赤羽にまたいいお店発見しちゃいました。
“まるます家”や“トロ函”がある通り(一番街)から、少し横にそれた辺りに“一進”がありました。
お豆腐と納豆の料理がメインです。
御主人は白髪でダンディーな雰囲気。
訊くと、元々は懐石を専門としていたらしい。
洒落好きで、店の名前も出身地が同じということで、森進一の名まえを逆さに読んでつけました。なんてことをさらっと言うクセモノ。
実は、懐石の世界で「一進」とは別な意味があって、懐石料理で腹いっぱいとはなかなかむずかしい。そこでもう一品。と頼みたくなる。そのことを指す言葉なんだそうです。
これがお通し。
てことは、しかないですね。
おからはまことに上品な味。
ここで、店内を見回すと、メニューの短冊に意味不明の内容ばかりが書かれてあるのが目にとまります。
なんでしょう「タイタニック」って食べ物は?
昔から料理と駄洒落は切っても切れない関係。というのが御主人の持論。
たとえば、先にあげた「おから」も「卯の花」と呼ぶのは、もう一般には広く浸透している。
だったら自分の店にオリジナルな呼び方があっても……。と思考錯誤の結果、店にはもはや解読不可能なような品名が並ぶしだいになったようです。
「タイタニック」実はこれ、「炊いた肉」と訳すようです。
なんでも京都のほうだと、肉を煮ることを炊くっていうんだそうですねぇ。
つまりこれ、肉豆腐のことなんだそうです。
では、「福田総理」←これは何でしょうか?
答えは、「親子丼」。
総理を日本のドンと訳したわけです。親子にわたって日本のドンになった。
そういうわけで、親子丼が正解なのです。
なんかこの店面白すぎる!
でも面白いだけではないんです。
こんな旨いがんもどきを、ぼくは生まれて初めて食べました。
注文してから、すり鉢でこねて作るので時間はかかるけど、そのお陰で信じられないぐらい美味しい。(ダシも注文を受けてからつくります)
ちなみに「がんもどき」の言葉の由来は「雁もどき」からきているらしいです。
精進料理では、肉が食べられない。そこで昔の人は知恵をしぼって、これを考え出したようです。
坊さんには肉は食べさせられないけど、豆ならオッケーです。
豆を工夫して、雁の味がするように創作して、それで「がんもどき」と名づけられたんだそうなんです。
ひえー、勉強になりますぅ。
そして、これも他ではなかなか食べることができない、蒸し豆腐。
メッサ美味しい!白身の魚と玉子が入ってました。
これはもうすでに常連決定の店に相成りました、ぼく的には。
一番街の喧騒から、少し離れた住宅地の中にひっそりと“一進”はありました。
さて、次は「東北新幹線」と「夫婦仲はベトベト」でも食べてみようかな?
なにかわかったヒトには抽選で、ぼくの肩叩き券をプレゼント。
締め切りは、今度ぼくが行くときまで。
それはいつの日やねん!?ていうか、あて先はどこやねん?
まあまあ、そんなに怒らないで、
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このアルバムから「It's De-Lovely」でも聴いて、リラックス、リラックマ。
【くりす的名酒場紀行/一進】←店の詳細はここ