教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

ちゃんとした専門書を望む

2010-06-24 00:02:56 | 科学
さすがに英語は別格だが、日本語はけっこう豊富に専門書がそろっている。

これは日本人は本が好きだからだろうか。
英語の苦手な日本人で原書を読むヤツなんぞいないから英語の本が競合にならないために専門書の出版という商売をやりやすいからだろうか。
その辺はよくわからん。

外国からの留学生が言っていたのだが、日本語の専門書というのは、わかりやすい入門的なレベルの本が比較的充実しているのだそうな。
ようはCQ出版みたいなもんかね。
大学生のころはCQ出版はよくお世話になったもんで、おかげさまでプロになれたと感謝している。

それはそれでおいといて、大学の教授が書いたヘビーな本もそこそこたくさん出てはいる。
難易度としては、上から下まで比較的よくカバーされていると言っても良いかもしれない。



ところが!

日本語が原文の本では、ようは日本人が書いた本では、ちゃんとした専門書がほとんど無いような気がする。

CQ出版のような、とりあえずやってみよう的なノリのやつじゃなくて。
大学の教授が書いたような、基本コピペで書かれているために、その本だけ読んでも意味がわからんようなやつじゃなくて。

学術的な意味合いにおいて、ちゃんと理論を書いてあるもの。
かつ、その本だけ読んだとして、ちゃんと読んだら理解できるもの。
そのかわり本が分厚くてもそれはかまわん。

・・・そういう本は日本語が原文のものはめったになさそうな気がする。



例をあげてみる。

スティグリッツ経済学のシリーズが好例にあたる。
これを読めば経済学の基礎理論を理解できる。
にもかかわらず、わたしのようなシロウトでも読めばわかる(とはいっても、猿でもわかる的な経済の本を読んで「感動した!」というほどの予備知識しかないと読めないかも)。
文字の量がハンパじゃないが、それは読めばわかるようにするために必要なものだ。
むしろ、こんなに丁寧に解説してくれる本などありやしないだろうと感動すら覚える。

ファインマン物理学のシリーズも好例にあたる。
ちょっと切り口が独特だが、これを読めば物理学の基礎理論を理解できる。
にもかかわらず、理学部物理科とかでもないわたしのような単なる工学部卒のヤツでも読めばわかる(高校物理と大学の初等数学は理解していないと読めないかも)。
文字の量がハンパじゃないが、それは読めばわかるようにするために必要なものだ。
むしろ、こんなに丁寧に解説してくれる本などありやしないだろうと感動すら覚える。
式で説明するのではなく、必ず物理イメージを言葉で説明してくれるのだ。

スティグリッツ氏もファインマン氏もノーベル賞を受賞した教授でもある。
おなじ教授なのに、なんで日本の大学の教授の本は、こうも他の予備知識前提で書かれてある本ばかりなのかと、悲しいやら呆れるやらという感覚すらおぼえるものだ。

日本人でもこういう本を書ける人が出てくることを望む。



追伸:

個人的にいちばん酷いのは半導体物性関連の本ではないかと思う。
物理の知識がまったくなくても読めるような一般人むけの本か、そうでなければ量子力学の予備知識があって別途検証できるくらいのレベルになっていなければ根拠の理解できないような式が何の説明もなくポンと出てくるか、そんな本だらけな気がする。
まともな入門書はほとんどない。