咲とその夫

 思いもよらず認知症になった「咲」の介護、その合間にグラウンド・ゴルフを。
 週末にはちょこっと競馬も。
 

鬼平犯科帳・THE FINAL・・・

2016-12-07 22:36:25 | レビュー

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 2日(金)、3日(土)の二夜連続で放送された「鬼平犯科帳・THE FINAL」(主演:中村吉右衛門)。
 翌日の競馬予想の傍らで見入っていたが、その2日間はサラリと流していた。
 録画していた前編「五年目の客」と後編「雲竜剣」を改めてじっくりと見入った。
 なるほど、これが最後の2編かと思うと、池波時代劇ファンの1人としてちょっと寂しい思いでもある。

 「五年目の客」では、元女郎であった「丹波屋」のおかみ・お吉(若村麻由美)が、5年前に品川宿で起こした盗み。
 その時の被害者の男・江口の音吉(谷原章介)が、丹波屋の上客となって現れたことから起きる悲哀が縦糸になっている。
 実はこの音吉という男は、遠州の大盗賊・羽佐間の文蔵(吉澤健)の手下だったのである。
 物語の最後に魅せる鬼平の人情味豊かな裁き。
 義理と人情、人間の業などが見事に描かれている。

 「雲竜剣」では、雲竜剣という剣術を使う不気味な剣客・石動虎太郎(尾上菊之助)と雲竜剣を伝授した父・堀本伯道(田中泯)との親子の葛藤。
 貧しい民に無料の宿泊所「報謝宿」を開放し、無料の医術を施すことを生きがいとする堀本伯道という元武士であった医師。
 その裏家業は盗人だった。
 鬼平を討たんと狙っている石動虎太郎、偶然のこと鬼平の危機を救う形となった堀本伯道。
 
 物語の後段、鬼平こと長谷川平蔵(中村吉右衛門)と膝を交える堀本伯道が、これまでの罪を悔いながらも平蔵に頼みごとをする場面、緊迫の一瞬でもある。
 盗人を捕らえなければならない立場の平蔵が、伯道に危機を救われた恩を返すという下りがある。
 鬼の平蔵が人間味ある、人情味ある目こぼしをする。
 そこが度量の大きな漢、長谷川平蔵の魅力でもあり、原作者・池波正太郎先生の神髄でもある。
 
 1989年7月から中村吉右衛門主演でスタートの鬼平犯科帳も、区切りの第150話で幕を下ろすこととなったらしい。
 28年も続いたこのドラマ、さすがに鬼平組に出演の役者さんたちも、それぞれがお歳を召されている。
 であるが、この鬼平を支えるメンバーがいるから、長い間人気を博しながら続いてきた鬼平犯科帳でもある。
 
 奥方・長谷川久栄(多岐川裕美)、与力・小林金弥(三代目中村又五郎)、同心・酒井祐助(勝野洋)木村忠吾(尾美としのり)、密偵・おまさ(梶芽衣子)伊三次(三浦浩一)五郎蔵(綿引勝彦)、五鉄の亭主・三次郎(藤巻潤)の豪華メンバー。

 泉下にあって今では、それぞれの名演技を見ることのできない「同心・沢田小平次(真田健一郎)、密偵・相模の彦十(三代目江戸家猫八)小房の粂八(蟹江敬三)」の皆さん。
 特に小房の粂八が最終回にいなかったことは、やはり一抹の寂しさが残る。
 
 最後に池波正太郎先生の神髄とも言うべき、名言の数々を長谷川平蔵の口を借りて言わしめている。
 その極、一部を書き込んでまとめにしたい。(夫)

 『人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ。善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける。悪事をはたらきつつ、知らず識らず善事をたのしむ。これが人間だわさ』

 『人なみに善(よ)いことをして見たくなるのだ。悪事によって得た金で善事をおこなう。それが、いささか、胸の中がなぐさめられる。申せば悪党の虚栄(きょえい)なのだ』

 『金と申すものは、おもしろいものよ。つぎからつぎへ、さまざまな人びとの手にわたりながら、善悪二様のはたらきをする』


(出典:フジテレビ公式HP 抜粋)

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