印象を言えば、元木村建設・篠塚東京支店長というのは、かなりの「たぬき」と思えた。姉歯を叩いて自分の懐にキックバックを掠め取るような人だから、かなりのタマと見えた。木村社長は操り人形的な人物なのかもしれない。総研にいいように利用され、「多分まずいんだろうな」という程度は知っていたかもしれないが、それがどういうことになるのか、という部分についてまでは「何も考えていなかった」というような人なのかもしれない(はっきり言うと、ちょっと話しの理解が悪い人みたいな感じ。演技だとすると名演技だな。まるで他人事のような感じ)。だが、篠塚支店長は、平成設計と総研と木村建設と、そのグループ内でどういう仕事をするか、ということは十分知っていたはずだ。答弁の仕方も、篠塚支店長の方が「いかに責任を逃れるか」ということに腐心していたように思う。
普通、どの業界であっても仕事の発注者と受注者の立場関係で、暗黙の力関係がある。姉歯建築士の立場では、背に腹は変えられない、という弱さがあったのだと思う。拒否する強い意志があれば・・・というのは、人間の弱さが関係するのかもしれない。「仕事が取れない」となれば、良からぬ仕事に手を貸してしまう。弁護士の中にだって、金融業者と密接に繋がって「債務整理」を謳いながら別な「ヤミ金」に債務者を送り込むような人達も実際に存在してたし。狼の群れの中に、いたいけな羊を放り込むようなことをやるのだ。
「オタク以外にも業者はごまんとあるからね」
これは色んな業界に通用する殺し文句とも言える。下請けの中小企業が価格交渉をする時に、「泣かねばならない」となるのは、他に発注するよ、という暗黙の圧力が働くからだ。支店長は姉歯建築士から「金をバックしろよ」と強要したようなものだ。それは工事というか建設の何の部分でどうやって「金をひねり出すか」「おこぼれを頂戴するか」ということを、「よく知っている」ということだ。姉歯建築士は、ある意味被害者とも言えるかもしれない。篠塚支店長のような人間が、姉歯のような弱さを持つ人間を餌食にしたようなものだろう。「わかってるよな?」と言われりゃ、それが「何を意味しているか」ということも暗黙に判っていたはずだ。支店長は、「毎回は言ってない」という証言をしていたが、それは事実だろう。何故なら、圧力が一定の効果を持つようになれば、「大体いつものようにやってくれ」と言えば、「平米(単位面積当たり)で○○kgくらいまで落とせるだろ?」とか(たとえそれが違法な水準であっても)を意味することになるだろう。
工事現場に運び込む鉄筋量が、他の現場と全く違うとしたら、普通は誰でも気付く。他の現場と半分とか3分の1くらいしか積んでなかったとしたら、そりゃ「やけに少ないな」と気付く。工事を担当していた木村建設が工事現場を管理していて、それが気付かないはずがないと思いますね。大体資材調達する際に細かい見積りを出すから(普通はソフトに入力して、定型的なパターンとして出されるはずであろう)、構造計算の結果必要な資材を調達する時に、同じ規模のビルと全く違う量であったら、普通は分からないはずがないのでしょう。構造物の材料が急に減るというのは、通常有り得ないな、と判るはずですね。よっぽどの技術革新とか、材料学的な変革とか、そういうものでないと有り得ないことだろうと思います。仮に、木造船を作ろうとした時に必要な材木量が、同じ規模の船で数分の一で済んでしまうということはないでしょう。これが船体の材料がグラスファイバーに変わって、重量も使用材料も大きく変わる、というようなことでなければ、使う材料がそれ程減ることは想定できないはずでしょう。専門の船大工が「こんな少ない木材で船なんて作れねえ」とかって感じるはずだろう、ということですね。
コンサルタントとかブローカーとか呼ばれる(若しくは自称する)人達は、ちゃんとした人達も多いと思いますが、特定業界に強みを発揮して、業界内部での情報を仕入れたり何処からか聞きつけてきてくるんですね。事業を行おうとする人達に定型的な事業計画書を持ってきたり、他の業者達との交渉とか許認可の申請とか、そういったことを引き受けて、利益を得るのですね。事業に手馴れた人達とか人的資源を多く持つ企業とか、そういった事業者以外では案外素人的なことも多いかもしれず、今回問題となったビジネスホテル事業であっても、新規事業の遂行となれば知らないことが多かったりするかもしれません。「~~ホテルも○○コンサルに頼んでやってもらった」というような情報を知ったり、建築関係の業者達などから「○○コンサルを紹介しましょうか」とか言われたりすることもあるかもしれません。そうすると、事業者はあらゆる交渉ごとなども含めて、コンサルを頼ってしまうかもしれません。きっと色々な業界で、そういうコンサルが存在してると思います。
