駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

一体どうなっているのだろうか

2016年06月13日 | 小考

                   

 福島第一原発の凍土壁が上手く機能しないと報じられている。このアイデアが出た時点で、私は専門家ではないけれども、上手くゆくわけがないと指摘しておいた。おそらく物理や工学の専門家も無理だろうと考えていたと思う。ただ政治的な反響が大きいので黙っていたと推測する。

 何かしないと何かしていないと手をこまねいているという批判があるので、十分な成算もなく取り敢えずやって見ようと始めた工事だったのではないか。何十億円が使われたのか知らないが、回り回っていずれは国民の負担になるわけだから、本当はきちんと評価し落とし前を付ける必要があるのだが、うやむやで終わるだろう。

 というのは福島第一原発の処理には政治的な思惑が関与しているので、科学に政治的な解釈が付きまとってしまうからだ。正直に手に負えない、今までこれだけの負担をしてこれだけしか効果がなかった、ジワリ拡散希釈でやむを得ない、次世代と地球に付けを回すと告白したらいい。一体原発事故でいくらの損失が生じたか計算して報告してほしい。知恵が防災よりも言い訳に使われていると感ずる。

 叡智と善意を集積し辛くも生活の平穏均衡を保とうとしても、現実に直面し政治が介入すると危うくなる。とはいっても、政治も人間の属性で切り離すことはできず、我関せずともいかない。逆に我関するといっても、蟷螂の斧で中々歯が立たない。どうも草枕の心境になるが、どなたかが提唱されたあきらめないがんばらないで行くのがよさそうだ。

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