2021年公開の日本映画です。
殺人での受刑囚の男が、満期で出所するシーンから映画は始まります。
男は14歳で少年院に入ったのを皮切りに、合計28年以上、人生の約半分を塀の中でおくってきました。
彼が、今度こそ真っ当な人生をおくろうと、苦闘する姿が描かれています。
彼の周囲には、身元引受人の弁護士夫妻や理解のあるケースワーカー、近所のスーパーの店主、彼を取材しているフリーのテレビディレクター(テレビの話は途中でなくなりますが、彼のことを本に書こうとしています)など、手助けしてくれる人々がいて、客観的に見ればかなり恵まれていると思えます。
しかし、すぐカッとする性格のため、なかなかうまくいきません。
それでも、ようやく介護施設で職を見つけ、理不尽なこと(障害のある同僚が周囲から差別されている)を我慢することも覚え、かつての妻との再会も決まった時に、病気のため急死します。
やや尻切れトンボで破綻のあるストーリーなのですが、主人公を演じた役所広司の熱演がそれを救っています。