このような結末は予想していなかったが、民主党の”体質”と、違う方向性に”逝って”いることだけは当たっていたようだ(笑)。メール問題などという瑣末な問題について、多くの国民は「まだやってたんですか?(爆)」という反応が大半だろう。
多少の忠告(というか、愚痴とも言う)はしたわけですが、本当に逝ってしまいました。1月を振り返ると懐かしいですね、何だか。
参考記事:
話題シリーズ21
ガセネタ騒動
民主党よ、サヨウナラ
国会議論では、本質的な議論は霞んでしまい、無益な時間が過ぎていっただけだ。自民党は相手の大チョンボに便乗して、何の苦もなく国会運営を行うことができた。民主党は一人で騒いで、一人で勝手に転んでしまった。ある意味、「野党ゼロ国会」(それとも「与党内国会」?)とも言うべき珍現象であろう。専ら自民党内での「ポスト小泉」レースに耳目が集まり、主要閣僚の発言が注目され候補者たちの「対立論点」の模索がメディアを中心に行われただけだ。一体何の為の国会なのか。茶番劇の幕引きにしては、お粗末過ぎる結果である。これで国民生活に必要な議論が尽くされてるとは到底考えられないだろう。
民主党の失敗について少し考えてみたい。前原代表の若さ・未熟さ、という通り一遍の論評が多いように思うが、認識にややズレがあるかもしれない。私は単なる前原代表の力量の問題、などとは考えていない。どんな党首を立てたとしても、今の民主党のありようでは全然ダメだろう。そういう問題ではないのだ。むしろ民主党内部の「構造問題」であり、真に「構造改革」が必要なのは民主党である(笑)。
甲子園シーズンですし、WBC優勝やプロ野球開幕という野球ネタに因んで、また変な例で書いてみよう。自民党が古豪と呼ばれるような甲子園常連校ならば、「若きエース」に託そうとした弱小野球チームが、民主党であった。しかもこのチームは他の部からの寄せ集めなどとも呼ばれたりする(笑)。助っ人部員をサッカー部やバスケ部とかの他の運動部から集めたようなチームなのだ。元々がバラバラした感じなのですね。で、若いエースピッチャーに試合を任せたら、他の選手たちが「おまえのせいだ」と責任を擦り付けるわけです。こりゃ、勝てないわな。
どんなにいいピッチャーだって、ピンチにもなるし、不調の時もあるし、打たれてしまう時もあるのだ。そういう時にこそ、チームが団結して互いにカバーしよう、とかピッチャーを助けるようなファインプレーも必要になるのですよ。ところが、自分達もエラーをして塁に出しておきながら、打たれて点を取られると「打たれたピッチャーが悪いんだ」てなことを言うのですよ。これは投手(=党首、またダジャレでスミマセン)が可哀想ですな。ピンチの時にこそ、チームが一丸となって戦わねばやられるに決まっていますよ。当たり前。
元々が、「こんなピッチャーで大丈夫なのか?」とか腹ン中で思ってる、他の連中がいるのですよ。そういうのが雰囲気として波及していくんですよ。打たれた投手が悪い、って責めるんなら、チームじゃなくなるんですよ。個人個人のプレーヤーが勝手にやってるのと一緒。エラーした選手は悪いよ、そりゃ。責任はあるよ。だけどね、それを助けるのがチームじゃないのか?WBC見たでしょ?チームというのは、互いが信頼しなくちゃ成り立たないのですよ。信頼があるからこそ、それに応え、次のいいプレーにも繋がるんですよ。打たれたり、エラーしたら、「あーあ、お前のせいだ」「お前がミスったからだ」「なんであんなボール投げるんだ」って人のせいにしてばかり。しかも野球部以外の助っ人部員みたいな人たちも、「やっぱりこっちの人に投げさせればよかった」「オレが投げる」とか、バラバラに勝手なことを考えているんですよ。こんなチームが勝てますか?
各々がスタンドプレーで「自分が気持ちよければいい、目立てばいい」というような考えではダメに決まっていますよ。たとえ一度も打席には立てないかもしれないが、「チームの為に」一緒にプレーしてなきゃダメなんですよ。見えないところでもチームに貢献する人がいるからこそ、グラウンドに立っているレギュラーは活躍できるのです(むしろ脚光を浴びられるレギュラーは少数派である)。そういう支えがあってこそ、エースだって投げられるのですよ。そういう信頼関係が全然築かれていなかった。
エースが若かったことが失敗なのではない。エースの投球術の拙さが最大の敗因でもない。こんな「最低のチーム」でしかないことこそが、民主党を最低まで貶めたに決まっているのである。個々のプレーヤーは、役割も特徴もみんな違う。外野手はその必要な能力が求められ、内野手は内野手で、女房役の捕手は捕手で、みんな違う能力・性能が求められるのである。投手にだって、ストレート勝負の「本格速球派」とか、+フォーク派、+スライダー派、打たせて取る軟投派、サブマリン派、色々ある。どの投手であっても、エースを生かすも殺すも「チーム」次第だ。有力な投手を擁しないチームなのに、意外と勝ち上がっていったりすることもあります。本格速球派だけが勝つ訳ではない。たとえ強力な投手がいたとしても、チームのサポートがなければ決して勝ち上がれないのだ。
こうして前原民主党は沈んでいった。マウンド上でたった独り仁王立ちとなっていても、捕手に該当する女房役の鳩山幹事長は「何でサイン通り投げないんだよ。逆ダマになってるし。打たれて当然だ。次のピッチャーに交代した方がいい」というようなことを言ったりするわけだ。こんな捕手に思い切って投げ込めるか?平凡な内野ゴロだ、と前原代表が思っても、味方が次々と「トンネル」するし。そうやってランナーをためた所で、ドカンと長打を浴びるわけだ。するとチームメートたちは口々に「ピッチャー交代だ。今のは失投だ」とか味方から野次られるんだぞ?「打たれたのは、オマエのせいだし。オマエが責任取れよな」とか試合中に言われるのだぞ?
こんなの最低のチームだ。これほどのクソみたいなチームは見たことがないな。若きエースを同じチームメートが見殺しにするのだ。むしろ足を引っ張る、という方が正しいかもしれない。だから前原代表の力量云々の前に、まず、「チームとしての民主党」というのが、全く機能していないことを問題視するべきなのだ。最低のチームから抜け出すことは容易ではないし、全員の「意識改革」が必要ということだ。
ちょっと退席。後で書きます。