B.LET'S 

「滝本Bログ」滝本祥生のブログです。B.LET'SのHP→http://blets.jimdo.com/

あと10時間20分…

2006-12-31 13:40:49 | Weblog
洗濯物をたたみながら新しい暮らしを振り返る。

引っ越してから身近な用事が重なり、書くことがおろそかになっていたので、これではいけないと、12月の後半から年内は毎日ブログを更新しようと決めた。しかし、何でもやってみると思ったより大変で、今度はもうすぐ〆切の台本を書く事がおろそかになってしまった……なかなかうまく行かない。
これを書いたらそっちに取り掛かる。今年中に新作を書くことはもっと前に決めていたことだし、完成形は無理だけど第一稿なら !

乾いたジーンズについていた白いホコリは、綿帽子のついた花の種だった。ベランダから外へ離すとすぐにどこかへ飛んで行った。
いろいろあったけど、結構いい一年だったと思う。


今日は大掃除

2006-12-30 13:23:50 | Weblog
最近、気に入っている音が二つある。

一つは、東京メトロ丸の内線の女性アナウンスの声。
繊細な柔らかい声で、少し感情がこもっている。「次は国会議事堂前…」にも、「次は霞ヶ関…」にもちょっとドラマがある…そんな気がする。ともかく通勤電車の中で癒されている。
もう一つは毎日夕方、阿佐ヶ谷の町に流れる「七つの子」。
「カラスなぜ鳴くの、カラスは山に…」のあの曲が五時の時報だ。初めは何の音だかわからなかった。あまりに毎日流れるので不思議に思って時計を見ると、五時だった。
なんとも呑気な、ゆっくりしたテンポで、家にいるのに「さぁ帰ろう」という気持ちになる。私の頭の中では、本願寺の上を東山へ向って「カーカー」飛んで行くカラスが思い浮かぶのだけど、この辺りの子供達はどんな風に思うのだろう? 公園はあっても子供の姿は見たことがない。
東京にはこんなにお寺が少なくて、京都にはお寺が多い。そんな当たり前の事を今まで意識したことも無かった。

今日は休みなので大掃除、引っ越してまだ日は浅いけど部屋はほど良く散らかっている。お天気がいいのでまずは布団を干して……
「七つの子」までには全部終わらそうっと。

祖母の記憶

2006-12-29 09:44:04 | Weblog
用事があって親戚の家に電話をかけた。

そこは、ハーブが咲くイングリッシュガーデンが自慢の喫茶店。おばが一人で切り盛りし、私も引っ越す直前までお手伝いをさせてもらっていた。常連さんと、花の名前をたくさん覚えた。
そこには祖母が一緒に住んでいる。父方母方、両祖父母のうちの最後の一人。最近では少し忘れっぽくなり、片方の目が見えない。氷川きよしのファンクラブに入り、毎月届く会報と「きよしとこの夜」を楽しみにしていた。体調を崩したと聞いて、私がお見舞いに「氷川きよしカレンダー2007」を届けると、ギリギリまで顔を近づけ、見えるほうの目で一生懸命見つめていた。とても可愛がってもらったし、引っ越すことを随分寂しがってくれた。
でも、電話の向こうでおばあちゃんは私のことを忘れていた。
痴呆があるので覚悟はしていたけど、思った以上に早かった。私にとってはあっという間の一ヶ月も、85年間生きてきた祖母にとっては想像以上に長い時間だったみたい。
確実に時間が過ぎて行っている。子供とお年寄りはわかりやすい。
この一ヶ月を振り返って、一年を振り返って……もう振り返ってる場合じゃない。まだまだやらなきゃいけないことがたくさんあるし、今年はあと三日しかない。
少し寂しいけど氷川くんのことは忘れないでねと願い、電話を切る。とにかく今は仕事へ向おう。

せっかくなのでうどんの話

2006-12-28 00:51:45 | Weblog
雨は止んでも、大失敗は帳消しにはならない、当然の話です。
昨日の失敗を朝から謝る……どうして確認しなかったのか? わからないことは聞きなさいと、幼稚園の頃に習ったのに。年下の先輩の標準語が胸に刺さる。開き直るにはまだ早い、もっと反省するべき。

