いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

「打撃合コン」

2008年06月29日 17時05分06秒 | 俺のそれ
・その1

某所経由で発見。

週刊ダイヤモンド目次

この中で
『打撃合コンを必ず成功させちゃうメカニズムデザインって何? 』
となっている箇所があります。

「打撃合コン」……なんか、語感が凄い。
是非一度参加してみたくなるような気がする(笑)。
なんつーか、男女が互いに打撃を与え合うコンパなのだろうか?それとも、野球のようにバッティングしたりするとか?

というのは冗談ですが、ホントは「経済に打撃」ですね。


・その2

「羨ましい道路」

ハア~?どうせ、また道路利権のウニャムニャとかかな、と思ったら、「道路」ではなく「進路」だった。
羨ましい進路と羨ましい道路は似てるんですよ。そのまんま東ならヨソの公共事業を見て、間違いなく「羨ましい道路だ、宮崎にも道路をくれ」って言うと思う(笑)。


・その3

某所で見かけた。

This account has been stupid

かと思ったら、違った。

stupidではなくsuspendedだった。



正義の評決・2

2008年06月29日 13時24分58秒 | 俺のそれ
(前の続きです)


・裁判長Mの苦悩

裁判官と裁判員たちの合議では、死刑をどうするのかが焦点となった。

裁判長は順に裁判員の意見を訊いていった。
裁判員E、F、G、H(男2名、女2名)は死刑を主張。I とJ(男2名)は死刑は拒否、せめて無期懲役かそれ以下の刑期でもいいのではないか、と主張した。

3名の裁判官のうち、裁判長以外の2名にも意見を求めた。

裁判官Kは一番若い裁判官であった。彼の個人的考え方としては、死刑制度は容認すべきではない、という信条を元々持っていたのだった。本件事件は他の強盗殺人事件に類似しており、遺族感情に応える為に死刑を選択するべきではない、と主張した。少なくとも死刑は容認できない、というのがKの主張だった。

裁判官Lは死刑制度の是非については、あくまで個人的思想信条の問題であり、事件には関係なく考えるべきだと考えていた。とりわけ死刑制度には反対という立場ではないが、そうであったとしても本件事件で死刑判決を出すのは妥当ではない、と考えたのだった。裁判長から意見を求められた時、Lは「死刑は妥当ではない」旨、過去の判例などから例を引いて述べたのだった。


裁判員も裁判長も、2人の裁判官が述べる意見を黙って聞いていた。4名の裁判員たちは、主として遺族や殺害された被害者の立場から死刑も止むを得ないとする意見のように見えたが、専門家である裁判官の意見は裁判員とは違った角度からの意見だった。ここまでで、死刑支持は裁判員4名、不支持は裁判官2名と裁判員2名の計4名だった。残るは裁判長の意見だけだったが、この1票が極めて重大な1票だった。


裁判長Mにとっては、意外な分れであった。
裁判官Kが死刑制度に反対の立場であることは知っていたから、Kが死刑を支持するとは最初から考えていなかった。予想通りの意見だった。しかしながら、裁判官Lが死刑を回避するという確信はなかった。何故なら、以前にLが死刑判決を書いたことがあるということを知っていたからだった。死刑反対の立場ではなかったLが、本件では死刑は妥当ではないとする意見を述べるとなれば、やはり量刑として死刑は妥当ではないということなのかもしれない。
だが、裁判員の多数派が死刑判決を支持したということは、社会一般の基準とか感覚では、死刑相当という判断なのだろうと考えるよりない。社会の支持や評判というのは、そういう水準を望んでいる、ということなのかもしれない。規範意識は裁判官ではなく社会が作るのだと考えれば、裁判員の多数派の判断を支持するべきということもあるかもしれない。けれども、裁判官が全員死刑判決を回避するのであれば、当然のことながら懲役刑ということになる。

裁判員制度とは一体何の為にあるのだろうか?
一般人をわざわざ呼んで裁判をやりながら、裁判員の過半数が出した判断を全く無視するかの如く、裁判官が一致して異なった判断を下すのであれば、はじめからいなかったとしても何ら変わりがない、ということになる。そうであるなら、裁判員は何の為に存在していたのだろうか?
社会が死刑を望んでいるものを―それとも多数派が望んでいるというべきか―、裁判官が覆して判断を下すのであれば、それは裁判官の常識や感覚が社会と乖離している為なのではないだろうか?
いや、それとも裁判官だからこそ、多数派が望むような判断ではなく、確固たる基準で公平に判断できるのかもしれない。社会の意見は揺らぎが大きいが、裁判官であればその揺らぎは小さいはずだ。でも、それならば、何故裁判員に訊かねばならないのだろう?最初から裁判員の意見や判断は必要ない、というのと同じではないか。


