楽天ブックス|著者インタビュー - 土田晃之さん『土田晃之のガンダムにもの申す』より引用
--連載を始めるまで見ていないガンダムもあったんですか?
土田さん ファーストから「ZZ(ダブルゼータ)」(『機動戦士ガンダムΖΖ』)まではリアルタイムで見ていたんですが、「V」(『機動戦士Vガンダム』)以降は大人になっていたので、最初の三、四話だけ見て「これはガンダムじゃない!」と思って、その後は見ないという感じでしたね。 世代的にちょうど「ZZ」が分岐点なんですよ。ケンコバ(ケンドーコバヤシ)、品川(祐)も同じ年なんですが、「Z(ゼータ)」(『機動戦士ガンダムΖ』)が中一のときなんですよ。
そのとき、同級生で「Z」、「ZZ」を見ていたのは0.1%くらい。だって、中学生ですもん。部活もあるし、アニメなんて見ないですよ。ファーストは99%は見ていたんですけどね。 OVAは高校時代から、暇なときにレンタルして見ていたんで、テレビシリーズで見ていないものを「ガンダムエース」の連載中にDVDでまとめて見ましたね。
(中略)
--その人に合ったガンダムをオススメする。ガンダムソムリエですね(笑)。
土田さん ハハハ。だって、いまの若い子たちがファーストガンダムを見ても心に響かないですよ。俺らの世代は、それまでのロボットアニメの歴史を知っているからファーストガンダムが新鮮だった。それまでのロボットアニメは、悪の組織に対して正義感の強い男が「俺が地球を守るんだ」ってロボットに乗っていた。でも、ちょっと屈折した子供は、正義感が強くてリーダーシップを取っている主人公を「気持ち悪い」って思っていたと思うんですよ。でも、そこに出てきたアムロは「戦いたくない」って言う。「そんな主人公いるの!?」っていう驚きがあったんですよ。しかも、闘う相手は悪の組織や地球侵略をたくらむ宇宙人じゃなくて、普通の人間同士で、それぞれの言い分がある。そこが画期的だった。でも、その後はガンダムみたいなアニメが主流になっちゃったから、いまの子たちには響かないですよね。
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今年の4月掲載の記事なんでちょっと古いものなんですが、ファースト世代とそれ以降の世代の軋轢の元を、土田さんが明確に書かれていて感心したのでピックアップしました。
でも、ごめん、私は中一がファースト放映の頃だから・・・部活あっても観てたし、「Z」でカミーユが発狂しての終わりは、いまだに心に刺さってます。それと「レンタル」の登場がね、腹立たしいし悔しい。一番アニメを観たい頃は、レンタル料が高かったし、品数が乏しかったから、レンタルして観ようという考えが、そもそもありませんでした。だから、繰り返して何度も観るとか出来なかったぶん、集中して観ていたから、余計記憶に残っているんでしょうね。
そういった時代背景をお腹に納めて、年齢に関係なく「ガンダムはどれが好き?」ってお話をしたいなぁ。