一緒に働いている女の子は青森県出身で。
「女の子」と表現するには似合わない、とてもしっかりした、グチもこぼさない、尊敬できる人。でも笑顔の可愛さに、女の子と言いたくなってしまう。
仕事終わり、明日は日曜日でホッとした別れ際、「で、お正月どうするの?」と聞いてみた。彼女がお盆休みも青森へ帰れなかったことを知っていたからだ。
「帰らないことに決めました」と、言っていた。
もしも彼女が帰ったら、唯一の家族であるおばあちゃんが、いつも通っている施設に2週間行けなくなるらしい。
芯の強い彼女が、ひとりでお正月を過ごすと思うと、少し胸が塞ぐ。
本当はどうでもいいSiriの話をしようと思っていたのに。
Siriに「音楽かけて」と言うと、うちにある新旧2台のiPhoneが、それぞれに反応し、それぞれに音楽をかけてくれること。2台で流れるので混乱するけれど、どちらも選曲がいいこと。
だから「Siriありがとう」って声をかけると、2台とも無視すること。それが悔しくて、Siriが返事するまでしつこく話しかけ続けること。
結局どうでもいいSiriの話をしてしまった。
私はそんな風にひとりで遊んでいるけれど、彼女もひとりのお正月を楽しめるといいな。
まだ少し先の話だけど。
我慢強い人だから、気になってしまう。
一人暮らしの彼女のおばあちゃんも。
そういえばうちの母も、ひとり暮らしだったな。でも、毎日家族が行き来しているから。
年末、私はまだ決めていない。
「あと少し…」
ふと胸に浮かんで、何がだろうって考えた。
思い浮かんだイメージはいろいろ。
とりあえず、12月まであと少しだ。