さて、どうしたものか。
自分が入れる1票で評決は5対4になる。死刑を選択しなかった場合、裁判官3名の意見は全部一致していることになる。それは裁判官の正しさが示されるのと同じだろう。しかし、社会が考えている判断とは違っている、ということになってしまいかねないかもしれない…。


裁判長Mは躊躇いがちに口を開いて、自分の意見を述べた。


・判決

裁判官と裁判員たちが、合議を終えて部屋から出てきた。どうやら結論がまとまったらしい。

法廷では被告人が判決を待っていた。傍聴席には被害者の遺族らが涙をこらえながら、判事の到着を待ちわびていたようだった。大勢の報道関係者たちの姿も並んでいた。空いている傍聴席は一つもなかった。


裁判員たちも全員着席し、まるでクラシックコンサートの演奏開始直前のように静かな息音と微かな衣擦れの音以外には何も聞こえる音はなかった。

裁判長Mは被告人を正視して、判決文を読み上げた。
「主文、被告人を……」




正義の評決

2008年06月29日 12時15分57秒 | 俺のそれ
全く架空の話です。裁判員制度について大袈裟に考えてみました。

◇◇◇

とある地方都市近郊でのこと。


20XX年  ○○地方裁判所

強姦殺人事件の裁判予定。


・事件の概要

ある男A(29歳)が被害女性B(21歳)を強姦した後に殺害した事件。
Aは地元では割と有名な旧家の長男で、父親は地元の株式会社Cの社長。Aは将来会社を継ぐだろう、と言われていた。被害者Bは周辺市にある国立大学Dの学生で、将来を嘱望されていた優秀な学生だった。Aはたまたま通りがかりで見かけた女性Bに目を付け、後をつけて自宅や大学などを探り当てていた。事前に女性Bの行動パターンを把握しており、襲う場所も物色済みであった。帰宅時間を日常の行動から把握していたので、Aは女性Bが帰ってくるのを待ち伏せ、犯行に及んだ。殺害後には、財布や携帯電話などを奪って逃走。それらは証拠隠滅の為に、現金を抜き取って川に投げ捨てられた。


・裁判の争点

Aは犯行事実については争わない。ただ、殺人については否認している。強姦目的ではあったものの、元々殺意はなく、女性が死んだのは「はずみだった」と主張。検察側は犯行は計画的に行われており、殺人を意図していたものであった、と主張。


・死刑か、否か?

殺人は成立している、というのがほぼ一致した見解。ただし、一部反対した裁判員は存在した。証人として証言台に立ったBの両親は犯人の死刑を望んでいる、と明言。またAには強姦歴があって、起訴されなかった事件が過去にあったことが判明。父親がもみ消し工作をした結果なのではないか、と取り沙汰された。当時の被害女性が告訴しなかったことがその要因と考えられた。示談で済ませることを被害者側が選んだからだ、というのが表向きの事情だった。しかし、地元の人間にしてみれば、会社Cの影響力を考えると「とても逆らえない、告訴なんてできない」というのは公然の秘密であった…。

本件で検察の求刑は死刑であり、判決をどうするのか、量刑についてはどうするのか、ということについて社会の関心を集めていた。裁判員や裁判官が死刑を選択するのか否か……?



・裁判員たちの正義

○裁判員E(33歳男性)の場合:

裁判員として選出される時、被告や被害者との接点について裁判所職員から尋ねられたが、ないと答えた。しかし、それは真実ではなかった。女性Bが大学入学当時から、大学院生としてEは国立大学Dに在籍していたのだった。

出欠を取る為にEは講義前に必ず教室にいたのだが、目を引く存在だったのが女性Bだったのだ。Eはいつしかほのかに淡い思いを寄せるようになっていったが、Bには何一つ告げることはできなかった。声すら掛けることが躊躇われた。学内で偶然に女性Bを見かけたりすると、えもいわれぬ熱いものが喉の奥の方にこみ上げてくるような感じがした。去年の春に、そんなEの大学生活は終わり、地元の近隣に就職を決めたのだった。既に30歳過ぎであったので、いつまでも大学生活を謳歌しているわけにはいかなかった。地元の国立大学で「空きポスト」が巡ってくるのを待つだけの余裕はなかった。将来は見えたも同然だった。だから就職を選んだ。

