紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

反芻。

2009-05-06 23:32:00 | 読書
 遅ればせながら『へうげもの』3巻目を読み直す。8巻で明智光秀の話題が出て来たので、すっかり忘れてしまっていた明智の最後を復習しないと、と思っていたのだ。

 いやいや、今更ながらだけど、作者凄すぎ。8巻まで読んだ時点で、3巻に戻ってみれば、8巻の「あれ」はこういうことだったのかー!!という部分がぽろぽろと。なるほど、なるほど。見所も考えどころも多すぎて、ものすごいスロースピードで読む。

 で、光秀の辞世の句どころか、本能寺に行き着く前に、いつしか夢の中、まどろみの世界に・・・(汗) 

 それに3巻ではまだまだ明智は死なないし。しっかり巻数、間違えてるし!! 

 ものすごく気高く、心根も良く、能力もあり優秀で、審美眼も高く、目がきき、愛妻家で、非の打ち所がない明智が、まんまとしかけられた罠に落ちまくっているのが、なんとも哀れで仕方が無い。悲劇の人なのだ。でも、あんまり真面目で出来すぎているのって、どうか?という作者の目線も実は感じたりとか。

 山田芳裕さん、深すぎ!! 

 実は『へうげもの』を買うたび、3度くらい同じ巻を連続で読み直すんですよね。それくらい面白いのです。でも引き返して読むのが、こんなに面白いなんて。

 山田さん、きっと千利休のこと、ものすごく好きなんだろうな、と想像してしまう。あのブリリアントな多面性と、それぞれの面に宿る深さが。彼の業の深さも含めてね。