も敗れたかと思っていたら、逆転勝ちしてしまった。永瀬の肩を持つわけではないが95%の勝勢といっても持ち時間五分では人間には難解で、永瀬が正解を見付けることができなかったのは責められない。コンピュータと藤井だけが正解を知っていた。
観戦しているとが果たしてコンピューターの形成判断表示があった方がいいか疑問に感じる時もある。解説のプロも将棋ソフトの形成判断が説明できないことも多く、そのくせコンピュータの顔色を窺っていて苦笑してしまう。実は将棋だけでなくあらゆる分野でコンピュータソフトの方が優れた判断ができる時代が来ており、数少ない藤井レベルの人間だけがコンピュータソフトの判断を吟味できる。政治家は旧態依然でコンピュータを使いこなせないのに、自分の方が偉い正しいと思っているから恐ろしい。