大学を離れて以降、女性との出会いは特別なかったが、Bのことも頭から消えていた。あの頃の熱病のような、静かに煮えたぎるマグマのような想いは、一体何だったのだろう。今でも判らないが、純粋な気持ちであったことは一生涯忘れないだろう。
偶然裁判員に選ばれて、事件をはじめて知った。思いがけず、怒りと憎しみで打ち震えた。法廷では、常に被告Aの眉間を睨みつけていた。あの眉間を射抜きたい、そういう思いで一杯だった。女性Bの両親が怒りと悲しみで幾度も法廷で泣き崩れる姿を目の当たりにした時、気持ちは既に固まっていた。傍聴席にいる彼女の遺影は、あの当時と同じく私の目に微笑みかけているではないか。

答えは誰に訊いても、当然同じに決まっている。たった一つしかない。


○裁判員F(67歳男性)の場合:

自分が事件に関わりがあるとは知らなかった。善良な市民としてこれまで生きてきたFには、時折目にする、しかし、また悲しい一つの事件のように思われた。

Fは長年この近隣で仕事をして生きてきた。しかし、決して拭い去れない記憶があるのだった。
あの時Fは、とある弱小企業の営業部長として交渉の場に臨んでいたのだった。血も涙もないAの父親は、取引停止を通告してきていた。会社Cとの取引がなくなれば、Fの会社は確実に潰れる。何としてもそれだけは回避したかった。しかし、会社Cの決定は変わらなかった。長年尽くしてきた下請け会社が切り捨てられた瞬間だった。Fのいた会社は倒産した。他の社員たちも路頭に迷うことになったのだった。あの時のAの父親の顔を忘れたことなどなかった。今こうして、法廷の中であの男に再会するとは思ってもみないことだった。向こうはFの顔を覚えてなどいまい。しかしFにとっては、脳裏に深く刻みつけられた男の顔を忘れることなど、たとえ希望したとしても無理なことであった。

あの男の息子がしでかした大罪は、裁きを受けなければならない。それは父親であるあの男の作り出した業のようなものだ。報いは受けなければならない。


○裁判員G(48歳女性)の場合:

忌まわしき事件を家族の誰もが記憶の奥底から消し去れないでいた。9年前の事件のことだ。当時26歳だった妹は、Aに強姦されたのだった。4人姉妹の一番末の妹で、唯一の独身者だった。他の姉3人は既に結婚して実家を離れていた。狭い社会では、事件の噂が広まるには時間がかからなかった。実家の母親は重い口を開こうとはしなかった。しかし、一番上の姉として、妹のことを尋ねないわけにはいかなかった。
病院に見舞いに行った時、妹は抱きついて号泣した。どうにか忘れさせる方法を考えねばと、あれこれ思いを巡らしてはみるものの、かけるべき言葉の一つさえ見つけるのが苦しかった。言葉が出てこない代わりに、ただひたすら涙だけが溢れた。小さかった頃と同じく、涙で震える妹の背中をさすってあげることしかできなかった。

父親は、絶対に許さん、半殺しにしてやる、と激怒していた。しかし、その数日後、親族の家に呼ばれて出かけていったきり、翌日まで戻ってこなかった。母と姉妹3人で待つ家に父親が戻ってきた時、泥酔していた。そして、数時間後に目覚めた父親は、大声で泣き喚いた。熊が吼えるような、この世で一度も聞いたことのない泣き声だった。暫くして、告訴はできない、とだけ母に漏らした。やり場のない怒りと自分の無力さを痛感した父親がどんな気持ちで家に帰ってきたか、あの声を聞けば十分汲み取れた。
無念というものを骨身にしみて感じた一家にとって、決して忘れることなどできなかった。Gは獣同然のAと、愚かな息子を守る為に圧力をかけてきた父親に、あの時の無念を思い知らせる時がやって来たのだと思った。これこそ天の差配なのだ、と。

悪は必ず滅びねばならない。赦されざる父子こそが、罰を受けるべきなのだ。


○裁判員H(54歳女性)の場合:

いつかはこうなる時が来るかもしれない、と予感していたが、それが見事に当たった。女の直感だった。きっとAは将来犯罪者として裁かれることになるだろう、とはるか昔に感じていた通りだった。いや、それは予感というよりも寧ろ願望に近いものであったかもしれない。そんな願望を抱いていたことは、他の誰にも知られてはいなかった。

