駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

冷たい手で

2015年02月06日 | 小考

               

 昔からそうだったのではない気がするが、この数年私の手はこの時期に冷たくなる。患者さんを触診する時、冷たくて申し訳ありませんと断らねばならない。

 「いいえ」と普通の患者さんは良いのだが、「こら、冷たい」と撥ね除ける認知症の婆さんの場合は苦労する。はっきり言って診察にならない。

 実は家内の手も冷たいので、最近は滅多に握ることもないのだが余り困らない。出会った頃はお互い温かい手をしていたような気がする。年を取って血流が悪くなったのであろうか。この分だと脳の方の血流も大分悪くなっていそうだ。

 この頃、植物男子というか異性との接触に興味のない若い男性が増えているようなことが書いてある。元若者の私には理解出来ない感覚だが、なんだか淋しい世界のような気がする。触れあう指先に電気が走るなどという現象は昔の物語になりつつあるのだろうか。悩まされた情動だが、それはあらゆるものを生み出す力でもあったと思う。

 夕方のニュースで、少子化対策に凍結卵子と報道されていた。老兵は何だか違うと呟きたくなる。

 

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2 コメント

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使い捨てカイロ (柳居子)
2015-02-06 14:20:20
現京都市長が、教育長から請われて市長に立候補した時、 厳寒丁度今頃選挙運動がスタートしました。 彼の携帯メールに 『背広のポケットに携帯懐炉を両方に入れよ、君の体を暖めるのではない 手を暖めよ』と、勧めました。 選挙民と握手をしたとき 必ず相手より暖かい手にするよう心掛けョ 市長候補の〇〇さんと握手したという事は人は口にしないが、握手したら暖かかったという事は喋る』と、アドバイスした結果が900票足らずの辛勝でした。 手を暖めていなかったらもっと競っていたでしょう。
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なるほど (arz2bee)
2015-02-06 18:03:10
 良い方法ですね、しかし診察時は手を外に出していますので懐炉に触ることが出来ません。一応診察室は暖房してあるのですが、午後にならないと手の冷たいのが改善しません。手袋も出来ませんので、蠅の様に手をこすってから診察しています。
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