総研もまさにこういうコンサルだろうと思っています。しかも業界内ではよく知られたカリスマ的コンサルということで、きっと事業の仕切りは十分よく知っていたでしょうね。事業者はこういう連中が「何処から利益を抜くか」ということがよく分からないと思います。普通は気付かないと思いますね(私も知らないけど)。裏ではくっついているということも。コンサル、設計、施工業者、これらが一体となっているということにも、中々気付きにくいと思います。
コンサルが「もっと安く、早く出来ますよ」と、それまで予想していた計画よりも、はるかに初期投資が少ない計画を持ってくるんでしょうから、事業者は「そんなに安く出来るんだ」と驚くと思いますね。そこに落とし穴がある。
「ウチの知ってる業者が請負えば、安くやってくれますよ」「もっと工事費を落とせますよ」とかを事業者に言うのですね。建築業者達や設計事務所は仕事が欲しいと思っているから、ここでも発注者と受注者の関係が生まれる。設計事務所に「(構造計算をクリアして工事費を)安く出来るところに出せ(探せ)」ということを指示するだけでいい。コンサルが「仕事を回す代金をよこせ」ということを受注業者(設計、建築会社)に求めたりするんですね。で、その謝礼を捻出するのはどこからか、ということになれば、他の計画よりも安くなっている以上、「引っこ抜ける部分」から取って来るしかない。今回の中では、「鉄筋を間引き」したとも言える。「姉歯を使え」と直接指示しなくとも、設計・施工業者に「構造計算をクリアさせろ」ということを言うだけでいい。
だが、犯罪認定となるには、実際にコンサルからの強制とか「違法性を知っていて施行をさせた」とか、そういうことがないと無理なんじゃなかろうか、とも思う。内河所長はかなり上手な感じがした。本当に総研が違法建築を強制したというようなことを、木村建設とかから証拠が出ない限り、コンサルの責任追及は難しいんじゃないのかな。議員さん達の怒りがちょっと「空回り」のような感じで、内河所長が薄笑いを浮かべ続けていた。
・・・というような印象でした。
普通、どの業界であっても仕事の発注者と受注者の立場関係で、暗黙の力関係がある。姉歯建築士の立場では、背に腹は変えられない、という弱さがあったのだと思う。拒否する強い意志があれば・・・というのは、人間の弱さが関係するのかもしれない。「仕事が取れない」となれば、良からぬ仕事に手を貸してしまう。弁護士の中にだって、金融業者と密接に繋がって「債務整理」を謳いながら別な「ヤミ金」に債務者を送り込むような人達も実際に存在してたし。狼の群れの中に、いたいけな羊を放り込むようなことをやるのだ。
「オタク以外にも業者はごまんとあるからね」
これは色んな業界に通用する殺し文句とも言える。下請けの中小企業が価格交渉をする時に、「泣かねばならない」となるのは、他に発注するよ、という暗黙の圧力が働くからだ。支店長は姉歯建築士から「金をバックしろよ」と強要したようなものだ。それは工事というか建設の何の部分でどうやって「金をひねり出すか」「おこぼれを頂戴するか」ということを、「よく知っている」ということだ。姉歯建築士は、ある意味被害者とも言えるかもしれない。篠塚支店長のような人間が、姉歯のような弱さを持つ人間を餌食にしたようなものだろう。「わかってるよな?」と言われりゃ、それが「何を意味しているか」ということも暗黙に判っていたはずだ。支店長は、「毎回は言ってない」という証言をしていたが、それは事実だろう。何故なら、圧力が一定の効果を持つようになれば、「大体いつものようにやってくれ」と言えば、「平米(単位面積当たり)で○○kgくらいまで落とせるだろ?」とか(たとえそれが違法な水準であっても)を意味することになるだろう。