そして、やっと帰り道……これではブログが書けないと、お腹も空いてないのにうどんを食べた。関東と関西のうどんの違いについて書こうと思った。でも、出てきたのはいつものうどん。メニューをよく見ると、「きつねうどん(京風)」と書いてあった。それに改めて考えてみると関東と関西のうどんの違いなんてどうでもいい。その為に、無駄なお金と無駄な時間を使い、無駄なカロリーまで取ってしまった。
もうなんて日! 
台本書かなきゃ! と急いで店を出て小走りで帰った。せめてカロリーだけでも消費したい。
夜空には昨日とはうって変わって月が出ていた。なんとも申し訳無さそうな下半分の月だった。

雨のち雷

2006-12-27 01:52:42 | Weblog
朝から雨が降り続いている。

鹿児島の友達から電話があった。京都の梅津に住んでいたその友達は、今年の九月に故郷の鹿児島へ帰った。四年前、鹿児島から京都へ来てすぐの頃に知り合い、公演も毎回見に来てくれた。いつも困った顔をして笑う。
最後に会ったのは九月の末、西院の居酒屋だった。鹿児島へ帰ると言う友達に、私は東京へ行くことを話した。
お互いの家のちょうど真ん中、西大路五条の交差点で手を振って別れた。街灯に照らされて、ハナミズキの葉がオレンジ色に光って見えた。何度も振り返ったから覚えている、東京と鹿児島では今度いつ会えるかわからない。
あれから三ヶ月……その友達が今、東京にいるという。出張で年末まで滞在するらしい。仕事で大失敗をしたという私の話を嬉しそうに聞いていた。きっとまた、困った顔をしていると思う。
縁とは繋げて行くものだと思っていたけど、繋がって行くものなのかも知れない。これで朝からの雨も大失敗も帳消しになった感じ、明日もがんばろう!

外ではまだ季節外れの雷が鳴っている。


クリスマスの新宿

2006-12-26 10:07:03 | Weblog
新宿で友達のクリスマスライヴがあった。
その人のライヴを初めて見たのは私がまだ大学生の頃で、もう十年以上も前。京都や大阪のライヴハウス、木屋町でストリートライヴもやっていた。一度、会社の営業先のお客さんの接待で木屋町へ行った時、たまたまその人のライヴに遭遇し、接待そっちのけで歌に聞き入り、お客さんを怒って帰らせてしまったことがある。その人の曲に影響されてお芝居のセリフも思いついたし、結構ファンだった。
それから数年後、その人が東京へ行ってからはライヴへは行っていない。木屋町ではバンドだったけど、今は一人でやっているそうだ。久しぶりに見たライヴは十年前と何も変わっていなくて嬉しかった。もちろん変わっていないのは技術ではなく。
好きなことを続けていくことは大変だと思う、だからこそ出来きるのかもしれないけど……

クリスマスの新宿の夜は思ったより人通りが少なくて、駅までの道を走って帰った。

箱の中身

2006-12-25 01:10:52 | Weblog
先日、母から宅急便が届いた。そういうのも私にとっては初めての経験、結構大きなダンボール箱だった。そういえば2,3日前「蜜柑と林檎を貰ったので送ります」と留守番電話に入っていた。箱を開けると、蜜柑と林檎の他に、柿、牛肉のしぐれ煮、茶碗蒸し、ちりめん山椒、ぶり大根、クッキー、パックに入った中途半端な量のお米と、片隅に小さなポインセチアが入っていた。この時期におなじみの赤と緑の観葉植物……何でこんな物までとちょっと笑ってしまった。
お礼の電話を入れ、中途半端な量のお米について聞いてみると、「いざという時にお米があると便利だから」だと言う。そりゃそうだろうと、その量の中途半端さについて聞き直すと、買いに行く時間が無かったので実家にある分をパックに移して送ってくれたらしい。実家は酒屋、年末は特に忙しいはず、時間が無いことはよく知ってる。
兄二人が実家を離れていた頃、母が送っていたダンボール箱を私も貰えるなんて、何か不思議な感じだ。
私も一応女性なので、母親を見ていると子供を持つ事も悪くないかもなんて思う事もある。でも、自分の態度を見ると子供なんて必要ないかもと思ったりする。ま、そんなことを考えながら、一人暮らしには多すぎる林檎と蜜柑をせっせと片付けている。一番要らないと思ったポインセチアも今日は主役だ。

