これまた中国の古典で、日本でも人気のある三国志を舞台にしています。
そして、ここでも、主役の劉備でも、一番人気の関羽でも、千年に一度の大才といわれる諸葛亮孔明でもなく、趙雲子竜にフォーカスをあてています。
趙雲と言えば、天下無双の槍の名手で、男の中の男という言葉がふさわしい武人ですが、そこに生きることや故郷への哀愁を与えたことが、この作品のミソでしょう。
でも、作中には三国志マニアではないと何だかわからないエピソードが満載なので、すべてにピンとくる読者は限られる(特に女性には難しいでしょう)かもしれません。
もっとも、現在は、三国志はコーエーのテレビゲームやパソコンゲームなどで若い世代に人気があるので、案外大丈夫かもしれません。
私が三国志に夢中だったのは、小学生から高校生にかけて吉川英治の「三国志」(その記事を参照してください)を何十回も読みふけっていたころ(なぜか定期試験の前になると読みたくなります)と、子どもたちとコーエーのゲームをやっていたころです。
電子書籍になったので久しぶりに読んでみました(その記事を参照してください)が、相変わらず面白く昔ほどではありませんがかなり夢中になれました。
悟浄出立 | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |