12/3・4に、北海道江別市の北翔大学の皆さんによって、「春の遭難者」が上演されます。
「春の遭難者」は、日本劇作家協会優秀新人戯曲賞をいただいた作品で、B.LET'Sとしては2010年に初演、2014年に再演をしました。
それ以来上演は7年ぶり。
今回は大学生の皆さんが上演されるということで、初演当時は10歳くらいだった女の子たちが、この作品とどう向き合われるのか、応援したい気持ちと、心配する気持ちです。
そして、たくさんある戯曲の中から、私の作品を見つけて、上演してもらえることが、とても嬉しくて光栄です。
改めて、戯曲は演じてもらえてこそだなあと感じています。
以上が2014年の再演時、下の写真は、この同じシーンで2010年の初演時です。
同じような雰囲気。
性犯罪を扱った重い内容ですので、私自身も二度上演しながら、その度に俳優陣が苦しんでいる姿を見てきましたし、お客様への影響も考えると一定の覚悟をして、上演してきました。
そういう作品は私の書いたものでは他には今のところありません。
ツイッターで、大学生の皆さんが稽古されている写真などをお見かけしながら「きっと大変だろうなあ」と、勝手に想像しています。
今回の上演にあたり、戯曲をお送りする時に少しセリフを書き足して、ずっと悩んでいたシーンが腑に落ちました。
私にしか分からないささいな改訂ですが、このひとことを探すのに10年かかったんだなあと思うと、演劇の難しさと面白さを感じます。
そして初演から10年もたったことに驚き、自分は変わらなくても時代は変わって行って、その時代に合うのか、普遍的な作品を書けているのか、自問自答しています。
こちらは配信されるそうですので、私も楽しみに、観劇させていただきたいと思います。
【配信チケット】
北翔舞台芸術2年目試演会vol.17
「春の遭難者」
作 滝本祥生
演出 中野愛菜 廣重鈴音
(この作品は性犯罪を扱った内容です。フラッシュバックなどが起こる可能性がありますので、ご無理のないようにお気をつけください)
また、今回は劇作家協会の戯曲アーカイブから私の作品を見つけてもらったそうです。ここでは様々な戯曲が無料で読めます。