新しい悩み

2006-12-24 02:00:06 | Weblog
銀座で接客の仕事を始めた。
東京へ来て以来、出会った人は皆いい人たちばかりだった。不動産屋のおじさんも、ビデオ屋のお兄ちゃんも、道を聞いた奥さんも、私を新参者と察して優しく丁寧に接してくれた。新宿で「アルタどこですか?」なんて聞くのは、旅行者以外あり得ない。                    銀座のツリー

でも仕事となると話は違う。お客さんや同僚からいろいろ注意をされたり、質問に答えたりしなければならない。関西出身の私には、標準語の言葉がとても冷たく聞こえ叱られている感じがする。お客さんへの言葉もなまりが気になって大きな声が出ない、これは初めての感覚。京都での今までの自分を振り返って反省した。一人暮らしの学生さんにもっと優しくしてあげれば良かった、きっと彼らは私よりも若い分、ずっと心細かったに違いない。
でも……考えてみたら、私の周りにも標準語を話す友達はたくさんいる。お芝居のセリフも全部標準語で書くし、テレビや映画でも標準語ばかり。関西弁と同様に標準語には慣れ親しんでいるはず。じゃ、なぜ叱られているみたいに感じるかというと、ただ仕事や人に慣れていないだけだ。だってまだ一週間しか経ってないのだから。とても単純なことだった。
そう思うと少し安心。明日は堂々と大きな声を出そうと、小学生のような目標を立てている。

23日ぶり

2006-12-23 00:58:19 | Weblog
友達が遊びに来た。
遊びに来たと思っているのは私だけで、友達の垣脇さんは東京の仕事があったところを、わざわざ予定を早めて来てくれたのだ。私の仕事先の銀座から東京までは地下鉄で一駅なので東京駅まで迎えに行く。最後に会ってから、まだ23日しか経ってないのにもう随分会ってないみたいな気がする。季節はクリスマス、しかも最終に近い新幹線、なんか盛り上がる。東京駅がそんな気分にさせる。ま、実際会ってみると、いつも通りなのだけど。
久しぶりに、今までとは違う場所で馴染みの友達に会うとホッとするし、なんと言ってもやっぱり嬉しい。

荻窪駅までの道

2006-12-21 23:18:59 | Weblog
新しい仕事が始まったため、仕事場へ通じる最短の交通手段を開拓しようと、いつも利用する駅とは違う駅への道を探した。
私が住んでいるのは、阿佐ヶ谷駅と荻窪駅のちょうど中間辺りの閑静な住宅街。家は多いけど人通りは少なく、毎日がお正月の朝の様に静かだ。でもこれがとてもややこしく、道が途中で行き止まりだったり、クネクネ曲がりくねったりしている。住宅街のため目印になる物も少なく、「碁盤の目」の街に慣れ親しんだ上に、地図を読むのが苦手な私はすぐに迷ってしまう。先日は、荻窪駅から家まで自転車で十分弱の道のりを一時間半かけて帰った。一時間半後に再び荻窪駅へ着いた時はホッとしたけど情けなかった…
どうでもいいことだけど私はとても無駄が多い。良く調べもせずに行き当たりばったり、無駄口はたたく、道は間違う、電車にもいつも乗り遅れる。今までのバイト先でも「無駄な動きが多い」と注意されたし、役者さんに演出する時も「何を言っているのかわからない」と言われ、申し訳なく思った。
一人で無駄なことをしている分には他人様に迷惑をかけなくてすむし、「またか」と諦めも着くけど、なんとも虚しい時がある。ひいては私のやっていること全部が無駄なことの様に思えたりする、東京もシナリオもその他……。
もちろん反省もするけど、お友達でソムリエールの中久保さんは「無駄なことこそ楽しい」と言っていたし、最近読んだ本の中で中島らもさんは「人生は有り余る時間をどう楽しくやり過ごすか」だと言っていた。そんな風に考えると、無駄な時間を掛け、自分で見つけた荻窪駅までの新しい道も少し楽しくなる。