二七日の法要を終えた翌日、恐山にでかけた。
家からの恐山往復はほぼ50年ぶりだ。
母のことだから、三途の川を渡れず、奪衣婆と話し込んでいるだろう。
どんよりとした、今にも降り出しそうな空を見上げ出発。
全行程、舗装の上を歩くので、キーンのスポーツサンダルを履いた。
往復30kmの歩きとなるが、状況により、帰りはバスも利用可能だ。
自宅から、小学校時代に住んでいた新町通りへ。
車では何度も通っているが、歩くのは久しぶりだ。
消防署前の交差点に着く。
壱百弐拾四丁の丁塚石。
恐山街道の起点となる。
ここからは、この丁塚石を一つ一つ減らしてゆくだけだ。
二又あたりで、小雨となる。
半袖Tシャツにアウターを重ねた。
一本杉あたりから、本降りとなり、ポンチョに変えた。
最初は、バタつくのを嫌い、ポンチョの上から、ザックを背負った。
しかし、本格的に降り出したので、ザックを中に入れ直した。
足がひんやりと濡れて、気持ちがいい。
冷水で喉を潤し、パノラマラインとの分岐に着いた。
ここからは、宇曽利湖に向かって下りとなる。
湯坂の急斜面は土砂が被ったり、苔が付いたりで、滑らないように気をつけた。
降りきると宇曽利湖湖畔となり、三途の川に太鼓橋が架かる。
最近(といっても10年は経つような・・・)橋のたもとに、奪衣婆と懸衣翁の石の像が建てられた。
柳の木まで植えられて、撮影スポットとなっている。
雨も止んできた。
バスの待合室で、ポンチョをザックに入れ、食堂で早い昼食を食べた。
混雑する駐車場をあとに、帰路についた。
消防署を過ぎると、ゆるい上りとなる。恐山街道の始まりだ。
道端では、丁塚石とともにお地蔵様が見守ってくれる。
一本杉。奇特な方がいるもので、あちこちに地名版が設置されている。
三本杉。視線誘導標をあと数メートル移動できなかったものか。無粋。
冷水。ここで手を洗い、口をすすぎ恐山に入る準備をする。
恐山側から見た山門。雨とガスでライトを点けて車は走る。
三途の川に架かる太鼓橋。
奪衣婆と懸衣翁。
湖の向こうに見えるはずの大尽山や朝比奈岳は雲の中だ。
混雑する駐車場をあとに、帰路につく。