午前中、コタツで届いた賀状に目を通す。
小学校時代の友人、かわいいウサギのイラストの下に
子宮と卵巣の摘出をするとただ一行。
いつもは、娘さんのことや、家族で応援している球団の明るいニュースが
書かれているのに。どんな気持ちでこの一行を書いたのかと。
お正月に希望を持ったりすることが、きっと出来ないのだろうに。
私もここ数年、楽しい出来事などないのでハッキリ言って賀状など億劫である。
去年は思い切って出す枚数を減らしてしまった。
自身の健康が危ぶまれるような状態では、きっと他者を思うような心のゆとりはないだろう。
私も両卵巣に巨大な腫瘍を作ったときは、生きた心地がしなかった。
両方摘出するかもしれないとも言われたし、その場合は若くして更年期障害のような
症状と戦わなくてならない事が大変だとドクターは言っていた。
幸い、何の異常もなかったが、結局それ以上子どもを持つ事は叶わなかった。
まあそれは結婚生活が破綻しているからに他ならないのだが、
そんな生活を早く終わらせて、本当は子どものもう一人も産みたかったと切に思う。
彼女も私のように、一つ希望をあきらめなくてはならないのか。
あきらめてなお、健康を手に入れられないとしたら、彼女ほどの絶望は私にはない。
とりあえずの健康体で、心身とも強く生きる事が出来ている。
それ以上の幸せを感じることはなくても、日々に感謝するべきなのかもしれない。