「きみたちはベランダで、なにをしてるのかね? 寝袋まで出して」
クマル「月食待ちだから」
チャ「でも月食が始まるのって19:00過ぎだよ」
クマル「雲が多いから、お祈りして待つの」
C「それ、意味ないと思うけど」
クマル「意味あるの」
クマル「ほらみさらせ! 雲ひとつない快晴だから」
チャ「じゃあ、とりあえず月が欠け始めるまで、部屋ででも飲もうか」
クマル「よし、許す。ただしな」
時間経過
チャ「もう全部欠けちゃったのかなぁ」
クマル「欠けても赤く見えるはずだっしぶるぅ」
チャ「おかしいね そんな一気に欠けるわけないのに」
クマル「皆既月食ならぬ怪奇月食だから」
クマル「って、ちょっと待った! なにこの写真」
C「ベランダからだと方角逆」
チャ「え、そうだったの? でも、最初はベランダから見えてたよ」
C「天体は常に動いているものなのだよ。正確には地球が動いているんだけど」
チャ「これ、どこから見てたの」
C「非常階段」
クマル「あ! 天体望遠鏡!! いつの間にか奪われてた」
C「でも、意外と使えなかったぞ。月明かりがあれば、方向探れるんだけど、暗くなると、コレ使えない。脇についてる小型の望遠鏡のほうがよかったな」
クマル「んなこと知らねーし 見てねーし」
C「ああ、でもたいしたことなかったよ。赤いつったって、濁ってたし。月食が終わってからの月のほうが見応えあったし」
クマル「悔ちーィ ムキーッ」