工事現場に運び込む鉄筋量が、他の現場と全く違うとしたら、普通は誰でも気付く。他の現場と半分とか3分の1くらいしか積んでなかったとしたら、そりゃ「やけに少ないな」と気付く。工事を担当していた木村建設が工事現場を管理していて、それが気付かないはずがないと思いますね。大体資材調達する際に細かい見積りを出すから(普通はソフトに入力して、定型的なパターンとして出されるはずであろう)、構造計算の結果必要な資材を調達する時に、同じ規模のビルと全く違う量であったら、普通は分からないはずがないのでしょう。構造物の材料が急に減るというのは、通常有り得ないな、と判るはずですね。よっぽどの技術革新とか、材料学的な変革とか、そういうものでないと有り得ないことだろうと思います。仮に、木造船を作ろうとした時に必要な材木量が、同じ規模の船で数分の一で済んでしまうということはないでしょう。これが船体の材料がグラスファイバーに変わって、重量も使用材料も大きく変わる、というようなことでなければ、使う材料がそれ程減ることは想定できないはずでしょう。専門の船大工が「こんな少ない木材で船なんて作れねえ」とかって感じるはずだろう、ということですね。
コンサルタントとかブローカーとか呼ばれる(若しくは自称する)人達は、ちゃんとした人達も多いと思いますが、特定業界に強みを発揮して、業界内部での情報を仕入れたり何処からか聞きつけてきてくるんですね。事業を行おうとする人達に定型的な事業計画書を持ってきたり、他の業者達との交渉とか許認可の申請とか、そういったことを引き受けて、利益を得るのですね。事業に手馴れた人達とか人的資源を多く持つ企業とか、そういった事業者以外では案外素人的なことも多いかもしれず、今回問題となったビジネスホテル事業であっても、新規事業の遂行となれば知らないことが多かったりするかもしれません。「~~ホテルも○○コンサルに頼んでやってもらった」というような情報を知ったり、建築関係の業者達などから「○○コンサルを紹介しましょうか」とか言われたりすることもあるかもしれません。そうすると、事業者はあらゆる交渉ごとなども含めて、コンサルを頼ってしまうかもしれません。きっと色々な業界で、そういうコンサルが存在してると思います。
総研もまさにこういうコンサルだろうと思っています。しかも業界内ではよく知られたカリスマ的コンサルということで、きっと事業の仕切りは十分よく知っていたでしょうね。事業者はこういう連中が「何処から利益を抜くか」ということがよく分からないと思います。普通は気付かないと思いますね(私も知らないけど)。裏ではくっついているということも。コンサル、設計、施工業者、これらが一体となっているということにも、中々気付きにくいと思います。
コンサルが「もっと安く、早く出来ますよ」と、それまで予想していた計画よりも、はるかに初期投資が少ない計画を持ってくるんでしょうから、事業者は「そんなに安く出来るんだ」と驚くと思いますね。そこに落とし穴がある。
「ウチの知ってる業者が請負えば、安くやってくれますよ」「もっと工事費を落とせますよ」とかを事業者に言うのですね。建築業者達や設計事務所は仕事が欲しいと思っているから、ここでも発注者と受注者の関係が生まれる。設計事務所に「(構造計算をクリアして工事費を)安く出来るところに出せ(探せ)」ということを指示するだけでいい。コンサルが「仕事を回す代金をよこせ」ということを受注業者(設計、建築会社)に求めたりするんですね。で、その謝礼を捻出するのはどこからか、ということになれば、他の計画よりも安くなっている以上、「引っこ抜ける部分」から取って来るしかない。今回の中では、「鉄筋を間引き」したとも言える。「姉歯を使え」と直接指示しなくとも、設計・施工業者に「構造計算をクリアさせろ」ということを言うだけでいい。
だが、犯罪認定となるには、実際にコンサルからの強制とか「違法性を知っていて施行をさせた」とか、そういうことがないと無理なんじゃなかろうか、とも思う。内河所長はかなり上手な感じがした。本当に総研が違法建築を強制したというようなことを、木村建設とかから証拠が出ない限り、コンサルの責任追及は難しいんじゃないのかな。議員さん達の怒りがちょっと「空回り」のような感じで、内河所長が薄笑いを浮かべ続けていた。
・・・というような印象でした。