三か月以上前から咳止めの薬が不足してる。普段使い慣れたメジコンやアストミンが入荷せず、やむを得ず粉薬を使用したり、使用日数を減らしたりしている。咳止め不足は直ぐ命に係わるわけではないので、投与日数を減らしたり使い慣れない薬を使用したり生活指導をしたりでやりくりしている。しかしここにきて抗生剤にも品不足の物が出てきた。これは早期に十分投与すれば重症化を防げた肺炎がこじれる危険性もある事態で、同業者に会うと困ったなあと顔を見合わせている。まあ何とか抜かなくても良い伝家の宝刀の抗菌薬を抜いて凌いでいる。伝家の宝刀も使い過ぎると効かなくなる恐れが出てくるので、好ましいことではない。どうしてこういうことになったか、きちんとした臨床データの集積解析がなされず適切な行政指導がなされなかったためだと言うのが医師会幹部の言だ。新型コロナの後遺症に長引く咳が予想外に多く、咳止め増産が間に合わず品不足になっているのだ。
書きにくいことだが、製薬業界も利潤が必要な企業なので利の薄い下手をすると赤字が出かねない薬の増産体制は整っていないらしい。一錠5.7円の咳止めを6.0円に薬価を上げても医療費の負担増は微々たるものだ。小回りができない行政にはおおいに問題がある。不都合な情報を流すジャーナリストを締め出すと国民が気付くのが遅れボヤが大火になる危険が出てくる。手遅れの政治家行政の言い訳は虚しい。