2012年7月14日に行われた日本児童文学学会の東京例会です。
発表内容は、今回は二件ともに英米児童文学で私の研究分野とは違うのですが、それぞれ発表者の情熱が感じられて面白かったです。
一件目は、エコクリティシズム(環境の観点から文学を批評する新しい方法)を用いてボストンとピアスの作品を再評価したもので、新しい評価法についての知見を得ることができ、おおいに刺激を受けました。
二件目は、エイキンのダイドー・トワイトシリーズを中心にした音楽と児童文学についての研究す。
音楽と児童文学の関係についてはそれほど突っ込んだ内容ではありませんでしたが、作品の細部にこだわった発表は、発表者がいかにこの作者の作品に情熱を持っているかが伝わってきて、好感が持てました。
ただ、例会の進め方や発表の仕方については、改善の余地がかなりあると思いました。
発表は、その場でワードで書かれた紙のレジュメが配られ、後は発表者が一方向で話し続けるという旧来の授業形式の方法でした。
最後に質問の時間が若干とられているのですが、時間も短いし発表者と質問者の一対一の応答にとどまっていました。
せっかくの発表なのでから。レジュメは学会のホームページに事前に掲載し、参加者が読んでから参加するようにしたらどうでしょうか。
当日は、単なるオーラルコミュニケーションでなく、パワーポイントなどを使った資料をプロジェクターで映すなりしてビジュアルなプレゼンテーションにすれば、もっと参加者にアピールできると思います。
また、参加者はレジュメをすでに読んでいることを前提に、もっとディスカッションする時間を設定すれば、参加者のみならず発表者にとっても、今後の研究にプラスになるのではないでしょうか。
また、レジュメをホームページに記載すれば、当日参加できなかった他の学会員も読むことができます。
さらに、費用や会場の制約はあるのですが、将来的にはネットミーティングや電話会議なども導入して地方在住の発表者と同じような研究をしている学会員もネットなどで参加できれば、議論はもっと活性化することでしょう。
また当日の進め方ですが、司会者は単に進行係をするのではなく、記録をとりながら議論が活性化するように運営してもらいたいと思いました。
例会というものは司会者の手腕によって面白くもつまらなくもなることを、長年の同人誌活動で体験してきました。
また、発表の議事録を取っていないことも気になりました。
学会活動の継続性や参加できなかった学会員のためにも、議事録は必ず作成してホームページに載せてもらいたいと思いました。
これらを蓄積していけば、きっと貴重な資料になることでしょう。
また、発表者は、英米児童文学研究者なので当たり前かもしれませんですが、作品の原書や未訳の作品も読めるわけですし、英語の発音の感じではおそらく留学経験もあるでしょうから、もっと現地の最新の研究状況を紹介してほしいと思いました。
「日本」児童文学学会という閉じた世界でなく、もっとグローバルな研究の意義を意識してもらうと、発表の価値がもっと高まるのではないでしょうか。
2017年の7月に、久しぶりに東京例会に参加してみました(内容についてはそれらの記事を参照してください)。
発表者が若い研究者たちだったせいもあってか、プロジェクターもきちんと使われて、ビジュアルなプレゼンテーションはかなり進歩していました。
しかし、会の進行方法などはあまり改善されていなくて、特に発表後の質問が私以外からはほとんど出ないのは相変わらずで、これではせっかく発表した研究者たちが気の毒です。
発表内容は、今回は二件ともに英米児童文学で私の研究分野とは違うのですが、それぞれ発表者の情熱が感じられて面白かったです。
一件目は、エコクリティシズム(環境の観点から文学を批評する新しい方法)を用いてボストンとピアスの作品を再評価したもので、新しい評価法についての知見を得ることができ、おおいに刺激を受けました。
二件目は、エイキンのダイドー・トワイトシリーズを中心にした音楽と児童文学についての研究す。
音楽と児童文学の関係についてはそれほど突っ込んだ内容ではありませんでしたが、作品の細部にこだわった発表は、発表者がいかにこの作者の作品に情熱を持っているかが伝わってきて、好感が持てました。
ただ、例会の進め方や発表の仕方については、改善の余地がかなりあると思いました。
発表は、その場でワードで書かれた紙のレジュメが配られ、後は発表者が一方向で話し続けるという旧来の授業形式の方法でした。
最後に質問の時間が若干とられているのですが、時間も短いし発表者と質問者の一対一の応答にとどまっていました。
せっかくの発表なのでから。レジュメは学会のホームページに事前に掲載し、参加者が読んでから参加するようにしたらどうでしょうか。
当日は、単なるオーラルコミュニケーションでなく、パワーポイントなどを使った資料をプロジェクターで映すなりしてビジュアルなプレゼンテーションにすれば、もっと参加者にアピールできると思います。
また、参加者はレジュメをすでに読んでいることを前提に、もっとディスカッションする時間を設定すれば、参加者のみならず発表者にとっても、今後の研究にプラスになるのではないでしょうか。
また、レジュメをホームページに記載すれば、当日参加できなかった他の学会員も読むことができます。
さらに、費用や会場の制約はあるのですが、将来的にはネットミーティングや電話会議なども導入して地方在住の発表者と同じような研究をしている学会員もネットなどで参加できれば、議論はもっと活性化することでしょう。
また当日の進め方ですが、司会者は単に進行係をするのではなく、記録をとりながら議論が活性化するように運営してもらいたいと思いました。
例会というものは司会者の手腕によって面白くもつまらなくもなることを、長年の同人誌活動で体験してきました。
また、発表の議事録を取っていないことも気になりました。
学会活動の継続性や参加できなかった学会員のためにも、議事録は必ず作成してホームページに載せてもらいたいと思いました。
これらを蓄積していけば、きっと貴重な資料になることでしょう。
また、発表者は、英米児童文学研究者なので当たり前かもしれませんですが、作品の原書や未訳の作品も読めるわけですし、英語の発音の感じではおそらく留学経験もあるでしょうから、もっと現地の最新の研究状況を紹介してほしいと思いました。
「日本」児童文学学会という閉じた世界でなく、もっとグローバルな研究の意義を意識してもらうと、発表の価値がもっと高まるのではないでしょうか。
2017年の7月に、久しぶりに東京例会に参加してみました(内容についてはそれらの記事を参照してください)。
発表者が若い研究者たちだったせいもあってか、プロジェクターもきちんと使われて、ビジュアルなプレゼンテーションはかなり進歩していました。
しかし、会の進行方法などはあまり改善されていなくて、特に発表後の質問が私以外からはほとんど出ないのは相変わらずで、これではせっかく発表した研究者たちが気の毒です。
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