Aは高校生の時、不良グループの1人だった。昔気質のツッパリなどではなく、ただのワルだった。イジメだったり、カツアゲや意味なく暴れて物を壊したり、といった、ならず者でしかなかった。Hの息子は同じ高校に通っており、運悪くAに目を付けられたのだった。幾度も嫌がらせやイジメに遭い、カツアゲもされた。母親として息子を守ってやりたかったが、学校に何度相談に行っても何一つ改善されることはなかった。そして息子は不登校となり、その学期の終わりには転校せざるを得なくなった。Hにとって、Aのグループの酷い行状は赦し難く、特にAのような典型的バカ息子はいずれボロを出して捕まるに違いない、と思っていた。だが、学校に相談しても、有力者の父親を持つAには、教師たちが遠慮しているのか手出しができないといった様子だった。この近隣の町では、それも仕方のないことだったかもしれないが、あまりの不公平には強い不満を覚えた。

でも、あの時の予感は正しかった。今こうして、償わねばならない時を迎えているのだから。
懺悔するのが遅すぎたのよ。


○裁判員I (62歳男性)の場合:

長年教師として、晩年には校長として、信望を集めてきた自分にとって、守らねばならないことは決まっていた。
I には、誰にも知られたくない消せぬ過去があった。校長の自分が破滅する道を選ぶことなど絶対にできなかった。Aの父親がいなければ、今頃自分はどうしていただろうか。地元の調停委員や教育団体の天下り先のイスもなかったことだろう。家族にも愛想を尽かされて、捨てられていたかもしれない。当然この地域に住むことなどできなくなるだろう。自殺するくらいしかなかったかもしれない。それが救われたのだ。あの男のお陰で。

校長だったI が元教え子に不適切な関係を迫ったということを、当事者の親子から教育委員会にタレこまれたのだった。当初、I のもとへ教育委員会から意見聴取の知らせが来たのだが、相手の親がちょっとしたヘマをやらかしたのだった。それは教育委員会にタレ込む前に直接面会し、その時校長に対して暗に金を要求したような言動があったことだった。
I は旧知のツテを辿り、Aの父親に口利きをしてもらうことを頼んだ。すると有力者であるAはすぐさま地方議会議員に話をつけて、教育委員会にねじ込ませた。複数議員からの圧力で、校長の一件を完全に封じ込めるようにさせたのだ。相手側に対しては、脅迫とも取れる行動について逆に脅しをかけ、数万円で口止めすることに成功したのだった。教育委員会内では、勘違いした親子の言いがかりとして素早く処理され、表沙汰にはならなかった。
後日、校長は何度も何度も畳に額をこすりつけて、Aの父親に礼を言った。すると、いいんですよ、他ならぬ~さんの頼みですから、とそっけなく言ったのだった。校長の知り合いの名前を言っただけで、校長には何の関心も持ってはいなかった。が、出し抜けに、誰しも表に出ればマズいことの一つや二つは抱えているもんです、それを知る人間だけが支配する側に立てるんですよ、と歪んだ唇と冷徹な表情を作りながら、校長に言い放ったのだった。あれは、他人に苦しみを与える方法を熟知した人間の目だった。

Aの父親がどんなヤツか考えればわかる。報復は絶対にあるんだ。これまでの人生を、ここで壊すわけにはいかないんだ。折角これまで築き上げてきた全てが、あんなつまらない事件がバレるだけで失われてしまう。それだけは絶対に避けなければならない…。


○裁判員J(44歳男性)の場合:

従業員が僅か4人の零細企業経営者にとって、下請け仕事が途絶えることは死を意味する。仕事は会社Cから他業者を経由して回ってくるのだった。もしも会社Cの不興を買ってしまえば、経営者であるJの責任ということになってしまい、仕事を回してくれる△会社の社長さんに迷惑をかけることになる。Aの父親がJのことを直接知っているわけではないのでバレないかもしれないが、もしも会社Cの幹部や△会社の関係者に知れることになれば、Aの父親の耳に入る可能性はあるのだ。そうなれば、結果は目に見えているだろう。もうこの街で仕事なんてできない。報復されて、干されるだけだ。

こんなところで、会社を潰すわけにはいかない。たかが裁判員ごときで、オレの人生を棒に振るなんて、バカなことができるか。家族を悲しませることはできない。オレにとっては、選択の余地などないんだ。オレの決断は誰も救いやしないが、会社や家族を守ることならできる。それがオレにとっての正義なんだ…。

(続く)